ラーニングピラミッド理論では、「他者に教える」のが最良の学習方法とされていますが、企業内研修の場合には、「社員が互いに教え合う」のが理想の教育環境といえるでしょう。
この記事では、最新のITを活用して、どこまで「社員が互いに教え合う」理想の教育環境が作れるのかを全3回にわたって考察します。
「「社員が互いに教え合う」理想の教育環境は作れるか?(全3回)」
第2回:Slackとは│メールやLineとの違い
連載第2回の今回は、最新のITを活用して、どこまで「社員が互いに教え合う」理想の教育環境が作れるのかをSlackを例として検証します。
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Slackとは?
Slack(スラック)は、最近多くの企業で使われるようになった社内コミュニケーションツールです。
Slackを使うと社員同士がさまざまな方法でコミュニケーションをとることができます。
1対1のコミュニケーションとしては、音声通話やビデオ通話が可能で、画面を共有して資料を見ながら会話することも可能です。
さらに、メッセージやチャットといった多彩な方法でコミュニケーションをとることができます。
また、1対1でのコミュニケーション機能のほとんどはグループで利用することもでき、「チャンネル」と呼ばれるグループを設定することで、特定のテーマ、話題、組織、プロジェクトなどに限定されたコミュニケーションを関係する社員だけで行うことができます。
このように、多彩な機能を持つSlackですが、今まで、ビジネスでの主要なコミュニケーション手段として使われてきた電子メールや、一般の個人同士のコミュニケーションツールとして広く使われているLINEと比較することで、その特徴をより明確に理解することができます。
Slackと電子メールの違い
いままで、社外、社内を問わず電子メールが主要なコミュニケーション方法として利用されてきました。
一方、Slackは基本的に同一社内の社員同士のコミュニケーションを想定しています。
このため、電子メールとSlackには、いくつかの大きな違いがあります。
電子メールとSlackのもっとも大きな違いは、アドレスの指定、確認方法にあります。
電子メールは、原則として、相手先のアドレスを手入力で指定し、アドレスが正しいかどうかの確認は自己責任で行われます。
もちろん、メールソフトのアドレス帳で簡略化することはできるますが、同じ名前の人が社内と社外の両方にいる場合などは、却って誤送信や情報漏洩のリスクが大きくなってしまうこともあります。
一方、Slackでは、ワークスペースと呼ばれる単位でアドレスが管理され、ユーザ登録時に正確なアドレスが確認済となります。
また、表示名を設定すれば、メールアドレスを知らなくても、氏名やあだ名で指定できるようになり、相手先の指定がより簡単になります。
グループの設定については、電子メールではメーリングリストを、Slackではチャンネルを利用します。
ただし、電子メールのメーリングリストの場合、メンバー・リストの閲覧ができないため、だれに送っているのかがわからない場合がありますが、Slackのチャンネルでは、いつでもメンバー・リストを閲覧できようになっています。
Slackでは、最初の発言者がスレッドを立てることで、その後のやり取りはスレッドとして管理されますが、電子メールでは、そのようなことはできません。
メールソフトによっては、スレッドを管理できるものもありますが、返信の際に件名を変更するとスレッドから外れてしまうといったように不十分な点が多いのが実情です。
電子メールでは、一度送信してしまったメッセージの内容を変更したり、削除したりすることはできませんが、Slackでは可能です。
そのため、書きかけのメッセージを送ってしまったとか、会議の日時を間違えてしまった時でも、どれが最終版なのかがわからなくなってしまうようなことは、Slackでは起きません。
SlackとLINEの違い
LINEは、一般の個人同士のコミュニケーションツールとして広く使われています。
一方、Slackは企業内の社員同士のコミュニケーションを想定しています。
このため、LINEとSlackには、いくつかの大きな違いがあります。
LINEとSlackのもっとも大きな違いは、利用できる端末の範囲にあります。
LINEは、IDに紐づいた電話番号を持つ特定の携帯端末からしか利用できません。
一方、Slackでは、PCや携帯端末からIDとパスワードでログインすることで、どこからでも利用できます。
グループの設定については、LINEではLINEグループを、Slackではチャンネルを利用して、どちらもグループを設定することができます。
しかし、Slackのチャンネルでは、最初の発言者がスレッドを立てることで、その後のやり取りをスレッドとして管理することができますが、LINEグループでは、そのようなことはできません。
そのため、LINEグループでは複数の話題について同時にやりとりが発生したため、混乱してしまうことがありますが、Slackでは、そのようなことは起きません。
LINEでは、一度送信してしまったメッセージの内容を変更したり、削除したりすることはできませんが、Slackでは可能です。
さらにSlackでは、編集中のメッセージが、相手にも編集中であることがわかるようになっています。
そのため、相手が最初のメッセージの内容に疑問を感じたとしても、すぐに確認メッセージを送らず、再編集が終わるのを待つということもできます。
Slackで教える/教わる方法
このように、企業内の社員同士のコミュニケーションツールとして、多くのメリットを持つSlackですが、その特性を活かして、社員同士が教える/教わる場面でも十分活用することができます。
Slackの最大の特徴の一つがグループ設定としてのチャンネルと、そこでのスレッドの管理です。
チャンネルを設定することで、同じ事業所だけではなく、離れた事業所の社員も含めたグループ内で教える/教わる関係を構築することができます。
さらに、スレッドを管理することで、複数のテーマについて並行して教える/教わることができ、教える側にとっては、内容を準備する時間が、教わる側にとっては内容を咀嚼する時間が取れるようになるというメリットがあります。
代表的なLMSのAirCourseはSlackとも連携しておりますので、AirCourseからのリマインド通知などをSlackにも通知させる事もできるので、同じグループを作っておけば大変便利です。
まとめ
Slack(スラック)は、最近多くの企業で使われるようになった社内コミュニケーションツールです。Slackの最大の特徴は、チャンネルを利用したグループ設定と、その中でのスレッド管理にあります。
チャンネルを設定することで、同じ事業所だけではなく、離れた事業所の社員も含めたグループ内で教える/教わる関係を構築することができます。さらに、スレッドを管理することで、複数のテーマについて並行して教える/教わることができ、教える側にとっては、内容を準備する時間が、教わる側にとっては内容を咀嚼する時間が取れるようになるというメリットがあります。
しかし、「社員が互いに教え合う」理想の教育環境を作るためには、Slackでは足りない部分も存在します。次回は、Slackではカバーできない部分を補完して「社員が互いに教え合う」理想の教育環境に近づける方法を「Slackの限界とその補完方法」と題しまして考察します。
「「社員が互いに教え合う」理想の教育環境は作れるか?(全3回)」
第2回:Slackとは│メールやLineとの違い
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