ゲーミフィケーションとは?企業研修への導入の際のポイントとメリット、注意点について解説

企業研修や教育の現場では、受講者のモチベーションをどのように高めていくかが大きな課題となっています。

その解決のために注目されているのが「ゲーミフィケーション」という手法です。

ゲーミフィケーションは、ゲームの要素を活用して学びを楽しくし、効果的な研修を実現するゲーミフィケーションは、従来の方法では得られなかった成果を生み出す可能性を秘めています。

本記事では、ゲーミフィケーションの定義から、導入の際のポイントや成功のコツ、注意点までをわかりやすく解説していきます。

人材育成を成功に導く「最新育成モデル」を活用しませんか?

人材育成を成功に導くためには、育成過程の注力ポイントを知り、必要な成果に向けて適切なステップと育成スキームを選択することが重要です。

KIYOラーニングでは、「人材育成で大切な8つのこと」を仕組みでカバーできる『デジタル時代の人材育成モデル』をお届けしています。

社員が成長し、最終的に成果をあげるまでに必要な施策とその流れをモデル化したものになりますので、自社の状況と照らし合わせて育成方法を検討したい方はぜひご活用ください。

ゲーミフィケーションとは

ゲーミフィケーションとは、ゲーム以外の物事にゲームの要素を取り入れることで参加者の意欲やモチベーションを高める手法です。

企業研修においては、ゲームで得られる興奮や動機付けを感じる要素をコンテンツに取り入れることによって、従業員の学びを促進する効果が期待されています。

ゲーミフィケーションを導入・運用する際のメリットと注意点

この章では、ゲーミフィケーションを導入・運用する際のメリットと注意点を解説します。

メリット

学習効果を向上させることができる

ゲームの要素を取り入れることで、研修が楽しくなり、学習意欲が向上します。

特に、ポイント獲得やレベルアップといった要素は、研修へのモチベーションを高める効果があります。

また、ゲーム性を加えることで、研修内容への興味関心を高め、より積極的に参加するようになります。

エンゲージメントを向上させることができる

ゲームの要素のある研修は受講者の参加率が高まり、より積極的に学習に取り組むようになります。

ゲームの要素が、研修への没入感を高め、集中力を維持するのにも役立ちます。

また、チーム対抗戦などを導入することで、チームワークの向上にもつながります。

学習効果を向上させることができる

楽しみながら研修に取り組むことで、受講者は研修内容の理解が深まり、記憶への定着も促進されます。

また、ゲーム要素のある反復学習は、知識やスキルの定着に効果的です。

さらに、即時フィードバックやランキング表示などを活用することで、学習成果を可視化し、更なる学習意欲の向上につなげることができます。

注意点

課題を従業員が理解できるものにする

ゲーミフィケーションを研修に導入・運用する際、ゴールやクエストの設定は、参加している従業員が理解できるよう難易度を適切に設定するようにしましょう。

従業員ごとに理解度は異なるため、課題に対して共通認識を持ってもらい、研修を進めやすくすることが重要です。

目的を明確化する

ゲーミフィケーションを取り入れる際はその目的を明確化しましょう。

取り入れられているゲーム要素が面白みに欠けていたり、研修内容と関連性がない場合、従業員のモチベーションが低下するリスクが発生します。

目的に立ち返り、適切なゲーム要素を取り入れるようにしましょう。

必要以上に競争させない

ゲーミフィケーションでは、競争を過度に重視すると、従業員の協調性の低下やストレスの増加、モチベーションの低下などの問題が発生する可能性があります。

競争と協調のバランスを意識し、必要以上に競争させないことが大切です。
具体的には、以下のような工夫を取り入れると良いでしょう。

  • チーム対抗戦を導入する
  • 報酬は個人だけでなく、チームにも与える
  • 参加者同士が交流できる場を設ける
  • 助け合いを推奨するルールを設ける

これらの工夫を取り入れることで、競争と協調のバランスを保つことができます。

企業研修にゲーミフィケーションを取り入れるための5つの要素

企業研修にゲーミフィケーションを取り入れる際には、ゲーミフィケーションを構成する以下の5つの要素について検討していく必要があります。

  • 目的
  • クエスト
  • 報酬
  • 可視化
  • 交流

目的:研修ゴールの設定

ゲーミフィケーションを設計する上で、まず何よりも重要なのは「目的」の設定です。

ゲーミフィケーションを導入することで、従業員に、どのような行動を促したいのかを明確にしましょう。

例えば、研修にゲーミフィケーションを導入する場合、タイプごとに下記のような目的が考えられます。

研修名目的(行動目標)
新人研修新入社員の早期戦力化、会社への理解促進、配属部署への適応
スキルアップ研修受講者のスキルアップ、業務効率化、生産性向上
リーダーシップ研修リーダーシップスキルの向上、チームワークの向上、組織力強化

目的が設定できたら、その目的を達成するために、どのような行動を促すべきかを具体的に落とし込みます。

クエスト(ミッション):研修対象者に目的を達成する行動をとってもらうための課題

クエストとは、ゲーミフィケーションにおいて、参加者に目標達成のための行動を促すための課題です。

研修におけるクエストは、研修目標と連動している必要があります。

例えば、「顧客対応力の向上」という研修目標であれば、「ロールプレイングで高評価を得る」「お客様対応マニュアルに関するテストで満点を取る」といったクエストを設定すると良いでしょう。

研修目標に応じたクエスト例は、以下の通りです。

研修目標クエスト例
顧客対応力の向上ロールプレイングで高評価を得る、お客様対応マニュアルに関するテストで満点を取る
営業力の向上新規顧客を獲得する、既存顧客へのアップセル・クロスセルを達成する
リーダーシップの向上チーム目標を達成する、メンバーの育成を行う

効果的なクエストが設定できれば、ゲーミフィケーションの効果を高めることができます。

報酬:クエストの難易度に合わせた景品や待遇

ゲーミフィケーションを設計する上で、報酬は受講者のモチベーションに大きく関わる重要な要素と言えます。

報酬は下記の3つの観点から設定すると効果的です。

  • ポイントシステム:ゲーム内で使用できるポイントを付与する機能
  • バッジ:クエストをクリアすることで得られる実績を可視化する機能
  • リーダーボード:プレイヤーを順位付けして表示する機能

可視化:報酬をもらえる人数を限定する

ゲーミフィケーションにおいて、可視化することは参加者自身の進捗状況や他の参加者との比較を可能にし、モチベーションの維持や向上につながるために必要です。


例えば、ランキング形式で順位を公開することで、受講者は他の参加者と競争し、より高いレベルを目指そうとします。また、進捗状況を可視化することで、受講者は自身の学習成果を客観的に把握し、モチベーションを維持することができます。

ただし、可視化を行う際には、下記の点に注意する必要があります。

  • 受講者にとって適切な情報を可視化する
  • 受講者のプライバシーに配慮する
  • 可視化の方法を定期的に見直す

これらの点に注意して、ゲーミフィケーションの運営をスムーズに行えるようにしましょう。

交流:参加者同士の交流や競走

ゲーミフィケーションでは、参加者同士の交流や競争も必要な要素です。交流や競争を取り入れる方法として、以下のようなものがあります。

  • グループワーク
  • チーム対抗戦
  • ランキング形式での競争
  • チャット機能でのコミュニケーション
方法説明効果
グループワーク参加者をグループ分けし、協力して課題に取り組むチームワークやコミュニケーション能力が向上する
チーム対抗戦グループ同士で競争するチームワークや競争心が向上する
ランキング形式参加者の成果をランキング形式で表示する参加者のモチベーションが向上する
チャット機能参加者同士がチャットでコミュニケーションをとれるようにする参加者同士の交流が促進される

これらの方法で交流や競争を促すことで、受講者の成長にもつながります。

ゲーミフィケーションを取り入れた企業研修の流れ

この章では、ゲーミフィケーションを取り入れた企業研修の流れを紹介します。

企業研修におけるゲーミフィケーションは、以下のステップで運用されます。

  1. バートルテストを行う(4タイプ)
  2. ゴールを設定する
  3. ゲームの内容やルールを考える
  4. 受講者の感想を受けて改善を繰り返す

1.  バートルテストを行う(4タイプ)

ゲーミフィケーションを研修に導入する際に、まずバートルテストを用いて、受講者のタイプを分析しましょう。

バートルテストとは、イギリスの心理学者リチャード・バートルが提唱した、ゲームのプレイヤーを4つのタイプに分類するテストです。受講者のタイプを把握することで、より効果的なゲーミフィケーション施策を設計できます。

バートルテストでは、プレイヤーを「アチーバー」「エクスプローラー」「ソーシャライザー」「キラー」の4つのタイプに分類します。それぞれの特徴は以下の通りです。

タイプ特徴
アチーバー目標達成に喜びを見出し、成果を積み重ねることがモチベーションとなるタイプ。
エクスプローラー新しい発見や探求に喜びを見出すタイプ。
ソーシャライザー他者との交流やコミュニケーションに喜びを見出すタイプ。
キラー他者との競争に喜びを見出し、勝利することがモチベーションとなるタイプ。

各タイプの特徴を理解することで、それぞれのタイプに合わせた報酬やクエストを設定できます。

例えば、アチーバータイプには、明確な目標と達成報酬を設定すればモチベーションを高めることができます。

エクスプローラータイプには、新しい発見や探求の要素を取り入れたクエスト設定により、学習意欲を高めることができるでしょう。

ソーシャライザータイプには、他者との協力や交流を促進するようなクエストを設定することで、学習効果を高められます。

キラータイプには、他者との競争要素を取り入れたクエストを設定することで、モチベーションの向上が期待できるでしょう。

このように、バートルテストを用いて受講者のタイプを分析することで、研修内容に適したゲーミフィケーション施策を設計することができるのです。

2. ゴールを設定する

ゲーミフィケーションを研修に導入する際には、研修を通じてどのような成果を達成したいのかを明確に示すことも大切です。

研修のゴール設定は、研修対象者のレベルや研修内容、研修実施期間など、さまざまな要素を考慮する必要があります。


例えば、新入社員研修であれば、企業理念やビジネスマナーの理解、配属部署での基礎知識習得などをゴールとして設定できます。

一方、管理職研修であれば、リーダーシップやマネジメントスキルの向上、問題解決能力の強化などが考えられます。


研修のゴールは、具体的かつ測定可能なものにすることがポイントです。

「顧客満足度を向上させる」という漠然としたゴールではなく、「顧客満足度調査のスコアを現状の70点から80点に上げる」という具体的な数値目標を設定することで、研修の効果を測定しやすく受講者もゴールがイメージしやすくなるでしょう。

3. ゲームの内容やルールを考える

研修にゲーミフィケーションを導入する際のゲーム内容やルール設定は、研修の目標達成に直結する重要な要素になります。

研修のテーマや参加者の属性を考慮し、適切な内容・ルールを設定しましょう。

例えば、営業スキル向上を目的とした研修であれば、ロールプレイングゲーム形式で顧客対応の練習を行う、あるいは、チーム対抗で売上目標達成を目指す、といった形式が考えられます。

新入社員研修であれば、会社理解を深めるためのクイズ形式のゲームや、チームビルディングを目的とした脱出ゲーム形式なども効果的です。

ルール設定では、ポイント制を導入する場合、どのような行動にどれだけのポイントが付与されるのかを決めておきます。

また、参加者のモチベーションを維持するためには、適度な難易度を設定する必要があります。簡単すぎると飽きられてしまい、難しすぎるとモチベーションが低下してしまう可能性があります。

さらに、ゲームを盛り上げるための演出も効果的です。

例えば、ランキング形式で競争意識を高めたり、バッジや称号といった報酬を付与することで、参加者のモチベーション向上を図ることができます。

4. 受講者の感想を受けて改善を繰り返す

ゲーミフィケーションを導入した後は、受講者のフィードバックを集め、改善を繰り返すことが大切です。

ゲーミフィケーションは一度導入したら終わりではなく、継続的に改善していくことで、より効果を高めることができます。

フィードバックを集める方法としては、アンケートやインタビューなどが挙げられます。受講者にゲーミフィケーションの感想を自由に書いてもらったり、個別にインタビューを行ったりすることで、具体的な改善点を見つけることができます。

これらのフィードバックを元に、ゲームの内容やルール、報酬などを改善していくことで、受講者のモチベーションを維持し、研修効果を高めることができます。

ゲーミフィケーションにおいても、PDCAサイクルを回すことで、効果的な改善策を見つけ、受講者を飽きさせない運用ができるでしょう。

研修ごとのゲーミフィケーションの導入例

ゲーミフィケーションを取り入れた研修で成功を収めた事例は数多くあります。ここでは、代表的な例をいくつかご紹介しながら、成功事例からゲーミフィケーションを導入するポイントについて解説していきます。

ゲーミフィケーションを研修に導入する事例は海外でも非常に多く、国内外問わず効果的に活用されています。代表的な成功事例を3つ紹介します。

新人研修での導入例

eラーニングでの新人研修にゲーミフィケーションが導入されました。

新人研修では、学習進捗に応じてバッジが付与され、全モジュール修了者には特別な称号が与えられる。

楽しく学べる仕組みが、学習継続率の向上に貢献しました。

セールス研修での導入例

架空の顧客への提案をゲーム化し、ロールプレイングを通して営業スキルを向上させることができます。

成績優秀者には報奨を付与することで、競争意識と学習意欲を高めました。

コンプライアンス研修での導入例

クイズ形式で、コンプライアンス知識を学習します。

正答数に応じてポイントが加算され、ランキング形式で競争することで、楽しみながらコンプライアンス意識を高めることができます。

企業研修へのゲーミフィケーションの導入にはeラーニングシステムが効果的

企業研修にゲーミフィケーションを導入する際には、eラーニングシステムが効果的です。

eラーニングシステムの中でも、クイズや教材の達成状況を可視化できるバッジ機能や、成績の比較・競争による学習意欲向上に寄与するランキング機能、学習達成者への報酬として活用可能な認定証機能が備わっているものを選ぶと、自社研修にゲーミフィケーションをスムーズに導入することができます。

また、操作性の高さは、学習者のストレスを軽減や学習効果にも影響します。

コストや機能を考慮し、自社の予算やニーズに合ったシステムを選びましょう。

まとめ

本記事では、ゲーミフィケーションの定義やメリットと注意点、導入の際のポイントをわかりやすく解説してきました。

ゲーミフィケーションでは、ゲームの要素が取り入れられていることで、受講者の学習効果を高めることができます。

メリットとデメリットを理解し、注意点を意識しながら適切な方法で導入することで、受講者のスキルアップに加え、組織全体の成長を促進できます。

実りある研修のためにも、ゲーミフィケーションを有効活用しましょう!

人材育成を成功に導く「最新育成モデル」を活用しませんか?

人材育成を成功に導くためには、育成過程の注力ポイントを知り、必要な成果に向けて適切なステップと育成スキームを選択することが重要です。

KIYOラーニングでは、「人材育成で大切な8つのこと」を仕組みでカバーできる『デジタル時代の人材育成モデル』をお届けしています。

社員が成長し、最終的に成果をあげるまでに必要な施策とその流れをモデル化したものになりますので、自社の状況と照らし合わせて育成方法を検討したい方はぜひご活用ください。