会社によって様々な考え方がありますが、自社の社員として業務を遂行できる状態になることを新入社員研修のゴールとした場合、以下の7つのスキルが求められます。
- 社会人としてのマインド
- 社会人としての基本スキル
- 仕事の仕方の基本
- コンプライアンス
- 企業の方針(企業理念、経営方針、行動指針など)
- 業務知識
- 業務スキル
ビジネスマナーや業務知識、スキルはもちろん必要ですが、VUCA時代の仕事に就くには必要な要素が他にもたくさんあります。
本記事の内容を参考に、自社の新人向けの教育カリキュラムの作成や組み立てを見直してみてはいかがでしょうか?
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新人教育の鍵を握る「OJT」と「Off-JT」ですが、「育成にかける時間がない」「社員が自発的に学ばない」など、多くの企業が課題を抱えています。
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1.社会人としてのマインド
学生から社会人になるにあたって、どのようなマインドを持つべきか、ここには大きな隔たりがあるため、しっかりと転換させないといけませんね。これまでの勉強・成長させてもらう立場(インプットの立場、保護される立場、受け身の立場)から、他人からお金をいただいて価値を提供する立場(アウトプットの立場、責任がある自立した立場、主体的な立場)に大きく転換する必要があるでしょう。
根幹にあるマインドを転換せずに、具体的な業務知識やスキルの研修で、詰め込みだけして実際の仕事に入ってしまうと、そのギャップに応えられず仕事が十分にできなかったり、ギャップに耐えられずに早期離職してしまうことにもつながります。こんなこと企業で教えなくても・・・と思ってしまいますが、今の時代では欠かすことができません。
昔は決められたことを行う受け身の仕事で終身雇用が主体でしたので、学校などの集団活動の延長で済みましたが、今の時代ではアウトプット、責任、主体性といったことが仕事に欠かせなくなっていると思いませんか?
2.社会人としての基本スキル
社会人としての基本的なスキルと言うと、よく聞くのが電話応対や接客、身だしなみや言葉遣いといったビジネスマナー、メールや文書を書くスキル、エクセルやワードなど最低限のITツールを使用するスキルなどです。
ただし、一番重要な基本スキルはコミュニケーションです!
企業で仕事をするということは、組織内、お客様、取引先といった他人と関わるため、コミュニケーションスキルが求められます。マインドとも連動しますが、立場が大きく転換しますので、コミュニケーションのスタイルも大きく変える必要があるでしょう。
学生時代は自分中心でのコミュニケーションでも成り立ちましたが、社会人になると相手や周囲への思考を持ったコミュニケーションが必要とされます。
学生時代は黙っていて話さなくても過ごせましたが、社会人は報告をしたり、自分の意見を述べたりすることが欠かせませんよね。
また、最近の若い人には、SNSではとっても冗舌に話せますが対面になると途端に「・・・。」と話せなくなるといったケースもよく聞きます。
せっかく苦労して採用した人材が誰にも相談ができずに不安や不満を溜めこんでしまって早期に離職してしまうといったこともあり得ますので、新人の基本スキルとして、コミュニケーション研修は必ず組み込むようにしましょう。
3.仕事の仕方の基本
新人研修において業務スキルやOJTに入る前に必ず身に着けておきたいのが、仕事の仕方の基本スキルです。受け身で仕事をする場合と主体的に仕事をする場合では、必要な基本スキルが全く異なります。
業務内容が異なっても通じる根幹にある仕事の仕方の基本スキルは、新人研修の中で身に着けておく事をおススメします。
これをせずに各部署のOJTに新人を送り込んでしまうと、OJTの中で仕事の仕方を教育せざるを得ないためトレーナーになる先輩社員の負担がとても大きくなりますし、大変非効率になってしまいます。
新人が何も考えずに質問ばかりしてくる、意見に全く根拠がない、業務の計画を立てることができない、進捗報告ができない、納期通りに仕事が終わらない、コスト意識が全くない、などなど・・・といったことになってしまいますので、特に以下にあるような仕事の仕方の基礎は教育しておくと後々の成長がとても速いです。
- タイムマネジメント
- 報連相の仕方
- ロジカルシンキング
- PDCA、進捗管理
- 経営数字の見方 など
耳にする事が多い上記のようなビジネススキルは新人が業務ができるようになってからとお考えの方もいるかもしれませんが、実務を教える前に「タイムマネジメント」や「報連相の仕方」を身に付けていたら実務を教えるOJTも効率がよくなると思いませんか?
4.コンプライアンス
社会人としてのマインドを踏まえた上で、社会人や企業人としてコンプライアンスへの理解を徹底する必要があります。
これは企業としてのリスク管理の視点からも大変重要です!!!
新人の場合、コンプライアンスへの認識が薄いため、気づかずにやってしまった、悪気がないのに違反していたといったことが起こり得ます。
ここでポイントなのが当人は「やったら悪いこと」「やったらどうなってしまうのか?」といった事を知らないのです。その後で、
新人Aさん「軽い気持ちで・・・。」
新人Bさん「その場のノリで・・・。」
何てことを言っても後の祭りです。
ですので、コンプライアンス教育はその可能性が生じる前に、できるだけ速やかに実施する必要があります。
特に情報セキュリティに関する教育が重要かつ緊急性が高いテーマです!
SNSでの情報発信は個人によってとても簡単にできますので、一度間違いが起きると取り返しがつかず、影響範囲が広く、拡散スピードの高くインパクトが大きいため、何としても避けなくてはいけません。
ニュースやネットで見かける度に、「また!?」と思われる方も多いことでしょう。
昨今、炎上してしまった企業さんも絶対に過去他社の従業員がやらかしてしまったニュースをみているハズです。
「うちの会社は大丈夫だろう・・・」と思ったいたかもしれませんね。
長年かけて培ってきたお客様からの信頼やブランドイメージも一部の従業員の数秒の出来事で崩壊し、その悪いイメージを払拭するのはとても困難です。
新人は勿論の事、全従業員にコンプライアンス教育は徹底しましょう!
5.企業の方針(企業理念、経営方針、行動指針など)
最近では、企業方針への意識が高まっており、新人研修の中で企業理念や経営方針、行動指針などに関する教育を行う企業が業種問わず増えてきています。
この部分で新人個人と組織の間でギャップがあるまま仕事をしていると、先輩社員とコミュニケーションギャップが生じたり、「なんでこんな仕事しているのだろう・・・」「なんの為に働いているんだろう・・・」と自問自答し、モチベーションが高まらなかったりすることがあります。
企業や組織が持っている価値観を新人に共有することで、新人は「何をすれば認められるのか」、「今やっている仕事にどんな意味があるのか」といったことが見えるようになり、モチベーションが上がり、組織への所属意識も高まる傾向にあります。
企業の方針に関する教育は、組織力を最大化していくために必要な教育ですが、新人にとっては仕事が嫌にならず、むしろ会社や仕事が好きになってくれるといった側面もあります♪
6.業務知識
担当部署に配置された際に、業務に関する知識を習得することは、新人を仕事上で機能させるためには必要です。
しかし、各部署に配置された後に、部署ごとに教育するため効率が悪くなります。また習得すべき知識が多かったり、人によって習得にかかる時間が異なることもあります。
先輩社員は新人が入社するたびに同じことを何度も説明することも負担になってしまいます。
ですので、知識の習得についてはeラーニング化することが効果的です。
業務知識の説明を一度撮影してeラーニングにしてしまえば、何度も説明することがなくなり、新人も自分のペースで学習したり、復習することも容易になります。
また、LMS(学習管理システム)を使うと、各新人がどこまで知識を習得しているかが一目瞭然で管理することができます。
各新人の知識習得に合わせてOJTを行ったり、業務を割り振るなどすれば一層効率がよくなりますから特におススメです。
7.業務スキル
新人研修における業務スキルについては、OJTやロープレなどを通じて習得させることが多いと思います。
先輩社員が模範を見せて、新入が真似をして、繰り返し練習するというのが一般的な方法でしょう。
しかし、新人も模範を一度見て全てを覚えることはできませんし、本来であれば何度も繰り返し見て真似をすることで習得するのが効率的です。
特に動きがある作業や会話などは、紙のマニュアルで学習しても理解しにくいところがあるため効率が悪くなります。
そこで効果的な手段となるのが動画eラーニングです。
作業や会話などのスキルは、模範を動画で撮影しておけば、いつでも、何度でも繰り返し見て学習することが可能です。
予め見た上でロープレやOJTに臨めば効果が高まります。
先輩社員から新人へ技術を伝承していくこと、新人に教える技術を標準化すること、さらにベストプラクティスを共有すること、などeラーニングをOJTに活用する価値は数多くあります。
まとめ
如何でしたでしょうか?
4月に一括で採用、教育している企業も多いことでしょう。折角採用した将来性のある人材に育て上げる事も人事・教育担当者には求められます。
IT化により効率的に行えることもありますが、まずはどの企業でも行っている新人に必要なスキルを基に研修カリキュラムを見直してみても良いのではないでしょうか?
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