Excelによる研修管理において発生する問題
働き方改革が叫ばれている現在、その旗振り役であるべき人事担当者自身が非効率で煩雑な業務に悩まされ、残業に追い込まれるといった皮肉な状況になっているのではないでしょうか。
この連載記事では、全4回にわたって、人事担当者を悩ませる非効率で煩雑な業務の代表例である研修管理に焦点を当てて、非効率の原因追及から、最新のITサービスであるクラウドLMSを利用して、現状から脱却する方法までを解説します。
題して「めざせ脱Excel~クラウドLMSで楽々研修管理(全4回)」をお送り致します。
第1回:Excelによる研修管理は、なぜ非効率なのか?
それでは、Excelによる研修管理において発生する問題点について考えてみましょう。
多くの企業では、いまだにExcelを使った研修管理が行われていますが、管理が煩雑でミスも多く、多大な工数が使われる結果を招いています。
それはなぜでしょうか。連載第1回の今回は、Excelによる研修管理において発生する問題を、人事担当者、マネージャ、一般社員それぞれの立場から考えてみましょう。
- 人事担当者(管理者)
- マネージャ(承認者)
- 一般社員(受講者)
1.人事担当者(管理者)
管理者としての人事担当者が最初に直面する問題はファイル管理です。
1つ目の問題はファイルが煩雑になることです。
すべてのデータを1つのExcelファイルに入れることはできませんから、研修コース単位や部門単位に分割してファイルを管理しなければなりませんし、データのやり取りも、ファイルをメールに添付したり、ファイルサーバー上に置いたりするのは、とても煩雑になることです。
2つ目の問題は進捗管理です。
Excelによる研修管理では、研修受講のプロセスが進んでいる間、受講申請から受講後レポートにいたる進捗状況を把握する仕組みがありません。研修受講報告のない担当者に確認メールを個別に送るといった作業をするのはとても非効率です。
3つ目の問題は履歴管理です。
Excelによる研修管理では、研修コース単位で受講履歴を管理するのが一般的ですが、その場合、特定の社員に関する受講データは複数のファイルに分散されてしまいます。結果として、時系列で社員がどのような研修コースを受講してきたのかを知りたい場合には、複数のExcelファイルからデータを集めて時系列に並べる作業が発生してしまいます。
4つ目の問題は集計です。
複数のExcelファイルにまたがったデータをまとめて集計するためには、わざわざ別の集計用ファイルにまとめて計算する必要があり、部門別や月別といった異なる集計単位が必要になる都度、面倒な作業が発生してしまいます。
2.マネージャ(承認者)
承認者としてのマネージャが直面する問題は、人事担当者とよく似ています。
マネージャは複数の部下からの研修受講願を承認しなければなりませんから、部下ごと・研修コースごとに受講が適正かどうかを判断するためのデータを必要とします。
しかし、受講管理がExcelで行われている場合は、部下が過去どのような研修を受講したのか、あるいは、同じ研修コースを受講した部下が他にいないのか等を確認することさえ難しくなります。
進捗管理についても、未決済の受講願の有無や、承認した研修を部下が本当に受講したのかを自分自身で管理しなければならず、その非効率さは人事担当者と同様です。
3.一般社員(受講者)
人事担当者やマネージャほどではないにせよ、受講する立場の一般社員についても、問題は発生します。
受講申請や受講報告の過程において発生するメールやファイルのやり取りは、大変面倒で、申請ミスや報告忘れといった問題が起こります。
履歴管理についても同様です。自分自身が都度データを入力、保存し時系列にまとめておかない限り、過去の受講履歴がわからず、同じような研修コースを受講してしまったりします。
まとめ
このように、Excelによる研修管理には多くの問題があり、人事担当者(管理者)、マネージャ(承認者)、一般社員(受講者)のそれぞれに多大な工数がかかり、遅延やミスが出やすく、データを活かした研修企画も実現できないということになります。
このような問題を根本的に解決するには、Excelによる研修管理から脱却して、よりきちんとしたシステムを使った研修管理に移行する必要があります。
それでは、このようなシステムには、どのような機能が求められるのでしょうか。
次回の連載第2回では、Excelによる非効率な研修管理業務から脱却するために必要となる「研修管理システムに求められる機能」について解説します。
「めざせ脱Excel~クラウドLMSで楽々研修管理(全4回)」
第1回:Excelによる研修管理は、なぜ非効率なのか?
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