テレワーク環境での効果的な企業内研修の実施方法とは|第3回「テレワーク環境での企業内研修に役立つ研修形態」

テレワークは、働き方改革の一環として徐々に導入が開始されていましたが、新型コロナ対策として一気に普及しました。

しかし、急速なテレワーク環境への移行に、企業内研修の実施環境の整備は追い付いておらず、さまざま課題が浮かび上がっています。

この記事では、テレワーク環境での企業内研修における最新のITツールの活用方法と、研修の効果を高めるために採用すべき研修形態を全3回にわたって解説します。

連載第3回の今回は、「テレワーク環境での企業内研修に役立つ研修形態」について解説します。

テレワーク環境での効果的な企業内研修の実施方法とは(全3回)

第1回「テレワーク環境での企業内研修の課題」

第2回「テレワーク環境での企業内研修に役立つITツール」

第3回「テレワーク環境での企業内研修に役立つ研修形態」

インフラ整備だけでは解決しない課題

テレワーク環境での企業内研修の効率と効果を上げるためには、企業内研修インフラを整備するだけでなく、研修形態も見直す必要があります。

その理由は、いかにIT環境が整備されたしても、研修で学習した内容を現場で実践しないかぎり研修の効果は上がらないからです。

多くの企業では、研修を実施した後、受講者がその研修で学んだことを現場で実践し、成果を出しているかどうかは評価されておらず、そのため、改善しようにもその方法もわからない「やりっぱなし」状態になっているのではないでしょうか。

研究機関による調査では、研修で学習した内容を現場で実践する割合は、10%~40%に過ぎないという結果が出ています。

また、別の調査では、研修直後には、約半数が学習した内容を現場で実践しているが、1年後には約1割しか実践しなくなるという結果も出ています。

出典:カナダのNPO法人(The Conference Board of Canada)が2007年に発表した調査レポート「Learning and Development Outlook 2007: Are We Learning Enough?」

つまり、研修を「やりっぱなし」にすると、その効果は時間が経つにつれて減少し、最終的には1割程度にしか過ぎなくなってしまうということです。

■別記事「研修をやりっぱなしにすると、どうなるの?」もご参照ください。

このやりっぱなしを防ぐために、これまで、さまざまな研修形態が提唱されてきましたが、今回は、その中でもWeb会議ツール、LMS、社内コミュニケーション・ツールといったITツールを効果的に利用できる研修形態として、「反復学習」、「インターバル研修」、「コーチングとメンタリング」の3つをご紹介しましょう。

Web会議ツールを利用した反復学習

反復学習とは、一度受けた研修の内容を何度も復習することで、知識を記憶に定着化させる学習方法です。

反復学習を行うためには、集合研修で実施した講義、演習、ロールプレイングの内容をeラーニングのコンテンツ化する作業が必要になります。

こうすることで、受講者は、研修後のどのタイミングでも、何度でも自分が受けた研修の内容を反復学習することができようになります。

今までのオフライン集合研修の場合、まず撮影担当者と撮影機材を準備し、録画した後、録画データをサーバにアップロードして共有するという作業が必要でした。

一方、テレワーク環境では、Web会議ツールを利用したオンライン研修が盛んに行われていますが、このWeb会議ツールの持つ録画機能を使うことで、オフライン集合研修よりも、はるかに簡単に研修内容をeラーニングのコンテンツ化することが可能です。

Web会議ツールの持つ録画機能では、自動的に、録画データがMP4などの再生可能な形式でサーバに保存されますので、撮影担当者と撮影機材の準備、録画データのアップロードといった作業がすべて不要になります。

LMSを利用したインターバル研修

インターバル型研修とは1つのテーマの研修を一度にまとめて実施するのではなく、数ヵ月間のインターバルを間に挟んで複数回に分けて実施する研修形態です。

インターバル期間に前回の研修で学習したことの実践とそのレポートが義務付けられていることが特徴で、研修内容の定着化に非常に効果が高いといわれています。

しかし、インターバル型研修では、長期間にわたって多数の受講者の研修受講やレポート提出を管理する必要があり、研修管理者の負荷が重く、担当者の変更に伴う引継ぎ不足などが発生するといった多くの課題があるため、実施している企業が少ないのが現状です。

そこで、最近インターバル型研修への活用が注目されているのがLMSです。

LMSを利用すると、研修受講履歴やレポート提出状況をデータベースで一元的に管理し、担当者の変更に伴う引継ぎ不足などのリスクを解消することができます。

また、レポートそのものをオンライン化することで、紙やファイルのやり取り、コピー、集約といった作業も不要になり、研修管理者の負荷が大きく低減されます。

例えば、KIYOラーニング社が提供するクラウドサービスAirCourseには、インターバル型研修の実施に大変効果的な「提出課題」機能があります。

この機能を使うと、受講者が、課題に対し自身の考えや回答をテキスト形式で自由に回答したり、様々なファイル形式のフォーマットを添付ファイルとして提出したりすることができます。

また、管理者向けにも多くの機能が備わっており、例えば、課題提出の進捗状況を全受講者について一覧表として表示する機能もあります。

社内コミュニケーション・ツールを利用したコーチングとメンタリング

研修内容の定着化には、受講後の講師によるコーチングと上司またはメンターによるメンタリングが重要とされています。

しかし、テレワーク環境においては講師やメンターが受講者と直接対面でコミュニケーションできる状況を長期間にわたって維持できることは極めて難しいといえます。

電話やメールによるコミュニケーションは、直接対話の代替にはなりえますが、長期間コミュニケーションを継続していく過程で過去のやり取りの記憶や記録が失われがちなため、効果が低下していくと考えられます。

そこで、最近注目されているのが、社内コミュニケーション・ツールを利用したコーチングとメンタリングです。

社内コミュニケーション・ツールを利用すると、直接対話に近いコミュニケーションが行えるだけではなく、スレッドを辿ることで、過去のやり取りをいつでも記憶に甦らせることが可能になり、コーチングとメンタリングの効果が長期にわたって持続することが期待されています。

まとめ

研究機関による調査では、研修直後には、約半数が学習した内容を現場で実践しているが、1年後には約1割しか実践しなくなるという結果が出ており、多くの企業では、研修を実施しても、その内容の定着化がうまくいっていないと考えられています。

したがって、テレワーク環境での企業内研修の効率と効果を上げるためには、インフラ整備とともに、研修形態の見直しが必要といえます。

研修内容の定着化に効果があるとされる研修体系の中でも、Web会議ツール、LMS、社内コミュニケーション・ツールといったITツールを効果的に利用できる研修形態として、「反復学習」、「インターバル研修」、「コーチングとメンタリング」の3つがあります。

反復学習とは、一度受けた研修の内容を何度も復習することで、知識を記憶に定着化させる学習方法です。

テレワーク環境では、Web会議ツールを利用したオンライン研修が盛んに行われていますが、このWeb会議ツールの持つ録画機能を使うことで、簡単に反復学習のためのeラーニング・コンテンツを作成することができます。

インターバル型研修とは1つのテーマの研修を一度にまとめて実施するのではなく、数ヵ月間のインターバルを間に挟んで複数回に分けて実施する研修形態です。

インターバル期間に前回の研修で学習したことの実践とそのレポートが義務付けられていることが特徴で、研修内容の定着化に非常に効果が高いといわれていますが、研修管理者の負担が重いという課題があります。

この課題を解決するのがLMSです。

LMSを利用すると、研修受講履歴やレポート提出状況をデータベースで一元的に管理し、レポートそのものをオンライン化することで、紙やファイルのやり取り、コピー、集約といった作業も不要になり、研修管理者の負荷が大きく低減されます。

研修内容の定着化に有効とされているコーチングとメンタリングですが、テレワーク環境においては講師やメンターが受講者と直接対面でコミュニケーションできる状況を長期間にわたって維持できることは極めて難しくなります。

しかし、社内コミュニケーション・ツールを利用することで、直接対話に近いコミュニケーションが行えるようになり、さらに、スレッドを辿ることで、過去のやり取りをいつでも記憶に甦らせることができます。

テレワーク環境での効果的な企業内研修の実施方法とは(全3回)

第1回「テレワーク環境での企業内研修の課題」

第2回「テレワーク環境での企業内研修に役立つITツール」

第3回「テレワーク環境での企業内研修に役立つ研修形態」

ABOUTこの記事をかいた人

平井 明夫

ソフトウエアベンダーやコンサルティング会社で20年以上にわたりコンサルティング、企業経営に携わる。現在は、IT企業の新規事業立上げ、事業再編を支援するかたわら、データ分析、人材管理、LMSなどに関する講演・執筆活動を行っている。