eラーニングでのテスト実施は効果的かつ効率的です。eラーニングはインターネット環境とパソコンやスマートフォンさえあれば「いつでも、どこでも」学習を行えます。昨今eラーニングは利便性や効果の高さから、人材確保が難化する中で社内教育を充実させるための手段として注目されています。
eラーニングシステムにはテスト機能が付いているものも多く、紙で行っていたテストのWeb化や、手間やコストなどの問題から諦めていた重要な知識・スキルの習熟度をチェックすることが可能となるのです。
そこで本記事では、eラーニングを用いたテストについて、メリットや手順から注意点までを徹底解説します。
目次
eラーニングでテストを行うための前提
eラーニングを用いたテストについて説明する前に、おさえておくべきeラーニングについての基本情報を紹介します。
eラーニングとは
そもそもeラーニングとは、パソコンやスマートフォン等のデジタル機器とインターネットを利用して教育、学習、研修、テストを行うことです。とりわけテストについては、対応する機能があれば選択式や記述式など任意の問題形式を設定できます。
eラーニングが注目される背景
労働人口減少や採用市場の激化によって人材確保や定着率が課題となる中、企業は限られた人数で成果を創出することが求められます。そのためには社内教育の充実が必要であり、eラーニングが注目されているのです。
eラーニングはネット環境さえあればいつでもどこでも受講可能なため、受講者側は空き時間などを有効活用できます。管理者側も受講案内のみで、研修のために参加者全員のスケジュール調整を行う必要もありません。
人材育成を行いたいが「管理者側も含めて社員の時間と余裕がない」といった根本的かつ難解な課題を解消できるのが、eラーニングです。
eラーニングでテストを行う必要性
eラーニングでの学習が広まりつつある一方で、eラーニングを用いたテストまで実施できている企業は多くありません。
ただ、教育は効果が見えてこそ実務に役立てることができます。そのため、研修などの教育を受けた社員の理解度や満足度を測定する必要があるのです。
eラーニングでテストを行うメリット
eラーニングでのテスト実施には、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で具体的なメリットを4つ紹介します。
受験者の負担軽減
会場でテスト用紙を用いて行うケースとは異なり、eラーニングは場所や時間を選びません。受験者側はわざわざ会社に赴く必要もなく、業務の空き時間などを有効に活用することができます。
実施コストの削減
eラーニングでテストを行えば、以下のようなコストをかける必要がありません。
- テスト用紙の印刷
- 会場の手配や準備
- 当日の案内係や監視係
- 採点や集計
また、テスト問題の差し替えや更新もパソコン上で一斉に反映できるため、運営側の手間も軽減されます。
学習機会の増加
eラーニングであれば、簡単にテストを作成・実施できるので、知識の確認・定着・補足などを行いやすくなります。例えば以下のような活用が可能です。
- 各担当業務に必要な知識の理解度チェック
- 新たな商品やサービスに関する理解度チェック
- 研修後の習熟度チェック
- ビジネスマナーなど基本知識のおさらいテスト
- 各種ハラスメントやコンプライアンスなどの確認テスト
結果として、業績アップやリスク回避につながるでしょう。
人材育成施策の効果測定を行える
eラーニングでのテストを用いれば、各種研修など人材育成施策の効果を測定可能です。効果測定の理論として有名な「カークパトリックの4段階評価」にて、eラーニングでのテストを用いれば、レベル1〜2の測定が容易に行えるようになるのです。
各施策の効果を測定できれば、社員の自己成長に対するモチベーション向上や、新たな人材育成施策のヒントを得ることも期待できるでしょう。
カークパトリックの4段階評価
段階 | 項目 | 内容 | 施策例 |
---|---|---|---|
レベル4 | 成果 | 学習者の行動は 組織の成果に貢献したか? |
研修実施前後の KGI・KPIの変化確認 |
レベル3 | 行動(行動変容) | 理解した知識・スキルを 実行したか? |
職場観察/言動チェック /パフォーマンスインタビュー |
レベル2 | 学習(理解度) | 学習者は知識・スキルを 理解したか? |
理解度テスト/課題提出 |
レベル1 | 反応(満足度) | 学習者はプログラムに 満足したか? |
研修後アンケート |
eラーニングでテストを作成する手順
eラーニングでテストを作成して実施するまでの手順について解説します。
1.実施目的を明確化する
テスト作成において目的の明確化は非常に重要です。テストを通じて、どのような学びや気づきを得て欲しいのか、どの知識を身につけさせたいのか、何を測り評価したいのか、などを明確にします。
目的を明確にしておくことで、的確な問い(テスト問題)を作成することが可能となります。少なくともテスト自体が目的化しないようにしましょう。
2.テスト問題を作る(出題形式を決める)
目的を明確に定めたら、目的を達成するためのテスト問題を作成します。
テストは何を聞くか(内容・題材)が重要ですが、どう聞いてどう答えさせるか(出題形式)も同様に重要です。同じ内容を問う場合でも出題形式によって難易度や効果は異なります。以下は、テストで用いられる主な出題形式です。
主な出題形式
〇✕式
例文:以下の内容のうち、正しいものは〇、間違ったものには✕を記入しなさい。
単一選択式
例文:以下の選択肢のうち、正しいものを1つ選びなさい。
複数選択肢式
例文:以下の選択肢のうち、正しいものを全て選びなさい。
穴埋め選択式
例文:以下の空欄部分に適する語句をリストから選択して記入しなさい。
傾聴とは、相手の立場に立ち、気持ちに( )しながら話を聞くことである。
リスト[共感 集中 反発 反応]
穴埋め記述式
例文:以下の空欄部分に適する語句を記入しなさい。
傾聴とは、相手の立場に立ち、気持ちに( )しながら話を聞くことである。
自由記述式
例文:あなたは出席予定の打合せに5分程度遅れそうです。この際の適切な行動について自由記述で解答してください。
難易度は選択式より記述式の方が高まります。また〇×式や選択式は、成否を考える過程で選択肢を熟読させることにより、記憶への定着を図れます。一方で自由記述式であれば、受験者の応用力や思考力を測り、鍛えることが可能です。
3.eラーニングシステムに反映して試し受験をする
テスト問題が完成したら、eラーニングシステムに反映した上で必ず試しに受験してみましょう。受験者の目線で見ることで、分かりにくい点や勘違いや誤解が生じそうな点など
出題側としては気づけなかった部分を発見することができます。
また、試し受験は1人ではなく複数人に行ってもらうことをおすすめします。1人では見落としてしまいがちな点にも気づくことが可能です。
eラーニングでテストを行う際の注意点
eラーニングでテストを行う際には、注意すべき点があります。具体的には以下の通りです。
迷いなく解答できる表現になっているか
テスト問題を作成する際、各設問や選択肢の表現が分かりにくくないか注意が必要です。以下で具体的に説明します。
「問い方」を統一する
例えば、正しいものと間違っているものを選ばせる問題を作成した場合、「問い方」は統一すべきです。以下の良い例と悪い例を参照してください。
〇良い例
問1:正しいものを選びなさい
問2:間違っているものを選びなさい
問3:正しいものを選びなさい
問4:間違っているものを選びなさい
✕悪い例
問1:正しいものを選びなさい
問2:間違っているものを選びなさい
問3:適切なものを選びなさい
問4:間違っているものはどれですか
良い例では問い方が統一されています。一方で悪い例では質問形式であるはずの「問1と問3」および「問2と問4」の問い方がバラバラです。これでは受験者に迷いを生じさせかねません。
文章の調子を統一する
テスト問題内の文章は、「です・ます」調もしくは「だ・ある」調のいずれかを用います。この際、両調子が混在しないように注意しましょう。混在していると受験者に違和感や不要なストレスを与えてしまいます。
問題が「1:1対応」になっているか
1:1対応とは、1つの質問に対して1つの知識によって答えることができることを示しています。1つの質問の答えを出すために複数の知識が必要となってしまうと、誤答した際に「どの知識が不足して間違えたのかが分からない」という状況に陥ります。理解度の傾向を知りたい場合などは特に注意しましょう。
テスト機能に対応しているか
eラーニングシステムによっては、テスト機能が備わっていないものも存在します。eラーニングでテストを実施する構想がある場合、導入前に必ず確認しておきましょう
実施したい出題形式に対応しているか
eラーニングシステムにテスト機能が備わっていたとしても、実施したい出題形式(〇✕式や記述式など)に対応していなければ目的とする効果を得られません。出題形式に柔軟に対応できるシステムを選定することをおすすめします。
成果につながるeラーニングテストを行うには
eラーニングで効果的なテストを行うためには、理解度や習熟度の正確な測定を可能にするため〇✕式や自由記述式など多様な出題形式に対応するeラーニングシステムの選定が必要です。またより効果的かつ本格的に活用するためには、以下のような機能が求められます。
- 「正答率80%以上で合格判定を表示」のような合格基準を任意で設定できる
- テストを用いた学習を目的とする場合に「正誤・正解・解説文」を表示するかを選択できる
- 問題毎のウェイトを調整できる(配点変更)
- 問題をランダムに出題できる
- 制限時間を設定できる
「AirCourse」は、上記の機能をすべて備えています。さらに、テストやアンケート、提出課題など様々な素材を自由に組み合わせてオリジナルのeラーニングコースを作成できるため、効果の高い自社研修を実現可能です。
自社オリジナルコース作成例:
- 初回テスト
- 動画レクチャーA
- 中間テスト
- 動画レクチャーB
- 最終テスト
- アンケート
動画はドラッグ&ドロップで簡単にアップロードでき、パワーポイントやPDFなど多様なファイル形式にも対応しています。
また「使いやすさ」を追求しているため、システムに不慣れな社員であってもマニュアル無しで直感的に操作でき、受講率の向上にもつながります。開催側も受講案内のみで、研修やテスト実施のために参加者全員のスケジュール調整を行う必要もありません。
手間や負担の少なさから「運営側も含めて社員の時間と余裕がない」という課題に対する有効な解決策となるでしょう。
eラーニング活用について詳細を知りたい方は以下の資料をご確認ください。
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まとめ
eラーニングを用いたテストについて前提から、メリット、手順、注意点までを解説しました。
そもそもeラーニングとは、パソコンやスマートフォン等とインターネットを利用して教育、学習、研修、テストを行うことです。多くの企業において人材確保や定着率が課題となるなか、人材育成を受講や運用の負担を少なく行える利点から注目されています。
eラーニングでテストを行う主なメリットは、「受験者の負担軽減」「実施コストの削減」「学習機会の増加」「人材育成施策の効果測定を行える」の4つです。eラーニングはあらゆるコストを低減しつつ学習効果を高めることができるため、コストパフォーマンスが良いツールと評価できます。
ただし、eラーニングでテストを行う際には、注意点もあります。テスト問題作成の基本として、受験者が迷いなく解答できる表現にするため「問い方」や「文章の調子」の統一が必要です。また、問題が「1:1対応」になっているかも注意しましょう。そもそも導入を検討しているeラーニングシステムがテスト機能に対応しているかや、様々な出題形式に対応しているかについても確認が必要です。
成果につながるeラーニングシステムを導入したい場合は、様々な出題形式に対応している他に「合格判定が可能」「正誤や解説文を表示できる」「ランダム出題が可能」「制限時間を設定できる」などを満たすかを確認しましょう。あわせて、導入後に運営側にとっても受講・受験側にとっても使いやすさも重要なポイントです。これらの基準をすべて満たす「AirCourse」もぜひご検討ください。
eラーニングでのテストを活用し、大切な社員の成長、ひいては企業の発展を実現させましょう。