マイクロラーニングが新しいeラーニング手法として注目されていますが、単に「短い動画(マイクロコンテンツ)をモバイル端末で録画、再生する」という説明では、その本質的な特徴と効果的な活用方法を理解することはできません。
この連載記事では、全4回にわたって、マイクロラーニングとマクロラーニング(ILTやeラーニングによる従来型の研修)との違いを明確にした上で、マイクロラーニングを効果的に活用するためのポイントを解説します。
「マイクロラーニングとは何か?その特徴と効果的な活用方法を理解する(全4回)」
第1回:マイクロラーニングとは何か?
連載第1回の今回は、マイクロラーニングの本当の意味とその目的について解説します。
マイクロコンテンツが扱えればマイクロラーニングなのか?
マイクロラーニングの定義として、よく使われるのが、「短時間の動画で構成される教材コンテンツを(マイクロコンテンツと呼びます)多数揃えた上で、スマートフォンで受講する形式の研修実施スタイルをあらわし、従来型研修の予習、復習用とすることで研修効率を上げる、もしくは、忙しいため従来型研修が受講できない従業員が、 通勤時間帯などの「スキマ時間」に受講できるようにすることで研修の受講率を上げる。」という内容です。
しかし、このような機能は従来のeラーニング/LMSサービスでも既に実装されています。
例えば、個人向けeラーニングサービスの大手であるKIYOラーニング社が提供する企業向けLMSサービスのAirCourseでは、短時間動画の教材としての登録、確認テストやアンケートの実施、スマートフォンからの受講などの機能を既に実現しています。
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※AirCourseのレポート画面
つまり、単純にマイクロコンテンツを扱うことができるというだけでは、マイクロラーニングの存在価値はないということです。
従来のマクロラーニングではカバーできない領域こそがマイクロラーニングの出番
マイクロラーニングとは、従来のマクロラーニングでは効果が上がりにくいとされてきたOJTや専門性の高い研修において、いかにして効果的に学習させるかという課題を解決するために登場した新しい方法論を示しています。
マイクロラーニングが、従来のマクロラーニングと根本的に異なるのは以下の3点です。
- 教師と生徒の関係性がフラットであり、継続的にフォローが受けられること
- 細かい教材コンテンツを多数制作した上で、タグ付けなどを用いて整備すること
- 個人ごとに異なるスキルギャップを埋めるために適切な教材コンテンツを提供すること
したがって、本来のマイクロラーニングの目的は、マクロラーニングではカバーできないOJTや専門性の高い研修をIT技術で効率化、高度化することにあり、マクロラーニングを置き換えるものではなく、相互に補完するものといえます。
まとめ
マイクロラーニングの定義として、よく使われるのが、「マイクロコンテンツをスマートフォンで受講する形式の研修実施スタイル」という内容ですが、このような機能は従来のeラーニング/LMSサービスでも既に実装されており、単純にマイクロコンテンツを扱うことができるというだけでは、マイクロラーニングの存在価値はないということになります。
マイクロラーニングとは、従来のマイクロラーニングでは効果が上がりにくいとされてきたOJTや専門性の高い研修において、いかにして効果的に学習させるかという課題を解決するために登場した新しい方法論を示しており、教師と生徒の関係性、教材コンテンツの体系化と整備の進め方、個人ごとに異なるスキルギャップの解消という3点で、従来のマクロラーニングとは根本的に異なっています。
したがって、本来のマイクロラーニングの目的は、マクロラーニングではカバーできないOJTや専門性の高い研修をIT技術で効率化、高度化することにあり、マクロラーニングを置き換えるものではなく、相互に補完するものといえます。
第2回となる次回は、マイクロラーニングを効果的に導入するために理解すべき、「マクロラーニングとマイクロラーニングの違い」について解説します。
「マイクロラーニングとは何か?その特徴と効果的な活用方法を理解する(全4回)」
第1回:マイクロラーニングとは何か?
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