近年、企業の人材育成において「ブレンディッドラーニング」が注目されています。
ブレンディッドラーニングは、集合研修やOJTなどの従来型の学習手法に、オンライン学習やeラーニングを組み合わせ、柔軟かつ効果的な学習体験を提供する手法です。
人材育成の投資対効果が向上する手法であることから、採用する企業が増えています。
本記事では、ブレンディッドラーニングが注目されている理由やメリット、具体的な活用方法について解説するとともに、導入時のポイントもご紹介します。
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ブレンディッドラーニングとは?
ブレンディッドラーニングとは、集合研修やeラーニング、オンライン学習などを効果的に組み合わせた学習手法です。
ブレンディッドラーニングは、オフラインとオンラインの利点を組み合わせた学習方法で、それぞれの学習形態を組み合わせることによって、短所を補完し、より効果的で柔軟な学習環境を提供できるのが魅力です。
ブレンディッドラーニングが注目される背景
ブレンディッドラーニングが注目される背景には、デジタル化の進歩や働き方の多様化といった現代社会の変化が挙げられます。
従来の研修は、集合研修が主流でしたが、時間や場所の制約と、受講者の理解度や学習スピードの違いへの対応が難しいといった課題がありました。
しかし、オンライン学習の普及によって、研修コンテンツの個別化や柔軟な学習が可能になり、オンライン学習のニーズが急増しました。
これにより、従来の集合研修と組み合わせた、より効果的な研修が求められるようになったのです。
ブレンディッドラーニングは柔軟性と効果の高さにより、現在の企業研修において重要な学習手法として注目を集めています。
ブレンディッドラーニングのメリット
ブレンディッドラーニングは、企業と受講者の双方にメリットのある、学習効果の高い手法です。この章では、企業側と受講者側のメリットをさらに詳しく解説します。
企業側のメリット
ブレンディッドラーニングを導入することで、企業側は以下のような3つのメリットが得られます。
研修コストの削減
eラーニングやオンライン研修を取り入れ、集合研修を必要最低限にすることで、会場費、交通費、宿泊費、講師への謝礼など、費用を削減できます。
研修時間の短縮
事前学習をeラーニングで行うことで、集合研修時間を大幅に短縮できる点もブレンディッドラーニングの大きなメリットです。
従来の集合研修では、基礎知識の習得から応用スキルの実践までを一括して行うため、実施に数日間を要していました。
しかし、ブレンディッドラーニングを導入すれば、事前にラーニングで基礎知識を学習し、集合研修の時間を実践的な内容に集中させることができるため、集合研修を短縮することができます。
短縮できた時間を本来の業務に充てられるため、業務効率の向上にもつながります。
人材育成のROI向上
ブレンディッドラーニングを活用することで、人材育成の投資対効果(ROI)を大幅に向上させることができ、研修効果の向上とコスト削減を同時に実現できます。
さらに研修の効果測定ツールを導入し、データに基づいて研修内容を改善していくことで、更なるROIの向上を目指すことができます。
受講者側のメリット
ブレンディッドラーニングには、企業だけではなく受講者にとっても以下のようなメリットがあります。
学習内容の定着率向上
集合研修とオンライン学習を組み合わせることで、インプットとアウトプットの両方を実践でき、学習内容の理解を深められます。
復習が容易になるため、記憶の定着を促進できます。
参加への負担軽減
ブレンディッドラーニングによって集合研修の時間が短縮されるため、受講者は負担を軽減しながら学習に取り組むことができます。
ブレンディッドラーニングの仕組みと実践例
ブレンディッドラーニングで効果的な学習効果を得るには、研修内容に適したオンラインとオフラインの組み合わせが重要です。
例えば、新入社員研修で「ビジネスマナー」を学ぶケースの場合を考えてみましょう。
オンラインで座学によるマナー理解を促し、オフラインでロールプレイングを通して実践力を養うことで、より効果的な研修になります。
ブレンディッドラーニングで使われる教育手法
ブレンディッドラーニングで使われる教育手法には、それぞれ特徴があります。
以下にブレンディッドラーニングで使われる教育手法の特徴とメリット・デメリットをまとめました。
手法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
集合研修/講義形式 | 講師が一方的に知識や情報を伝える | 多くの受講者に効率的に情報を伝えられる | 受講者の主体性が低くなりやすい |
集合研修/演習形式 | グループワークやディスカッションを行う | 実践的なスキルや知識を習得できる | 時間や場所の制約がある |
オンライン研修 | Web会議システムなどを用いた研修 | 場所を選ばずに参加できる | 通信環境に左右される |
eラーニング | インターネットを利用した自己学習 | 自分のペースで学習できる | 学習進捗の管理が難しい |
OJT | 実際の業務を通して指導する | 実践的なスキルが身につく | 指導者の負担が大きい |
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、研修目的に合った手法を組み合わせることが、ブレンディッドラーニングの効果を高めるコツです。
研修の実施スタイルの組み合わせと実践例
研修の実施スタイルの最適な組み合わせは、自社の研修の目的や課題に合わせて検討していきましょう。
以下に、ブレンディッドラーニングの例を示します。
【基礎固め×実践】eラーニングで予習 → 集合研修で実践 → OJTで定着
このパターンは、新入社員研修や階層別研修など、基礎知識の習得と実践力の向上が求められる場合に有効です。
eラーニングで事前に基礎知識を学ぶことで、集合研修での時間をより実践的な演習やグループワークに充てることができます。
さらに、OJTを通して職場での実践を積むことで、知識の定着と行動変容を促進します。
【個別学習×全体共有】オンライン研修で個別学習 → 集合研修で共有と深堀り
このパターンは、個々の学習スピードに合わせた柔軟な学習機会を提供しつつ、集合研修で全体としての理解度を共有し、質疑応答や議論を通じて理解を深めることができます。
多様な学習ニーズを持つ受講者が多い場合や、研修内容が複雑で深い理解が求められる場合に適しています。
【スキルアップ×現場適用】集合研修でスキル習得 → eラーニングで復習と確認 → OJTで実践
集合研修で集中的にスキルを習得し、eラーニングで復習と知識の確認を行い、OJTで実践を通してスキルを定着させる方法です。特に、実践的なスキル習得を目的とした研修に有効です。
ブレンディッドラーニングの効果的な導入方法
ブレンディッドラーニングを効果的に導入するためのポイントを解説していきます。
eラーニングによる復習コンテンツの提供や、定期的なフォローアップ研修の実施など、受講者の継続学習を促進する工夫を凝らしましょう。
研修目的を設定する
ブレンディッドラーニングを導入する際には、研修の目的設定が最も重要です。
目的が曖昧なまま研修の設計や実施を進めてしまうと、期待する効果を得られない可能性が高くなります。
研修によってどのような成果を出したいのかを明確にすることで、適切な手法を選択し、効果的な研修を実施できます。
目的設定の手法は以下の記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
【テーマ別】研修の目標設定例|設定する狙いやポイントも解説 | 人材育成サポーター
具体的な目標を設定すれば、研修の効果測定を適切に行い、改善につなげることができます。
具体的なロードマップを作成する
ブレンディッドラーニングを成功させるには、具体的なロードマップの作成も重要でです。
受講者のモチベーション維持と学習効果の向上には、目標達成までの道のりを明確にすることが欠かせません。
人材育成におけるロードマップ作成の手順は、以下の記事で解説しています。
受講者自身が「この研修で何を学び、どのようなスキルや能力を身につけることが求められているのか」という点を理解できるようにしましょう。
適切な研修スタイルを選定する
ブレンディッドラーニングを効果的に行うために、目的に沿った研修スタイルを選定するようにしましょう。
集合研修やオンライン研修、eラーニングそれぞれの特徴を確認し、それぞれの手法のメリットを活かしながら、デメリットを補完する組み合わせを実現しましょう。
受講者が継続して学習するサイクルを作る
ブレンディッドラーニングで効果を出すためには、継続的に学習できるサイクルを作ることが重要です。
学習サイクルを作ると、受講者は学んだ知識やスキルを定着させ、実践に活かすことができます。
ブレンディッドラーニングを通じて、受講者が発見した自身の課題を改善できるような学習サイクルを作ると良いでしょう。
ブレンディッドラーニング導入時の注意点
ブレンディッドラーニングを効果的に実施するには、事前学習を徹底させ、組み合わせる手法の内容に一貫性をもたせることが重要です。
受講者に事前学習を徹底させる
ブレンディッドラーニングは、受講者に事前学習を徹底させることが何より重要です。
オンラインで実施される事前学習は、集合研修の内容をスムーズに理解し、深い学びへとつなげるための重要なステップです。
ところが、受講者の自主性に委ねるだけでは学習が疎かになる可能性があります。
研修担当者は受講者が確実に事前学習に取り組めるように工夫しなければなりません。
事前学習を徹底する理由は、受講者が主体的に学ぶ姿勢を養うとともに、集合研修などのオフライン研修の時間をより有意義なものにするためです。
事前に基礎知識を習得しておくことで、集合研修ではより深い内容の議論や実践的な演習に集中できます。
限られた研修時間を最大限に活用するためにも、事前学習は重要な役割を担っています。
事前学習を徹底する効果的な方法のひとつとして、学習管理システム(LMS)の活用が挙げられます。
LMSを通じて学習コンテンツを提供、進捗状況を管理すると、受講者は自分の学習ペースを把握し、計画的に学習を進めることができます。
また、研修担当者は受講者の進捗状況をリアルタイムで確認し、必要に応じてサポートできます。
さらに、学習コンテンツに小テストや課題を組み込めば、学習内容の理解度を確認し、弱点の克服を促すことも可能です。
他にも、事前学習の目的や目標を明確に伝える、学習時間確保のためのサポートを提供する、疑問点を解消するための質問窓口を設けるなど、受講者が安心して学習に取り組める環境を整備することが大切です。
これらの取り組みを通じて、事前学習を徹底させ、ブレンディッドラーニングの効果を高めましょう。
学習テーマを明確にし、内容に一貫性をもたせる
ブレンディッドラーニングを設計する上で、学習テーマを明確にし、内容に一貫性をもたせることは、学習効果を高める上で非常に重要です。
例えば、集合研修で「営業トークの基本」を学ぶ場合、関連するオンライン研修でも「効果的な営業トークの事例紹介」や「ロールプレイング練習」といった、共通のテーマに基づいた内容を扱うことで、学習内容の理解と定着を促進できます。
逆に、内容に一貫性がない場合、受講者の混乱を招き、学習意欲を低下させる可能性もあります。
例えば、集合研修で「営業トークの基本」を扱っているのに、全く関連性のない「顧客管理システムの使い方」をオンライン研修で扱っても、学習内容が断片的になり、効果的な学習は期待できません。
研修内容を精査し、共通のテーマや目標に基づいた一貫性のある研修内容を設計しましょう。
まとめ
この記事では、ブレンディッドラーニングが注目されている理由やメリット、具体的な活用方法について解説するとともに、導入時のポイントについてもご紹介してきました。
ブレンディッドラーニングは、オンラインとオフライン学習を組み合わせ、両者のメリットを最大限に活かす学習手法です。費用対効果、時間効率、学習効果の向上など、企業と受講者双方に多くの利点があります。
自社の課題や従業員のスキルに合わせて、適切な学習手法を選択し、ブレンディッドラーニングを実施しましょう。
人材育成を成功に導く「最新育成モデル」を活用しませんか?
人材育成を成功に導くためには、育成過程の注力ポイントを知り、必要な成果に向けて適切なステップと育成スキームを選択することが重要です。
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社員が成長し、最終的に成果をあげるまでに必要な施策とその流れをモデル化したものになりますので、自社の状況と照らし合わせて育成方法を検討したい方はぜひご活用ください。