学習を行動に活かす【研修転移】| 研修を「やりっぱなし」から「役に立つ」に変えるには? 第2回

「やりっぱなし」で終わっているといわれる企業内研修を「役に立つ」研修に変える方法として学習を行動に活かす「研修転移」の考え方が注目されています。

この記事では、ハイブリッド研修を活用して、「研修転移」を実現する方法を全3回にわたって解説します。

連載第2回の今回は、学習を行動に活かすための「研修転移」の考え方と、それを実現するためにやるべきことについて解説します。

 

研修を「やりっぱなし」から「役に立つ」に変えるには?(全3回)

第1回:研修をやりっぱなしにすると、どうなるの?

第2回:学習を行動に活かす【研修転移】

第3回:ハイブリッド研修のすすめ

「研修転移」とは

連載第1回でご説明したとおり、研修の効果は、時間が経つにつれて研修効果が減少していくことは、研究機関の調査結果を見ても明らかであり、したがって、行動評価の仕組みを作るのと同時に、研修で学習した内容を行動につなげる施策の実施が必要となります。

この研修で学習した内容を行動につなげる施策を考える上で、非常に参考になる考え方が「研修転移」です。「研修転移」は、2018年に発刊された書籍「研修転移の理論と実践」(中原淳・島村公俊・鈴木英智佳・関根雅泰共著・ダイヤモンド社)で、平易に紹介されて以来、学習を行動に活かす考え方として注目されています。

この書籍では、「研修転移」とは「研修で学んだことが現場実践される、成果が生み出されること」と定義しており、それを実現するための取り組みが記述されています。

以下、この書籍の内容を踏まえて、「研修転移」を実現するためにやるべきことを、講師、上司、人事のそれぞれの立場からご説明していきます。

「研修転移」を実現するために講師がやるべきこと

「研修転移」を実現するためにもっとも講師が注力すべきことは、受講者に研修後の行動計画を立てさせることです。

「研修転移」が実現しない原因の一つに、受講者が研修後、研修内容を実践するモチベーションが低いことがあります。

これを防ぐためには、研修の後半で、研修で学んだことを、今後どのように実践、活用していくかの行動計画を受講者自身に考えさせ、記録させることが大変効果的です。

さらに、研修後は、行動計画を実行に移しているか、その結果はどうなのかを継続的にフォローすることも重要です。

講師が外部から派遣されている場合は、研修後のフォローは、人事担当者もしくは、職場の上司、同僚などがフォローすることが必要です。

「研修転移」を実現するために上司がやるべきこと

「研修転移」を実現するために上司がやるべきことはたくさんあります。

その一つ目は、研修受講前に、受講者に対して、なぜこの研修を受講させるのかという理由と目的を説明することです。

この事前説明を実施することは、受講者のモチベーション向上に大きな効果を発揮するだけではなく、受講後のフォローや評価をスムーズに進める効果があります。

受講後の上司の役割は「フォロー」と「評価」です。

フォローは直接的なものだけではなく、研修の内容に合った実践機会の提供や、メンターとして先輩をアサインすることなど、さまざまな支援が考えられます。

評価は、受講者が自己評価を行う場合もありますが、それは主にモチベーション維持が目的と考えられており、研修内容によっては、上司だけではなく、同僚や部下の評価も加えた360度評価の実施が理想的です。

「研修転移」を実現するために人事がやるべきこと

受講者に人事から直接働きかけることは、ほとんどありません。

むしろ、人事は、研修の企画から運営に至る全体を管理することに注力すべきです。

「やりっぱなし」の研修は、単発の「イベント」として企画、運営されてきましたが、「研修転移」を実現するための仕組みは、長期にわたって、多くの関係者が関与する「プロジェクト」のようなものです。

この「プロジェクト」を運用、管理するためには、ITの活用や外部の専門家による支援を受けることが不可欠であり、それこそが、人事がやるべきもっとも重要なことといえるでしょう。

例えば、代表的なクラウドLMSのひとつであるAirCourseの場合、研修管理機能が無料で使えるので、出欠管理やリマインド、アンケート集計など煩雑な業務は研修管理クラウドにまとめ、管理業務を削減し、注力すべき研修の企画や運営に至る全体を管理すること集中できます。

まとめ

研修で学習した内容を行動につなげる施策を考える上で、非常に参考になる考え方が「研修転移」です。

「研修転移」とは「研修で学んだことが現場実践される、成果が生み出されること」と定義されています。

「研修転移」を実現するためにもっとも講師が注力すべきことは、受講者に研修後の行動計画を立てさせることです。

これにより、受講者が研修後も、研修内容を実践するモチベーションを維持することができます。

さらに、研修後は、行動計画を実行に移しているか、その結果はどうなのかを継続的にフォローすることも重要です。

「研修転移」を実現するために上司がやるべきことの一つ目は、研修受講前に、受講者に対して、なぜこの研修を受講させるのかという理由と目的を説明することです。

さらに、受講後は、フォローと評価が役割となります。

フォローは直接的なものだけではなく、研修の内容に合った実践機会の提供や、メンターとして先輩をアサインすることなど、さまざまな支援が考えられます。

「研修転移」を実現するための仕組みは、長期にわたって、多くの関係者が関与する人事にとって重要な「プロジェクト」のようなものと認識しておきましょう

 

次回は、「研修転移」を促進するハイブリッド研修について解説します。

 

研修を「やりっぱなし」から「役に立つ」に変えるには?(全3回)

第1回:研修をやりっぱなしにすると、どうなるの?

第2回:学習を行動に活かす【研修転移】

第3回:ハイブリッド研修のすすめ

ABOUTこの記事をかいた人

平井 明夫

ソフトウエアベンダーやコンサルティング会社で20年以上にわたりコンサルティング、企業経営に携わる。現在は、IT企業の新規事業立上げ、事業再編を支援するかたわら、データ分析、人材管理、LMSなどに関する講演・執筆活動を行っている。