近年、企業研修のオンライン化が急速に進んでいます。従来の集合型の研修に比べ、オンライン研修は時間や場所の制約を受けないため、従業員の負担を軽減し、効率的な学習を実現できる点が大きなメリットです。
しかし、数多くのオンライン研修ツールが存在する中で、自社に最適なツールを選ぶことは容易ではありません。
本記事では、オンライン研修ツールを選ぶ際のポイントと、導入後の円滑な運用方法について解説します。
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オンライン研修ツールとは
オンライン研修とは、PCやタブレット、スマートフォンなどを用いてインターネット経由で受講できる研修のことです。
オンライン研修ツールとは、そのオンライン研修を配信・管理するためのシステムです。研修の参加履歴やチャットなどによる質疑応答、学習の進捗状況の確認など、ツールによって様々な機能が備わっています。
オンライン研修ツール | 説明 |
---|---|
配信・管理機能 | オンライン研修を配信・管理するためのシステム |
参加履歴 | 研修参加の履歴を確認可能 |
質疑応答 | チャット機能などを用いて、質疑応答を実施できる機能 |
学習進捗状況 | 研修の学習進捗状況を確認可能 |
研修ツールは、単にオンラインセミナーを開催するだけでなく、様々な機能を提供しています。開催したいオンライン研修の目的に合わせて、必要な機能を備えたツールを選ぶことが重要です。
代表的な機能
オンライン研修ツールには、多くの機能が搭載されています。その中でも代表的な機能を以下にまとめました。
機能 | 内容 | メリット |
---|---|---|
動画配信機能 | 録画またはリアルタイムで研修動画を配信 | 場所や時間を選ばない受講、繰り返し学習 |
教材配信機能 | テキストや資料などをオンラインで配信 | 資料の準備・配布の手間削減、ペーパーレス化 |
学習管理機能 | 参加者の学習進捗状況や成績を記録・管理 | 受講者の理解度把握、研修効果の測定 |
チャット機能 | 研修中にリアルタイムでテキストベースのコミュニケーションを行う場を提供 | 質問のしやすい環境づくり、疑問の迅速な解消 |
セキュリティ対策機能 | データの暗号化やユーザー認証など、情報漏えいを防ぐための対策 | 個人情報保護、安心して利用できる環境 |
上記以外にも、ツールの種類によっては様々な機能が搭載されているため、自社の研修内容に合った機能を持つツールを選択することが重要です。
関連記事:eラーニングとは?機能・メリット・活用法や導入時のポイントを解説
企業研修のオンライン化が進む理由
近年、企業研修をオンラインで実施する企業が増えています。その背景には、働き方の変化や、企業を取り巻く社会情勢の変化があります。
理由 | 詳細 |
---|---|
働き方の変化 | リモートワークの普及により、時間や場所に縛られない研修スタイルが求められるようになった |
企業を取り巻く社会情勢の変化 | 新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、集合研修の実施が難しくなった |
その他 | 研修にかかるコストの削減や、研修内容の標準化・効率化を実現できる |
従来の集合研修では、研修会場を用意する費用や、遠方の社員の交通費・宿泊費、そして研修のために移動する時間など、多くのコストが発生していました。オンライン研修ではこれらのコストを削減できるため、企業にとって大きなメリットとなります。
また、講師による研修内容のばらつきを抑え、質の高い研修を均一に提供できる点もオンライン研修の利点です。
さらに、eラーニングシステムを活用することで、社員一人ひとりの理解度や進捗状況を把握し、個別のフォローアップを行うことも可能になります。
これらの要素が企業研修のオンライン化を促進させていると考えられます。
オンライン研修ツールのメリット
オンライン研修ツールには、企業側、従業員側双方にとって多くのメリットがあります。
企業側にとって、研修にかかるコストを削減できることが大きなメリットです。会場費や移動費、宿泊費、教材印刷費などが不要になるため、大幅なコストカットにつながります。
従業員にとっては、場所や時間に縛られずに研修を受けられることがメリットです。自宅やオフィスなど、インターネットに接続できる環境であればどこでも研修を受講できます。
また、自分のペースで学習を進められるため、理解度を高めることができます。
研修コストを削減できる
研修には、会場費、講師料、教材費、参加者の交通費など、様々な費用がかかります。オンライン研修ツールを導入することでこれらのコストを削減できます。
項目 | 従来の研修 | オンライン研修 |
---|---|---|
会場費 | 会場の手配が必要 | 不要 |
講師料 | 講師への謝礼、交通費が必要 | 講師の拘束時間が短縮され、費用も抑えられる |
教材費 | 印刷・配布が必要 | データで配布できるため不要 |
交通費 | 参加者の交通費が発生 | 不要 |
オンライン研修ツールは、インターネット上で研修を実施できるため、会場費や移動にかかる交通費を削減できます。また、教材も電子データで配布できるため、印刷・配布費用が不要になります。
さらに、講師の拘束時間も短縮できるため、講師料も抑えられます。これらのコスト削減効果により、研修にかかる費用を大幅に削減できます。
特に、遠隔地にいる従業員が多い企業や、研修内容が頻繁に変更される企業にとって、オンライン研修ツールは大きなメリットとなります。移動にかかる時間や費用を削減できるだけでなく、最新の情報をタイムリーに提供できます。
知識・スキルの標準化を進められる
オンライン研修ツールを活用することで、従業員の知識やスキルを標準化することが可能です。
標準化されていない状態では、担当者によって業務の質にばらつきが生じたり、特定の担当者に業務が集中したりすることで、業務効率の低下や属人化といった問題が発生する可能性があります。
オンライン研修ツールを導入することで、業務に必要な知識やスキルを体系的に学ぶことができ、理解度のばらつきを減らすことができます。
例えば、新人研修でオンライン研修ツールを活用すれば、集合研修だけでは難しかった指導の均質化を実現できます。また、動画マニュアルなどを活用することで、ベテラン社員が持つノウハウを可視化し、組織全体で共有することが可能になります。
これにより、業務の属人化を防ぎ、誰が担当しても一定水準以上の成果を出せる体制を構築できます。
研修成果を可視化・定量化できる
研修の効果測定は、研修の投資対効果を評価するために非常に重要です。オンライン研修ツールを使用することで、研修成果を可視化・定量化しやすくなります。
研修の効果測定には、大きく分けて2つの視点があります。
1つは会社の経営視点、もう1つは社員の学習視点です。会社の経営視点では、研修が会社の成長・発展にどのように寄与したかを評価します。例えば、研修によって、仕事の効率化、業績向上、コストダウンといった成果が得られたかを測定します。
一方、社員の学習視点では、研修が個々の能力開発にどのように役立ったかを評価します。研修を受けたことで、知識・スキルが向上したか、モチベーションが上がったかなどを測定します。
効果測定の指標としては、例えば以下のようなものが考えられます。
測定指標 | 説明 |
---|---|
研修の満足度 | 研修内容、講師、研修環境などに対する満足度を評価します。 |
知識・スキルの習熟度 | 研修で学んだ知識・スキルがどの程度身についたかをテストなどで評価します。 |
態度・行動の変化 | 研修によって、受講者の態度や行動にどのような変化があったかを評価します。 |
業務成果への影響 | 研修が業務成果にどのような影響を与えたかを評価します。 |
これらの指標を測定することで、研修の費用対効果を客観的に評価することができます。研修の効果測定を行うことで、研修内容の改善や、研修の効果を高めるための施策を検討することが可能です。
従業員の学習効率を高める
従業員一人ひとりの学習効率を高めることも、オンライン研修のメリットです。オンライン研修では、時間や場所を選ばずに学習できるため、従業員のライフスタイルに合わせた学習が可能です。
メリット | 詳細 |
---|---|
時間や場所を選ばない | 通勤時間や休憩時間など、スキマ時間を有効活用できる。自宅やカフェなど、好きな場所で学習可能。 |
自分のペースで学習できる | 自分の理解度に合わせて、動画の再生速度を調整したり、繰り返し視聴したりできる。苦手な分野に重点的に取り組むなど、自分に合った学習プランを立てられる。 |
学習進捗を管理できる | 自分がどこまで学習を進めたかを簡単に把握できる。目標達成度を可視化することで、モチベーションの維持につながる。 |
最新の情報にアクセスできる | 最新の研修資料や動画をいつでも閲覧できる。常に新しい知識やスキルを習得できるため、市場の変化への対応力も高まる。 |
これらのメリットは、従業員の学習意欲向上に繋がり、学習内容の定着にも効果的です。
オンライン研修ツールの比較ポイント
オンライン研修ツールは数多く存在し、それぞれに特徴があります。自社に合ったツールを選ぶためには、いくつかのポイントを比較検討する必要があります。ここでは、ツール選びで特に重要なポイントを紹介します。
「全社向け」か「専門スキル」向けか
オンライン研修ツールを選ぶ際には、まず「全社向け」か「専門スキル」向けかを検討する必要があります。
全社を対象とした研修では、ビジネスマナーやコンプライアンス、あるいは新入社員向けの研修など、共通の知識やスキルを身につけるための研修を行います。
この場合、多くの従業員が利用することを想定して、操作が簡単で、誰でも使いやすいツールを選ぶことが重要です。
一方、専門スキルを身につけるための研修では、特定の職種や部署に特化した高度な知識やスキルを習得するための研修を行います。
このケースでは、専門性の高いコンテンツが用意されているか、あるいは自社で作成した教材をアップロードできるかといった点が選定のポイントとなります。
研修対象 | ツール選定のポイント | 例 |
---|---|---|
全社向け | 操作のしやすさ、多人数利用への対応 | ビジネスマナー研修、コンプライアンス研修、新入社員研修 |
専門スキル向け | 専門性の高いコンテンツ、教材アップロード機能 | プログラミング研修、営業スキル研修、管理職研修 |
これらの研修は、必ずしもどちらか一方に限定されるものではなく、両方を組み合わせることも可能です。例えば、全社向けの研修ツールで基本的な知識を学んだ後に、専門スキル向けのツールでより高度な内容を学ぶといった方法も考えられます。
自社のニーズに合わせて、最適なツールを選び、効果的な研修を実施しましょう。
コンテンツは自社にマッチしているか
オンライン研修ツールを選ぶ際に重要な要素の一つが、コンテンツが自社のニーズに合致しているかという点です。いくら高機能なツールでも、自社の研修目的に合わないコンテンツでは効果的な学習は期待できません。
コンテンツのマッチングを考える上では、まず「全社向け」か「専門スキル」向けかを明確にする必要があります。全社向けの研修であれば、ビジネスマナーやコンプライアンスなど、共通の知識・スキルを習得するためのコンテンツが重要です。
一方、特定の部署や職種向けの研修であれば、専門性の高いスキルや知識を深堀りするコンテンツが必要です。
自社でコンテンツを作成する場合、費用や時間、ノウハウなどのリソースが必要になります。ツールによっては、あらかじめ豊富な研修コンテンツが用意されているものもあります。
これらのコンテンツを活用することで、自社でコンテンツを作成する負担を軽減し、効率的に研修を進めることができます。
また、自社の研修ニーズに合うようにカスタマイズできるかどうかも重要なポイントです。既存のコンテンツを参考に、自社独自のコンテンツを作成できるツールであれば、より効果的な研修を実施できます。
ツール選定の際には、以下の表を参考に、自社のニーズに合ったコンテンツの種類やカスタマイズ性を確認しましょう。
項目 | 確認事項 |
---|---|
コンテンツの種類 | ビジネスマナー、コンプライアンス、専門スキルなど、自社に必要なコンテンツが提供されているか |
カスタマイズ性 | 既存コンテンツの修正や自社オリジナルコンテンツの作成が可能か |
費用 | コンテンツ利用料やカスタマイズ費用はどれくらいか |
これらの要素を考慮し、自社の研修目標に最適なオンライン研修ツールを選択することで、効果的な人材育成を実現できるでしょう。
操作のしやすさ
オンライン研修ツールを選ぶ上で、操作のしやすさは重要な要素です。ツールの操作に手間取ると、研修実施の負担が増えたり、受講者の学習意欲が低下したりする可能性があります。そこで、使いやすいツールを選ぶためのポイントを紹介します。
まず、直感的に操作できるインターフェースであるかを確認しましょう。アイコンやボタンの配置が分かりやすく、迷わず操作できるツールは、研修担当者と受講者の双方にとって負担を軽減します。
次に、モバイル対応かどうかもチェックポイントです。スマートフォンやタブレットで受講できるツールであれば、場所を選ばずに学習できます。
また、レスポンシブデザインに対応しているかどうかも重要です。画面サイズに合わせて表示が最適化されることで、デバイスを問わず快適に利用できます。
さらに、多言語対応かどうかも確認しておきましょう。グローバル企業などでは、多言語対応のツールが役立ちます。それぞれの言語で研修を提供することで、より多くの従業員に学習機会を提供できます。
最後に、管理画面の使いやすさも重要なポイントです。研修担当者は、管理画面から研修コンテンツの作成・配信・進捗管理などを行います。そのため、管理画面が使いやすければ、研修運営の効率化につながります。
これらのポイントを踏まえ、自社のニーズに合った操作しやすいツールを選びましょう。
サポート体制は十分か
オンライン研修ツールを導入する際には、提供元のサポート体制が充実しているかどうかも重要な比較ポイントです。
初めてオンライン研修ツールを導入する場合、ツールの操作方法や研修コンテンツの作成方法など、様々な場面でサポートが必要になるケースが想定されます。
そこで、ツール提供元がどのようなサポートを提供しているかを事前に確認しておきましょう。
例えば、電話やメール、チャットなどで気軽に質問できる窓口が設けられているか、FAQやマニュアルなどの資料が充実しているか、操作方法に関する研修やセミナーが開催されているかなどをチェックしておくと安心です。
サポート体制が充実しているツールであれば、スムーズにツールを導入し、運用していくことができるでしょう。
以下に、オンライン研修ツールを選ぶ上で確認しておきたいサポート体制の項目をまとめました。ツールを選ぶ際の参考にしてみてください。
項目 | 詳細 |
---|---|
問い合わせ窓口 | 電話、メール、チャット等の問い合わせ窓口が用意されているか |
対応時間 | 問い合わせ窓口の対応時間は、自社の営業時間と合致しているか |
FAQ・マニュアル | ツールの操作方法やよくある質問をまとめたFAQやマニュアルが用意されているか |
研修・セミナー | 操作方法を学ぶための研修やセミナーが開催されているか |
専任担当者の有無 | 導入時や運用時に相談できる専任の担当者がいるか |
上記以外にも、自社に最適なサポート体制が提供されているかどうかも確認しておきましょう。
導入時の注意点
オンライン研修は手軽で便利な研修手法ですが、導入時にはいくつか注意すべき点があります。
全ての教育をeラーニングで学べるわけではない
eラーニングは、時間や場所を選ばずに学習できるというメリットがある一方で、すべての教育ニーズを満たせるわけではありません。
例えば、以下のようなケースでは、eラーニングだけでは十分な効果を得られない可能性があります。
研修内容 | eラーニングの向き・不向き | 理由 |
---|---|---|
新人研修 | ○ | ビジネスマナーや社内システムの使い方など、標準化された知識の習得に効果的 |
マネジメント研修 | △ | 座学だけでなく、ロールプレイングやグループワークなど、実践的な訓練が必要 |
コミュニケーション研修 | × | 対面でのコミュニケーションを通して、非言語コミュニケーションや場の空気を読むスキルを学ぶ必要がある |
研修内容によっては、集合研修とeラーニングを組み合わせる、あるいはeラーニングを補助的に活用するなど、学習方法を工夫する必要があります。
例えば、新入社員研修の場合、eラーニングでビジネスマナーや会社の基礎知識を学んだ上で、集合研修で先輩社員との交流やOJTを実施するといった方法が考えられます。
また、eラーニングは受講者の自主性に委ねられる部分が大きいため、学習意欲を高め、継続的に学習に取り組めるよう、工夫が必要です。
例えば、ゲーミフィケーションを取り入れたり、学習進捗に応じて報酬を与えたりするなど、モチベーション維持のための仕組みづくりが重要になります。
受講者のモチベーション維持に工夫が必要
eラーニングは、時間や場所に縛られず学習できるというメリットがある一方で、受講者のモチベーション維持が課題となるケースがあります。
学習を進める上で、受講者が学習意欲を高く保ち、主体的に学習に取り組めるよう、工夫を凝らすことが重要です。
eラーニングで受講者のモチベーションを維持するための具体的な工夫として、以下のようなものが挙げられます。
工夫 | 説明 |
---|---|
目標の設定 | 学習目標を明確に示し、受講者が自身の進捗状況を把握できるようにすることで、学習意欲の向上に繋がります。 |
適切な難易度設定 | 難易度が高すぎると学習意欲を削ぎ、低すぎると飽きやすいので、受講者のレベルに合わせた難易度設定が重要です。 |
柔軟な学習スタイル | 受講者のライフスタイルに合わせた学習スタイルの提供(モバイル学習など)は、学習継続の助けとなります。 |
ゲーミフィケーションの導入 | ゲームの要素を取り入れ、学習を楽しく、飽きさせない工夫も有効です。 |
コミュニケーションの促進 | 受講者同士や講師とのコミュニケーションの場を設けることで、モチベーションの維持、孤独感の解消に繋がります。 |
フィードバックの提供 | 学習成果に対する適切なフィードバックは、受講者のモチベーション向上に繋がります。 |
インセンティブの付与 | 学習目標の達成に対してインセンティブを付与することで、学習意欲を高めることが期待できます。 |
これらの工夫を取り入れることで、受講者のモチベーションを維持し、eラーニングの効果を最大化することが可能になります。
受講環境の整備が必要
オンライン研修では、受講者それぞれが快適に学習を進められる環境を準備することが大切です。
必要な機器やインターネット環境が整っていないと、円滑な研修の実施が難しくなり、学習効果の低下にも繋がります。
どのような環境を準備する必要があるのか、具体的に見ていきましょう。
必要な機器・環境 | 詳細 |
---|---|
パソコン・タブレット | 研修内容を視聴するためのデバイス |
安定したインターネット回線 | 通信トラブルを避けるために必須 |
ヘッドセット | 音声の聞き取りやすさ、発言の明瞭さを確保 |
カメラ | 双方向のコミュニケーションには必須 |
ソフトウェア・アプリ | 使用するプラットフォームによっては、専用ソフトウェア・アプリが必要 |
静かな場所 | 集中して学習できる環境を確保するために重要 |
上記以外にも、受講者それぞれが使いやすいようにマウスやキーボード、プリンターなどを準備することも検討しましょう。
企業側が機器やソフトウェアなどを貸与する場合には、事前に使用方法の説明や動作確認を行うことも重要です。
快適な学習環境を提供することは、受講者のモチベーション維持にも繋がり、研修の効果を高めることに繋がります。
自社ニーズにあわせたコンテンツの内製が必要
eラーニングシステムには、多くの学習コースが標準搭載されています。しかしながらeラーニングで網羅的に社員教育を行うには、どうしても自社独自の教育コンテンツが必要になります。
例えば、自社製品の知識研修や社内システムの使い方研修などは、一般的に提供されているeラーニングコンテンツでは網羅できません。そのため自社に最適なeラーニングコンテンツを内製する必要が出てきます。
eラーニングコンテンツを内製するメリットは、自社のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできることです。自社の教育目標や社員の学習レベルに合わせてコンテンツの内容や難易度を調整できます。
また自社コンテンツを用意することで、より実践的な研修を行うことができます。自社独自のノウハウや事例を盛り込むことで、社員の理解度や学習意欲を高めることができます。
メリット | 説明 |
---|---|
自社ニーズへの柔軟な対応 | 教育目標や社員の学習レベルに合わせたコンテンツ作成 |
実践的な研修 | 自社ノウハウや事例を盛り込み、理解度・学習意欲を高める |
コスト削減 | 外部委託費用を抑え、長期的なコスト削減へ |
最新情報の迅速な反映 | 法改正や新製品情報などをタイムリーに更新 |
社内ナレッジの蓄積 | 社内情報の共有・活用促進 |
内製化に際しては、コンテンツ作成ツールや動画編集ソフトが必要になります。これらのツールを活用することで、専門知識がなくても質の高いコンテンツを作成することが可能です。
コミュニケーション機会への配慮
オンライン研修では、対面研修に比べて受講者同士や講師とのコミュニケーションの機会が減少する傾向があります。しかし、円滑なコミュニケーションは、学習効果の向上やモチベーション維持に不可欠です。
オンライン研修におけるコミュニケーション不足を解消するための工夫として、以下のような方法が挙げられます。
方法 | 説明 |
---|---|
研修中にチャット機能を活用する | 質疑応答や意見交換を活発化させるために、チャット機能を積極的に活用します。リアルタイムで質問やコメントを書き込めるため、気軽に発言しやすくなります。 |
グループワークを取り入れる | 少人数のグループに分かれて課題に取り組むことで、受講者同士の交流を深めます。オンラインホワイトボードなどのツールを活用すれば、共同作業もスムーズに行えます。 |
研修後にオンライン懇親会を開催する | 研修後には、オンラインで懇親会を実施するのもおすすめです。リラックスした雰囲気の中で親睦を深めることで、受講者間の距離を縮めることができます。 |
研修プラットフォーム上に掲示板を設置する | 研修に関する質問や意見交換ができる掲示板を設置することで、疑問点を解消し、理解を深めることができます。また、受講者同士が繋がり、活発な情報共有が期待できます。 |
個別面談を実施する | 受講者一人ひとりの学習状況や課題を把握するために、定期的に個別面談を実施します。学習進捗に関する相談や、業務における課題解決のサポートなど、きめ細やかな指導を行うことで、受講者のモチベーション向上に繋げられます。 |
これらの工夫を通して、オンライン研修でも積極的なコミュニケーションを促進し、より効果的な学習環境を構築することが重要です。
オンライン研修ツール導入後の運用ポイント
オンライン研修ツールを導入した後は、その効果を最大化するために、継続的な運用と改善が重要です。ツールを導入しただけで満足するのではなく、受講者の学習効果を高め、企業の成長に繋げるための運用ポイントを紹介します。
リアルな場でコミュニケーション機会を設ける
オンライン研修は、場所や時間を選ばずに学習できるというメリットがある反面、受講者同士や講師とのコミュニケーションが不足しがちになるというデメリットもあります。
そこで、オンライン研修ツールを導入する際には、研修効果を高めるためにも、リアルな場でコミュニケーションを図る機会を設けることが重要になります。
具体的には、以下のような方法があります。
交流イベント | 内容 | 効果 |
---|---|---|
懇親会 | 研修の参加者同士が親睦を深める | 参加者同士の繋がりを強化 |
質問会 | 研修内容に関する疑問点を解消する | 研修内容の理解度向上 |
研修成果発表会 | 各自の研修成果を発表し、共有する | モチベーション向上、相互学習 |
グループワーク | 参加者同士で協力して課題に取り組む | チームワーク、コミュニケーション能力向上 |
これらのイベントは、研修内容の理解を深めるだけでなく、受講者同士のモチベーション向上や相互学習にも繋がります。
また、講師とのコミュニケーションの機会を設けることも重要です。
交流イベント | 内容 | 効果 |
---|---|---|
オフィスアワー | 個別で講師に質問や相談をする | 疑問点の解消、個別指導 |
研修後のアンケート | 研修内容や講師へのフィードバックを行う | 研修の質の向上 |
勉強会 | 講師が最新の知識や情報を提供する | 最新情報の習得 |
講師とのコミュニケーションは、受講者の疑問点を解消するだけでなく、研修全体の質の向上にも役立ちます。
オンライン研修とリアルの場でのコミュニケーションを組み合わせることで、より効果的な研修を実施することが可能になります。
受講に関するルール作りを行う
オンライン研修を円滑に進めるには、受講に関するルール作りが重要です。ルールを設けることで、受講者の学習意欲を高め、研修の効果を最大化することに繋がります。
ルール作りを行う上での主なポイントは以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
受講期間 | 研修の開始日と終了日を明確に設定します。 |
受講時間 | 1日の受講時間を定めます。 |
受講頻度 | 週に何回、または月に何回受講するかを定めます。 |
質問対応 | 質問がある場合の問い合わせ方法や対応時間を明確にします。 |
課題提出 | 課題の提出期限や提出方法を定めます。 |
成績評価 | 合格基準や評価方法を明確に示します。 |
その他 | その他、受講に関するルールを定めます。 |
これらのルールを事前に受講者へ明示することで、受講者は安心して研修に取り組むことができます。また、ルールを設けることで、研修の進捗状況を把握しやすくなり、管理者側も適切なサポートを提供することが可能になります。
受講状況の確認や進捗管理を行うことも重要です。受講者は自分の進捗状況を把握することで、モチベーションを維持することができます。
管理者は、受講者の進捗状況を把握することで、必要に応じてフォローアップや個別指導などの適切な対応をすることができます。
効果を定期的にモニタリングする
オンライン研修の効果測定は、研修プログラムの改善や受講者の学習意欲向上に不可欠です。効果測定を怠ると、研修が本当に役立っているのか分からず、時間とリソースの無駄遣いにつながる可能性があります。
効果的なモニタリングを行うためには、研修の目的を明確にすることが重要です。例えば、「新入社員の業務理解度向上」を目的とする研修であれば、「主要業務内容に関する理解度テストの平均点80点以上」といった具体的な目標を設定します。
モニタリング項目は、研修の目的に合わせて設定します。知識やスキル習得を目的とする研修では、テストの点数や課題の提出率、実務におけるエラー率などを指標とします。
行動変容を目的とする場合は、上司や同僚からのフィードバックや、目標達成度などを指標とするのが有効です。
研修の目的 | モニタリング項目例 |
---|---|
知識・スキル向上 | テストの点数、課題提出率、業務におけるエラー率 |
行動変容 | 上司・同僚からのフィードバック、目標達成度 |
モニタリング頻度は、研修の内容や期間に応じて調整します。短期研修であれば、研修終了直後と一定期間後に効果測定を実施します。長期研修の場合は、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて研修内容を修正することが重要です。
効果測定の結果は、受講者や関係部署にフィードバックすることで、更なる学習意欲の向上や研修プログラムの改善に繋げられます。
学習状況によってフォローアップを実施する
学習状況を把握し、個々の受講者へ適切なフォローアップを行うことは、学習効果の向上に欠かせません。オンライン研修では、受講者の進捗状況や理解度をデータで確認できるため、個々の状況に合わせた柔軟な対応が可能です。
受講者の学習状況に応じて、以下のようなフォローアップを実施することで、学習効果を高めることができます。
学習状況 | フォローアップ内容 |
---|---|
学習進捗が遅れている | 個別メールや電話で状況を確認する、学習方法のアドバイスを行う、追加教材を提供する |
理解度が低い | 解説動画や補足資料を提供する、個別指導やグループワークを実施する、復習テストを実施する |
学習意欲が低い | 研修の目的やメリットを再確認する、学習目標を明確にする、ゲーミフィケーション要素を取り入れる |
学習成果が高い | 更なるスキルアップのための研修プログラムを提案する、資格取得を支援する、表彰制度を設ける |
フォローアップを行う際には、受講者の状況を丁寧にヒアリングし、課題やニーズを的確に把握することが重要です。また、定期的な面談やアンケートを通じて、受講者の意見を収集し、研修内容の改善に繋げることも大切です。
まとめ
オンライン研修ツールは、企業研修の効率化や従業員のスキルアップに大きく貢献する反面、導入や運用においては、いくつかの注意点が存在します。
効果的にオンライン研修ツールを活用するためには、自社のニーズ、研修の目的、受講者の特性などを考慮し、適切なツールを選択することが重要です。
例えば、ツールの機能性や操作性だけでなく、サポート体制やコンテンツの質、費用対効果なども比較検討する必要があります。また、導入後も効果測定や改善を継続的に行い、受講者のモチベーション維持や学習効果の向上に努めることが大切です。
オンライン研修ツールは、うまく活用すれば企業の成長を力強く後押しする強力なツールとなります。研修のオンライン化を検討する際には、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考に、自社に最適なツールを選定し、効果的な研修を実施してください。
効果的な社員研修に「eラーニング」を活用しませんか?
VUCA時代の社員研修は、企業を取り巻く流動的な環境にあわせた適切な研修プログラムや、定期的なコンテンツのアップデートが欠かせないため、eラーニングの活用が成功の鍵となります。
eラーニングシステムを活用すれば、時間や場所に縛られずに学習できるため、より広範囲な人材のスキルアップや教育の均質化を実現できます。
また、最新の情報に常にアップデートして学習コンテンツを提供できるため、社内人材に即戦力のスキルを身に付けさせる「リスキリング」にも活用可能です。
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