テレワーク時代の社員教育のポイント

<この記事は2020年3月3日開催のWebセミナーの内容を元に作成したものです>

テレワーク時代の社員教育の課題とは

本セミナー実施に至った背景について

セミナーにご参加いただきまして誠にありがとうございます。今日のセミナーですが、『テレワーク時代の社員教育のポイント』と題してお話をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

当社はeラーニングのサービスをずっと提供してきた会社ですが、この1、2週間ぐらいかなりeラーニングのお問い合わせが増えております。その背景として、新型コロナウイルス対応や、政府からの要請ということもあり企業ではテレワークを急速に行わなければならない状況になっています。しかし、テレワークを進めると集合研修が非常に行いにくい、あるいはテレワーカーへの社員教育を検討していかないといけない状況になっています。そういった課題をお持ちの会社様からの問い合わせが非常に多いという状況でございます。

当初このセミナーはeラーニング全般をテーマにしたセミナーということで考えていましたが、そういった状況でございますので、急遽テレワークにテーマを絞って、課題をお持ちの皆様のお役に立てればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

本セミナーの内容

今日の内容としましては、まず、テレワーク時代の社員教育の課題について皆様と共有させていただければと思います。そのあとは、eラーニングのメリットと問題点についてです。このテレワークの時代にeラーニングは必須のツールになってくると思いますが、メリットが多くある反面、問題点もありますので、そういったところをまずは認識していただきます。

その上で、今日のメインの内容の動画eラーニングについてです。動画eラーニングは非常にテレワーク教育に向いております。既に色々な活用例がございますので、そういった活用例のうちいくつか典型的なものをご紹介させていただきます。

そして、その後に遠隔社員教育を成功させるポイントをお話しさせていただきます。最後に当社の遠隔社員教育のツールであります「AirCourse」をご紹介させていただきます。

テレワークとは何か

それでは内容に入ってまいります。まず、「テレワーク時代の社員教育の課題とは」というところを最初に皆様と共有したいと思います。

最初は、「テレワークとは何か」という事です。既にご存知の方も多いと思うのですが、改めて確認をさせていただきます。

情報通信技術ICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」、これがテレワークの意味です。これは一般社団法人日本テレワーク協会での定義です。

テレワークの「テレ」というのが離れたところ、「ワーク」というのは働く・仕事ということを表していますので、通常のオフィス以外の場所でITを活用して柔軟に働くというのがテレワークです。

テレワークの形態

テレワークの形態には大きく3種類あります。在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスです。この3種類がある、というイメージを持っておいていただければと思います。

まず在宅勤務ですが、今、新型コロナウイルス対応で、各企業が在宅勤務を急速に進めている現状があるかと思います。これは自宅で働くことを表します。そして主にPCを使われている会社様が多いと思います。会社とはインターネットで接続をされている状態です。会社とのコミュニケーションについては、メールや電話だったり、最近ではチャットツールとかWEB会議などを活用されている会社様も多いのではないかと思います。ちなみに当社も今は在宅勤務というのを進めておりまして、約半分ぐらいが今在宅で仕事をしているという状態です。

そしてもう1つ、モバイルワークという形態があります。これもテレワークの一種ですが、こちらは顧客先や移動中、通勤中なども含みます。また、出張先のホテルとか、あるいは喫茶店・カフェを含め、外出したときにオフィス外で働くというのがモバイルワークになります。そうなりますと、PCが使える時はPCを使うことができますが、そうでないときはスマートフォンやタブレットを使うケースが多いのではないかと思います。ゆっくり座って仕事をする場面だけではありませんので、コミュニケーションの方法もメールやチャット、あるいはWeb会議、電話などを状況に応じて使っていくという形になるかと思います。

そして3つめの形態はサテライトオフィスです。こちらはオフィスの中ではありますが、通常の勤務先以外のオフィスで働くという形になります。種類としては自社専用のサテライトオフィスを設ける形と、シェアオフィスのように共同利用型の形態もあります。オフィスという建物の中で働けますので、働き方として通常のオフィス勤務と同じような形でPCを用いてLANに接続するというケースが多いかと思います。また、コミュニケーション方法は通常のオフィスと同様ですが、サテライトオフィスと他の拠点を繋ぐという場合は、やはりWeb会議などが必要になってきます。

テレワークのメリット

次に、テレワークのメリットは何か、というところです。このスライドは中小企業白書からまとめたものですが、まず1点目は労働力を確保することです。これはもう皆様ご存知だと思うのですが、少子高齢化のため、2060年の労働力人口は、2015年の約6割になるということが予測されています。そうしますと今から40年後は、現在の4割ぐらいの労働力人口が減ってしまうんですね。単純計算すると100人の会社だと60人ぐらい、1000人の会社だと600人ぐらいになってしまうということで、これは非常に大きなインパクトがあります。政府もいろいろ対策を出していますが、方向性としては育児・介護期の社員、例えば女性の社員登用を増やすとか、遠方居住者など、なかなか会社で働きにくい人を採用する施策などがあります。企業でも今後優秀な人材を確保することが重要であり、労働力確保ができなくて倒産してしまうという会社が出てくる恐れがあります。

メリットの2点目は生産性の向上です。通勤・移動時間を短縮化したり、その時間を有効活用することです。また短時間で成果を上げるという働き方にシフトしていきます。働き方改革という文脈の中でも、このテレワークというのが重要になってきているということです。

最後のメリットは、現状非常に重要になってきているBCP(事業継続性)を確保していくという意味でのテレワークということになります。自然災害として、火災、大規模停電、台風、地震の対応があります。今は特に、新型コロナウイルスという感染症流行時において事業をいかに継続していくかが非常に重要であり注目されているところかと思います。

テレワークの導入率

そしてテレワークの統計を引用してみましたが、テレワークの導入率はどうなっているかを見ると徐々に増えています。2018年頃では企業全体では20パーセント弱ぐらいの導入率です。ただ、右側のグラフにある企業の規模別のテレワーク導入率を見ると、明らかに大きな会社のほうがテレワーク導入率が高いということがわかります。2000人以上の企業では約半分くらいがテレワークを導入されていた、というのが2年前の状況です。しかし、新型コロナウイルスの対応で、この1か月間でテレワーク導入はさらに進んだと思われます。

テレワークの導入目的

テレワークの導入目的を見ると、もともと一番多かったのが労働生産性の向上です。それから移動時間の短縮や、通勤弱者への対応という目的が多いです。そして採用難の中で優秀な人材を雇用確保していきたいという目的は年々増えています。

そして、今話題となっている非常時の事業継続という目的があります。これは2018年時点で15%ですが、おそらく現時点でアンケートを取るとかなり伸びているのではないでしょうか。特に、大企業では、何かしらテレワークを導入しつつあるという状況かと思います。

テレワーク時代の社員教育の課題とは?

このようにテレワークが必須になってきているという状況の中で、「社員教育の課題は何か」というお話をしていきたいと思います。

まず、テレワークを導入している企業で非常に難しいのが集合研修です。皆様も実感しているかもしれませんが、在宅勤務中の人を集合研修で集めるというのは今の状況では難しいです。

また、テレワークにすると各自がどうやって仕事をしているのかというのが見えにくくなってしまいます。業務手順が個人によってバラバラだったり、人によっては非効率な仕事の仕方をしたままになっていて、誰も気がつかない。なんで仕事にそんなに時間がかかっているのか分からない、というような状態が起こり得ます。

そして、普段の業務で行っているOJTが難しくなります。先輩に付いて見本を見ながら学ぶ、あるいは指導を受ける、アドバイスを受けるという事ができないんですね。

これは会社の部門内でも起こってきます。部門内では、普段何気ないコミュニケーションだとか会議を行う中で情報共有、ナレッジ共有というのが自然にできるものですが、テレワークになると部内でのナレッジ共有というのもかなり意識して行わないとできないことになります。

そして、新商品・新サービスといった最新情報が伝わりにくいです。在宅で働いていると、とにかく新しい情報が入ってこないということが起こります。

そして人間的な側面でいいますと、やはり組織の一体感が薄れてきます。一人で在宅勤務していると、会社にあんなに忠誠を尽くしていたのは一体何だったんだろうといった疑問を持つ人も出てくるかもしれません。また、いろいろ感染症のニュースなどを見ているうちに孤独になってきてしまいます。こういったメンタル的なケアというのも必要になってきます。

そして、危険性という意味ではコンプライアンス意識が低下してくるということです。他の人から見られないという状況の中で、いろいろなルールが守られないとか、ついうっかり何かをしてしまうというようなリスクが出てきます。

このようにテレワーク時代というのは社員教育にとっても非常に課題が多いということがわかります。こういった課題を解決していかないと、先ほどお話ししたテレワークのメリットというのが享受できないということになってきます。

ABOUTこの記事をかいた人

綾部貴淑

KIYOラーニング株式会社 代表取締役 東京工業大学情報科学科卒。外資系ソフトウェア会社、ITコンサルティング会社を経て、KIYOラーニング株式会社を創業。効率的な学習法を研究し、2008年にオンライン資格講座「スタディング(旧「通勤講座」)を開講、忙しい社会人でもスマートフォンで効率的に学べる講座として人気を博し、2020年2月現在で講座数26、累計受講者数6万人を超える。 2017年に社員教育クラウド「AirCourse」をリリース。受け放題の動画研修コースと、簡単に自社コースが配信できる利便性により、大企業~中小企業まで幅広い層の企業に導入されている。 現在は、人や組織の能力を最大に引き出すために、AIを使った学習の効率化に力を注いでいる。