研修の種類を徹底解説|形式・テーマ・階層別の選び方

毎年同じような研修を繰り返しているが、本当にこれでよいのかと感じている人事担当者は少なくありません。「何から手をつければよいか分からない」「テーマを選ぼうにも全体像が見えない」といった声が、研修計画の現場ではよく聞かれます。

研修の種類は、形式・テーマ・階層という3つの軸で体系的に整理できます。この3軸を理解することで、自社に不足している研修や最適な実施形式を判断しやすくなります。

本記事では、研修の全体像を「形式別・テーマ別・階層別」の3軸で整理し、さらに選び方の判断基準まで解説します。年間研修計画を立案・見直したい研修担当者の方に、実践的な視点をお届けします。

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研修の種類を理解する3つの分類軸

研修の種類を整理するには、「何を」「どのように」「誰に」という3つの問いに答えることが出発点になります。この3問を軸にすると、選択肢を絞り込みやすくなります。

分類軸1:形式(どのように実施するか)

分類軸の1つ目は、研修の実施形態です。集合型・オンライン・eラーニングなどが代表例です。同じテーマの研修でも、形式が違えば学習効果もコストも異なります。受講者の勤務形態や習得させたいスキルの性質によって最適な形式が変わるため、まず自社の状況に合う形式を検討することが第一歩です。

分類軸2:テーマ(何を学ぶか)

分類軸の2つ目は、研修の学習内容です。ビジネスマナー・コンプライアンス・マネジメントなど、扱うスキルや知識によって分類されます。企業が社員に習得させたいテーマを網羅的に把握し、「抜け漏れがないか」「優先順位は正しいか」を確認するための軸です。

分類軸3:階層(誰が受講するか)

分類軸の3つ目は、受講対象者の役職・入社年次です。新入社員・若手・中堅・管理職で、習得が必要なスキルは異なります。階層ごとに「今この時期に身につけておくべきことは何か」を整理することで、タイミングを逃さない育成体系をつくれます。

この3軸を組み合わせると、たとえば「中堅社員(階層)に対して、コーチングスキル(テーマ)をeラーニング(形式)で習得させる」という具体的な設計が可能になります。

【形式別】集合型・オンライン・eラーニングの特徴と使い分け

研修の形式は、「いつ・どこで・どのように実施するか」を決める基本的な枠組みです。主要な3つの形式の特徴を比較した上で、それぞれをどんな場面で選ぶかを整理します。

集合型研修(座学研修)のメリット・デメリット

集合型研修は、特定の会場に講師と受講者が集まって実施する形式です。講義形式で行われることが多いことから「座学研修」とも呼ばれます。

メリット

  • 業務から切り離された環境で、学習に集中できる
  • 一度に複数人が同じ内容を習得できる
  • グループワークやロールプレイングを組み込みやすい
  • 対面のやりとりによって一体感や動機づけが生まれやすい

デメリット

  • 会場確保や設営の手間がかかる
  • 全員のスケジュールを合わせるコストが高い
  • 拠点が分散している場合、全社への展開が難し

集合型は、グループ演習や体験型学習が必要なテーマ(コミュニケーション研修・チームビルディングなど)や、強い一体感を生みたい新入社員研修に向いています。

オンライン研修のメリット・デメリット

オンライン研修は、ZoomやTeamsなどのWeb会議ツールを使い、講師と受講者がリアルタイムでつながる形式です。集合型と同じ「双方向性」を持ちながら、場所の制約を超えられる点が特徴です。

メリット

  • 全国の拠点から同一研修に参加できる
  • 録画して社内共有・復習に活用できる
  • 会場の手配が不要でコストを抑えられる
  • チャット機能で受講者が質問しやすい

デメリット

  • 講師の目が行き届きにくく、集中力を維持しにくい
  • 対面に比べてグループワークやロールプレイングが実施しにくい
  • 通信環境のトラブルに対応する必要がある

オンライン研修は、拠点が複数ある企業の全社研修や、外部講師を招いた学習機会の提供に適しています。

eラーニングのメリット・デメリット

eラーニングは、デジタル機器とインターネットを通じて学習コンテンツを受講する形式です。時間と場所を問わず、受講者が自分のペースで学べる点が最大の特徴です。

メリット

  • いつでもどこでも受講でき、スキマ時間を活用できる
  • スケジュール調整が不要で、受講者の負担が少ない
  • 確認テストや進捗管理をシステムで一括管理できる
  • 自社オリジナルコンテンツと組み合わせて使える

デメリット

  • リアルタイムでの質問・フィードバックが難しい
  • グループワークやロールプレイングには対応できない
  • 自己管理が苦手な受講者は受講率が下がりやすい

▼eラーニングで受講状況や進捗を一括管理するイメージ

▼スマートフォンで時間や場所を選ばず受講するイメージ

eラーニングは、コンプライアンスや情報セキュリティなど全社員への均質な知識習得が必要な場面、または集合研修の予習・復習として組み合わせる場面で力を発揮します。

関連記事:eラーニングで研修を行うメリット・デメリット|システムの比較ポイントも紹介

関連記事:オンライン研修とeラーニングの違い|メリット・デメリットを比較

形式別比較テーブル——どの場面で何を選ぶか

主要な3つの形式の違いを把握しやすいように、以下の表で比較ポイントを整理しました。それぞれの特徴の違いを掴むうえで参考にしてください。

集合型研修オンライン研修eラーニング
双方向性(質問・対話)高い中程度低い
実施コスト高い(会場・交通費)中程度低い
スケジュール調整の手間大きい中程度不要
グループワークへの対応得意やや苦手不可
全国展開のしやすさ難しい容易容易
受講者のペース調整不可不可可能
向いているテーマ例チームビルディング、ロールプレイ系講義型の全社研修コンプライアンス、IT研修など

「どれか一つを選ぶ」必要はなく、むしろ複数形式の組み合わせが標準的な設計になりつつあります。

ブレンディッド研修:複数形式の組み合わせ活用

ブレンディッド研修とは、複数の学習形式を組み合わせた研修設計のことです。たとえば「eラーニングで基礎知識を習得した後、集合研修でロールプレイングを実施する」「集合研修を録画してeラーニング化し、復習・振り返りに使う」といった組み合わせがあります。

各形式の弱点を補い合えるため、学習効果を高めながらコストや工数を抑えられる点が強みです。たとえば、集合研修にeラーニングを加えるだけでも、受講者が自分のペースで予習・復習できる環境が整います。

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eラーニングの効果的な活用方法

階層別研修を実施する際には、参加者の業務スケジュールとの調整が課題となることがあります。

特に、業務が忙しい社員の場合、研修への参加が負担になることもあるため、オンライン研修や動画教材を活用するなど、受講形式を工夫することで参加者のニーズを満たすことができます。

例えば、「eラーニング」を導入すると、社員が自身のスケジュールに合わせて好きな時間に受講でき、受講負担を軽減することが可能です。

さらに、eラーニングの一手法として注目を集めている「マイクロラーニング」を活用すると、受講効率が大きく向上するためおすすめです。マイクロラーニングとは、5分~10分といった短時間での学習スタイルのことを指します。短いコンテンツで学習するため、受講者はスキマ時間を活用して効率的に学習できます。

昨今のビジネス環境では、社員が日々の業務に忙殺されることが多く、まとまった学習時間の確保が難しくなっています。移動中や休憩時間といった「スキマ時間」にサクッと学びたいというニーズが高まっており、マイクロラーニングは、こうした昨今のビジネスマンの行動様式に対応できる学習手法として注目されています。

マイクロラーニングのコンテンツは学習内容が細分化されており、受講者は集中力やモチベーションを維持しやすく、短時間の集中した学習によって記憶の保持につながりやすいのも特徴です。反復学習や確認テストなどを組み合わせると、より効果的に知識を定着させることもできます。

【テーマ別】企業研修の主要13カテゴリ一覧

企業で実施される研修テーマは多岐にわたります。まず全体像を俯瞰した上で、自社に不足しているテーマや強化が必要な領域を特定することが大切です。

以下の表を参考に、主要13カテゴリの概要を確認してみてください。

テーマ主な対象階層研修のねらい
ビジネスマナー新入社員・全社員挨拶・敬語・電話応対など社会人の基本を習得する
ビジネスマインド新入社員・若手主体性・責任感・セルフマネジメントの基盤をつくる
コミュニケーション全階層報連相・傾聴・プレゼンなど円滑な対話力を高める
ビジネスシンキング若手・中堅ロジカル・ラテラル・クリティカル思考を習得する
ハラスメント全社員ハラスメントの定義と予防行動を理解する
コンプライアンス全社員法令遵守・情報セキュリティへの意識を高める
ITスキル・情報セキュリティ全社員ITリテラシーとセキュリティ対策を身につける
職種別研修各部門社員営業・技術・事務など職種固有のスキルを強化する
マネジメント管理職・候補者目標管理・評価・部下育成のスキルを高める
チームビルディング全社員チームワークと相互信頼を醸成する
コーチング中堅・管理職対話を通じて部下の自発性と成長を引き出す
OJTトレーナー・メンター若手・中堅育成担当者としての指導スキルを習得する
人事評価・経営戦略管理職・経営層公正な評価と経営視点でのマネジメントを学ぶ

ビジネスマナー研修

挨拶・敬語・電話応対・来客対応・名刺交換など、ビジネスの場で求められる基本行動を習得する研修です。

新入社員向けに実施されるケースが多いですが、基礎が身についているかどうかは入社年次で一律には判断できません。既存の社員に対して定期的に確認・補強する機会を設けることも、社内の品質均一化につながります。

ビジネスマインド研修

社会人としての心構え・主体性・責任感といった姿勢の基盤をつくる研修です。

タイムマネジメントやセルフモチベーションコントロールも含まれます。こうした姿勢を入社直後に固めることで、その後の知識・スキル習得の吸収率が上がります。

コミュニケーション研修

報連相・傾聴力・プレゼンテーション・交渉術など、ビジネスのあらゆる場面で必要なコミュニケーションスキルを高める研修です。

「技術はあるが、伝え方が課題」「チーム内での情報共有がうまくいかない」といった組織の課題解決にも直結します。新入社員から管理職まで、階層を問わず継続的に取り組む価値があります。

ビジネスシンキング研修(ロジカル・ラテラル・クリティカル)

ビジネスの課題をスムーズに解決するための思考法を身につける研修です。代表的な3つの思考法を紹介します。

ロジカルシンキング(論理的思考)は、物事の結果と原因を明確にとらえ、つながりを整理する思考法です。会議でのプレゼンや提案資料の作成など、論理的に伝える場面で活きます。

ラテラルシンキング(水平思考)は、前提にとらわれず発想を横に広げる思考法です。既存の方法では解決できない課題に対して、新しいアイデアを生むための思考パターンです。

クリティカルシンキング(批判的思考)は、物事をあえて疑い、前提を問い直す思考法です。「この方法は本当に最善か」と問い直すことで、より良い判断や改善につなげます。

ハラスメント研修

2022年4月に中小企業を含む全事業所への適用が開始されたパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)を背景に、ハラスメント研修は実施義務に近い位置づけになっています。

職場で起こりうる主なハラスメントには、パワーハラスメント・セクシュアルハラスメント・マタニティハラスメント・モラルハラスメントなどがあります。研修では「ハラスメントにあたる行為の具体的な理解」と「予防行動の習得」を中心に設計することが重要です。

関連記事:ハラスメント研修の目的・種類・効果的な実施方法

コンプライアンス研修

法令遵守・情報セキュリティ・個人情報保護・内部統制など、企業と社員を守るためのルールを理解させる研修です。

不適切な販売方法や情報漏えい、SNSでの不用意な発信が企業への深刻な信頼失墜につながるケースは後を絶ちません。階層を問わず全社員が受講すべきテーマであり、年1回の定期実施が推奨されます。

関連記事:コンプライアンス研修とは?テーマ例やネタ探し、実施方法を解説

ITスキル・情報セキュリティ研修

OfficeソフトやDXツールの操作スキルから、フィッシング詐欺・パスワード管理・ランサムウェア対策まで、現代のビジネスに不可欠なIT関連スキルを習得する研修です。

テレワーク・クラウド活用の普及により、情報漏えいのリスクは高まっています。「ITが苦手な社員には不要」ではなく、全社員が基本的なセキュリティ意識を持つことが組織全体のリスク低減につながります。

職種別研修(営業・技術・事務等)

特定の職種に特化した専門スキルを習得する研修です。

営業研修では商談スキル・提案力・クロージング技術、技術研修では専門知識のアップデート、事務研修では業務プロセスの標準化などが主な内容になります。担当業務の高度化・変化に応じて、継続的に実施することで専門性を高めます。

マネジメント研修

管理職・管理職候補を対象に、目標管理・部下育成・評価面談・業務改善などのスキルを習得する研修です。

マネジメントは「一つのスキル」ではなく、リーダーシップ・コーチング・評価力など複数のスキルの集合体です。テーマを細分化して段階的に実施することで、体系的な能力開発につながります。

関連記事:管理職に求められる研修スキル

チームビルディング研修

チームワークを高め、メンバー間の相互信頼を醸成する研修です。

座学で協力・対話のフレームワークを学ぶパターンと、ゲームやグループワークを通じて直接体験するパターンがあります。部門間の連携課題を抱えている場合や、新しいチームが発足した際に特に効果を発揮します。

コーチング研修

対話を通じて相手の自発的な成長・行動を引き出す「コーチング」スキルを習得する研修です。

上司が部下の1on1面談でコーチングを活用することで、部下の自律性と問題解決力が高まります。そのため、指示・命令型のマネジメントから脱却したい組織に有効です。

関連記事:コーチング研修とは|受講の目的や研修の選び方、ポイントを解説

OJTトレーナー・メンター研修

OJTトレーナーやメンターとして後輩・部下を育成する担当者向けの研修です。

OJTトレーナーは実務の中で知識・スキルを直接指導する役割を担い、メンターは実務に限らずキャリアや精神面もサポートします。育成担当者が「どう教えるか」を体系的に学ぶことで、教育の質と効率が高まります。

関連記事:OJTトレーナー研修とは?目的やメリット、研修手順を紹介

人事評価・経営戦略研修

人事評価研修は、評価者が制度を正確に理解し、公正・公平な評価と人材育成を実践するための研修です。「評価者研修」「考課者研修」とも呼ばれます。

経営戦略研修は、経営資源(ヒト・モノ・カネ)の配分や市場・競合環境を踏まえた大局的な視点を養う研修です。主に管理職以上を対象とし、経営層の意思決定に連動した行動ができる人材を育成します。

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【階層別】研修テーマの選び方——新入社員から管理職まで

階層別に「今この段階で何を学ぶべきか」を明確にすることで、教育投資の優先順位が立てやすくなります。なお、以下に示す階層は目安です。各社の組織体制や等級制度に合わせて調整してください。

新入社員向けの推奨テーマ

入社1〜2年目の新入社員には、特に以下のテーマが重要です。

  • ビジネスマナー(挨拶・敬語・電話応対・名刺交換)
  • ビジネスマインド(主体性・責任感・タイムマネジメント)
  • コミュニケーション(報連相・伝え方と聞き方)
  • ITスキル(PC操作・社内システム・情報セキュリティ基礎)

早い段階で基礎を体系的に習得しておくことで、実務経験を積む中でのスキルの定着・深化が加速します。

関連記事:新入社員向けのスキル別研修カリキュラムの立て方

若手社員向けの推奨テーマ

入社2〜5年目の若手社員には、応用力を伸ばす観点から以下のテーマが推奨されます。

  • ビジネスシンキング(ロジカルシンキング・課題解決)
  • プレゼンテーションスキル
  • 後輩指導・OJTトレーナーの基礎
  • 専門知識の強化(担当職種に関連する研修)

この時期に問題解決力と表現力を高めておくと、中堅・管理職へのステップアップがスムーズになります。AirCourseでは若手向けのカリキュラムとして、実務スキル向上・コミュニケーション・後輩指導などを幅広いテーマで体系的に学べます。

中堅社員向けの推奨テーマ

入社6〜10年目の中堅社員には、次のようなテーマが推奨されます。

  • マネジメント(管理職候補として)
  • コーチング・メンタリング
  • OJTトレーナー研修
  • 専門性の強化(担当領域のさらなる深掘り)

組織の中核として後輩の育成にも関わるため、「教える力」「引き出す力」を養う研修が特に有効です。

管理職向けの推奨テーマ

課長・部長クラスを想定。組織を動かすためのマネジメントスキルと経営視点が求められます。課長・部長クラスの管理職には、特に以下のテーマが重要です。

  • マネジメント(目標管理・部下育成・評価面談)
  • 人事評価研修
  • リーダーシップ
  • 経営戦略

なお、「管理職になった直後」と「数年を経て組織変革が求められる段階」では、必要なスキルが変化します。昇格時の初期研修だけでなく、定期的なアップデートの機会を設けることを計画に組み込んでおきましょう。

全社員向けの推奨テーマ

役職・入社年次を問わず、全社員が共通で習得すべきテーマがあります。全社員共通で受講機会を設けたいテーマとしては、以下が挙げられます。

  • コンプライアンス・法令遵守
  • ハラスメント防止
  • 情報セキュリティ
  • チームビルディング

特にコンプライアンス・ハラスメント・情報セキュリティは、1人でも知識が不足している社員がいれば組織全体のリスクになります。年1回の受講を義務化し、定着を確認するテストを組み合わせることが効果的です。

関連記事:【無料テンプレ付】人材育成計画の立て方|階層別の目標設定も解説

—関連資料—

階層別の研修体系を整えた先にあるのは、将来の組織を担うリーダーをどう育てるかという問いです。次世代リーダー育成に向けた階層別アプローチの実践ガイドで、育成計画の設計方法を具体的に確認できます。

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研修効果を高める4つの学習手法

研修をより効果的にするために、研修本編とあわせて活用できる手法があります。ここでは代表的な4つを紹介します。

ロールプレイング

実際のビジネス場面を疑似的に再現し、その中で役割を演じながらスキルを習得する手法です。

営業の商談・接客対応・カウンセリングなど、「実際にやってみること」でしか身につかないスキルに有効です。「お客様役はいったん断る」「反応が薄い設定にする」といった工夫を加えることで、実践的な場面に近い演習が可能になります。

グループワーク(自由討論型・課題解決型・ディベート型)

複数の受講者がグループに分かれ、テーマに対して協議・発表などを行う手法です。3つのタイプがあります。

自由討論型 は、テーマに対して自由に意見を出し合い、結論を導く形式です。参加者の積極性や思考パターンを観察できるため、研修の冒頭で場を温めるのにも有効です。

課題解決型 は、業務上の課題や問題のシナリオを設定し、グループで解決策を検討します。コミュニケーション・ロジカルシンキング・リーダーシップを同時に鍛えられます。

グループ対抗ディベート型 は、あるテーマに対して2つのグループが意見を戦わせる形式です。相手の論理を受け止めつつ、自分たちの主張を構築する力が求められるため、高度な思考力育成に適しています。

個人ワーク

与えられたテーマに1人で取り組む手法です。

自己分析・個人目標の設定・過去の体験の振り返りなど、内省が必要な場面で活用できます。グループワークと組み合わせて「まず個人で考えてからグループで共有する」形式にすると、議論の深さが増します。

チェックテストと宿題で習得度を確認・定着させる

研修で学んだ内容の習得度を確認するための仕組みです。

チェックテストは受講者を評価するためではなく、「理解できていない部分を特定する」ことを目的としています。

実施後に結果をフィードバックすることで、受講者自身が何を補強すべきかを自覚できます。課題・宿題は研修当日の学習内容を定着させるための継続的な仕組みとして有効です。

研修と組み合わせて定着を促す5つの人材育成手法

人材育成の手段は研修(Off-JT)だけではありません。日常業務と連動した育成の仕組みを合わせて活用することで、研修で習得した知識・スキルの実践定着が促進されます。

OJT制度

OJT(On-the-Job Training)は、職場での実務を通じて知識やスキルを習得する育成方法です。

「OJT制度」とは、OJTを自然発生的なものでなく「意図的・計画的・継続的」に行うための仕組みです。制度化することで、育成担当者による指導内容のバラつきを防ぎ、早期戦力化と定着率の向上につなげられます。

関連記事:OJT制度とは?構築時の注意点と効果を高める方法を解説

メンター制度

知識・経験を持つ先輩社員(メンター)が後輩社員に対し、業務支援・キャリア相談・メンタルサポートを行う制度です。

年齢や社歴が近いメンターをペアにするケースが多く、後輩が相談しやすい関係をつくりやすい点が強みです。一方で、メンターの負担増加や相性の問題もあるため、こうした課題に対応できるよう、上司や人事が定期的にフォローする体制を整えることが不可欠です。

自己啓発支援

社員が自発的に知識・スキルを高める取り組みを、企業が支援する施策です。

書籍購入補助・資格取得支援・社外セミナー費用の補助などが代表例です。社員の意欲・帰属意識・スキルの向上が期待できます。採用活動でのアピールにもなる一方、制度の設計・運用には一定のコストと工数がかかります。

ジョブローテーション制度

部署異動・職種変更を定期的に行い、多様な業務経験を通じて幅広い能力を持つ人材を育成する制度です。

適材適所の発見・部門を越えた人脈形成・応用力の習得といった効果が期待できます。ただし、移動直後はパフォーマンスが一時的に下がること、専門性の深化がしにくい点は留意が必要です。

人事評価制度・目標管理制度

人事評価制度は、業績・能力・態度を客観指標で評価し、昇給・昇格に反映する制度です。育成面では「何が不足しているか」「何を伸ばすべきか」を個人が自覚するための鏡として機能します。

目標管理制度は、社員が個人目標を設定し、その達成度を評価する制度です。「組織目標と個人目標のつながり」と「社員自身が目標を設定すること」の2点が重要で、押しつけではなく自主性に基づく育成につながります。

関連記事:人事評価の項目とサンプル|目的や基準、実施手順を解説

eラーニングで多様な研修ニーズに対応した事例

形式・テーマ・階層と研修の設計を整備するにあたり、eラーニングを活用して研修の質と効率を同時に高めた企業の取り組みを紹介します。

受講者と講師の双方にとってwin-winの教育環境をeラーニングで構築(フジ産業株式会社様)

産業給食・メディカル給食・学校保育園給食を提供するフジ産業株式会社様は、全国各地に事業所を持ち、シフト勤務・交代制勤務の社員が多い環境です。従来は集合研修を中心に教育を行っていましたが、全員が同じ日時・場所に集まることが困難で、受講できない社員が生まれることが課題でした。

AirCourse導入後、毎年実施していた安全衛生講習会をeラーニング化しました。受講履歴の管理と未受講者へのリマインドが可能になり、受講すべき人への徹底受講が実現しました。若手育成研修の事前課題としても動画学習を活用し、反転学習形式(事前動画視聴→Zoomで解説)を組み合わせることで、研修の質を高めています。

また、「eラーニングで受講者と講師の双方にとってwin-winの環境を整備できた」との声も上がり、空き時間に受講できる柔軟性も現場から好評を得ています。

フジ産業株式会社 AirCourse活用事例

等級制度とeラーニングを活用した人材育成体系の構築(株式会社CIN GROUP様)

企業の経営課題を多角的に支援する株式会社CIN GROUP様は、eラーニング導入以前、全社共通の学習基盤が整っておらず、教育施策が各部署任せになっていた状況でした。特に「学びたいが何から始めればよいか分からない」という社員の声が課題として浮き彫りになっていました。

AirCourse導入後は、等級別研修と昇格要件に基づく研修という2軸で運用を設計しました。等級ごとに推奨講座を設定し(若手層はビジネスマナー・業務効率化、中堅層はマネジメント・問題解決など)、個人の選択の余地を残しながら成長の道筋を示しました。「昇格要件と研修を連動させたことで、社員のモチベーションが向上し、組織全体に前向きな学習のサイクルが生まれつつある」と担当者は語ります。

株式会社CIN-GROUP 活用事例 – AirCourse

紹介した事例以外にも、製造業・サービス業・小売業など多様な業種・規模でのAirCourse活用事例をまとめた資料を提供しています。自社に近い環境での運用イメージを具体化する際にお役立てください。

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よくある質問

Q. 研修の種類が多くてどれを選べばよいか分かりません。どこから始めればよいですか?

まずは「全社員が受講すべき必須テーマ」を固めることから始めることをおすすめします。コンプライアンス・ハラスメント防止・情報セキュリティは、業種・規模を問わず優先度が高いテーマです。

必須テーマを確定した後、階層別の推奨テーマを付け加えていくと、全体設計が進めやすくなります。また、一度に完成させようとせず、「今の研修体系に何が抜けているか」を一つずつ確認するステップが現実的です。

Q. eラーニングは集合研修の代替として使えますか?

すべての研修をeラーニングに置き換えることはできませんが、組み合わせることで多くのケースで補完できます。コンプライアンスや情報セキュリティなど「知識の習得・確認」が目的の研修はeラーニングに向いています。

一方、ロールプレイングや対話が必要なコミュニケーション研修・チームビルディングは集合型またはオンラインが適しています。「何を目的とした研修か」によって形式を使い分けることが、最も効果的なアプローチです。

Q. 研修の実施頻度はどのくらいが目安ですか?

テーマによって異なりますが、コンプライアンス・ハラスメント・情報セキュリティは年1回の定期実施が標準的です。階層別研修は昇格・役割変化のタイミングで実施するのが一般的です。継続的なスキル向上を目的とするeラーニングは月次での受講推奨など、習慣化を促す仕組みをあわせて設計することが効果的です。

このように、「一度やって終わり」ではなく、定期的なサイクルを設けることが定着につながります。

Q. 中小企業でも本格的な研修体系を整えられますか?

人事担当者が少ない中小企業でも、eラーニングを活用することで研修体系の整備は十分可能です。たとえば、外部の標準コースを活用すれば、コンテンツを自社制作するコストをかけずにテーマの網羅性を確保できます。

階層別・テーマ別に整理された既製コースを選ぶだけでも、体系的な育成環境をつくれます。初期費用の少ないクラウド型のeラーニングシステムから始め、自社の課題に合わせて段階的に拡張していく方法が現実的です。

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