自律学習とは?必要性やメリット、eラーニングの効果的な活用方法を解説

一斉講義型の研修では、それぞれの従業員の学習ニーズに対応しきれず、効果的なスキルアップにつながらないこともあります。

そこで現在注目されているのが、従業員が自らの課題を認識し、自主的に目標や学習計画を立て、主体的に学ぶ「自律学習」と呼ばれる学習スタイルです。 

従業員が自ら学び続ける姿勢を持つことは、企業の競争力強化にもつながります。

この記事では、自律学習の定義や必要性、メリット、実践に加え、企業が従業員の自律学習を促進するための具体的な方法を解説します。 

さらに、自律学習を効果的に進めるためのeラーニングの活用法や成功事例も紹介するので、ぜひ参考にして下さい。

人材育成を成功に導く「最新育成モデル」を活用しませんか?

人材育成を成功に導くためには、育成過程の注力ポイントを知り、必要な成果に向けて適切なステップと育成スキームを選択することが重要です。

KIYOラーニングでは、「人材育成で大切な8つのこと」を仕組みでカバーできる『デジタル時代の人材育成モデル』をお届けしています。

社員が成長し、最終的に成果をあげるまでに必要な施策とその流れをモデル化したものになりますので、自社の状況と照らし合わせて育成方法を検討したい方はぜひご活用ください。

自律学習とは

自律学習とは、従業員が自らの課題を認識し、自主的に目標や計画を立てて実行する学習手法です。

現代社会において、企業は常に新しい情報や技術を取り入れることで生産性を向上させ、競争力を維持していく必要があります。

そのためには、従業員一人ひとりが主体的に学習に取り組み、自律的にスキルアップしていく姿勢が重要です。

従来のように、企業が従業員に提供する受け身の学習スタイルのみでは、ビジネス環境の変化に対応することができません。

そのため、従業員一人ひとりが主体的に学習に取り組むことが重要となります。

社内で自律学習を推進することで、従業員は常に新しい知識やスキルを自ら進んで習得するようになり、変化への対応力を高めることができます。

企業の人材育成における主な課題

企業は人材育成において、主に以下のような課題を抱えています。

研修管理の負担

研修の管理や運営が煩雑になった結果、人材育成を担当する部署の人手が不足していると、新しい施策に取り組む余裕がなくなります。

また、実施の際の時間的コストだけではなく、教材の用意や講師のアサインといった金銭的コストも発生します。

従業員の研修に対するネガティブな認識

研修が業務遂行上の足枷と捉えられ、受講することに抵抗を感じる従業員もいます。

また、研修内容が実務と結びついていない場合、モチベーションの低下にもつながる可能性があります。

一元的・画一的な研修コンテンツ

複数の従業員に対して研修を実施する場合、担当者は個々の従業員に対して適切な研修コンテンツを用意できない可能性があります。

従業員にとって効果的ではない研修が実施されてしまった場合、企業全体の生産性・競争力の低下に繋がる可能性があります。

自律学習のメリット

自律学習を取り入れることで、上記の課題を解決できる可能性があります。

この章では、企業が自律学習を取り入れることで得られるメリットについて解説します。

人材育成コストの削減

自律学習を通して従業員が主体的な学習姿勢を身につけることで、企業は人材育成コストを削減できます。

企業はeラーニング教材やオンライン学習プラットフォームを活用し、個々の従業員に最適化された学習機会を提供することで、従業員が自ら学ぶ姿勢を育むことが重要です。

また、自立型学習を普及させることで、人事担当者は優先度の高い戦略人事に集中できるようになります。

戦略人事とは、企業の経営戦略と人材戦略を連携させて、人材マネジメントを行う取り組みを指します。

自律学習の普及により、研修コストを削減しながら、より本質的な人事業務にリソースを割くことができるようになります。

生産性向上と競争力の強化

自律学習を取り入れることで、企業は従業員のスキルアップを促進し、生産性と競争力を強化することができます。

ビジネス環境の変化に対応するためには、従業員が企業側から用意された講義型の研修を受けるだけではなく、個々の適性に応じて主体的に学ぶ姿勢を確立する必要があります。

自律学習を通じて個々の従業員は、業務遂行上必要となる高度な専門知識やスキルを自ら発見し習得していきます。

結果として、従業員が自身に適切なスキルを習得することができ、企業全体の生産性向上につながります。

自律学習を推進するためには、従業員が能動的に学びたくなるような環境やカリキュラムを、企業が構築することが重要です。

企業が従業員の自律学習を支援する際のポイント

従業員の自律学習を促進するには、企業側のサポートが不可欠です。

効果的な支援を行うためのポイントは大きく分けて以下の4点です。

  • 学習環境の整備
  • モチベーションの向上と維持
  • 学習機会の提供
  • 効果測定と改善

これらのポイントを踏まえ、従業員の自律学習を効果的に支援することで、従業員各々の成長を促しましょう。

学習環境の整備

従業員が自律学習に取り組むためには、企業が適切な環境を整備することが重要です。

適切な学習環境の整備には、下記のような施策が有効です。

学習目標の設定支援

企業は、従業員が具体的な学習目標を設定できるよう支援する必要があります。

目標設定シートの作成や、上司との定期的な面談などを実施することで、従業員の学習意欲を高めることができます。

従業員が学習時間を確保しやすい労働環境の整備

自律学習の実施には、従業員が効果的に学習できるような労働環境の整備が重要です。

例えば、業務時間内に学習時間を設ける、ノー残業デーを設定するなど、従業員が学習に取り組みやすい環境を作りましょう。

学習リソースの提供

従業員が必要な情報にアクセスできるよう、社内ライブラリの充実やeラーニングシステムの導入などを検討しましょう。

質の高い学習リソースを提供することで、学習効果を高めることができます。

相談しやすい雰囲気づくり

学習効果の最大化のために、従業員が気軽に質問や相談できる雰囲気を作ることも重要です。

メンター制度や勉強会などを活用し、従業員同士が学び合える環境を整備しましょう。

これらの施策を通して、従業員が自律的に学習に取り組める環境を構築することができるでしょう。

モチベーションの向上と維持

自律学習を継続的に行うには、従業員のモチベーションの向上と維持が重要です。

従業員のモチベーションの向上と維持には、以下の要素を取り入れることが重要となります。

目標設定の明確化

学習目標を具体的に設定することで、学習者は自身の成長を認識しやすくなります。目標達成までの道のりを可視化し、進捗状況を把握できるようにすることで、モチベーションを維持することができます。

適切なフィードバック

従業員へのフィードバックは、学習成果の確認と改善点を把握するために重要です。定期的なフィードバックは、学習者のモチベーション向上に繋がるだけでなく、学習内容の理解度向上にも貢献します。

承認・称賛

学習者の努力や成果を適切に評価し、承認・称賛することで、学習意欲を高めることができます。

小さな成果でも見逃さず、積極的に評価することで、学習者は更なる学習意欲を持つことができます。

学習コミュニティの形成

他の学習者と交流できるコミュニティを形成することで、学習者は互いに刺激し合い、モチベーションを維持することができます。

情報交換や意見交換を通じて、学習内容の理解を深めることも可能です。

報酬制度の導入

学習成果に応じて報酬を与える制度を設けることで、従業員の学習意欲を高めることができます。

金銭的な報酬だけでなく、昇進や昇格といったキャリアアップにつながる報酬も有効です。

個々に最適化された学習機会の提供

個々に最適化された学習機会の提供は、従業員の自律学習を促進する上で重要な要素です。

学習機会を提供する際には、以下のポイントを意識しましょう。

従業員のニーズの把握

アンケートやヒアリングなどを実施し、従業員がどのようなスキルを習得したいのか、どのような学習方法が好ましいのかなどを調査することが重要です。

従業員のニーズを把握することで、どんな学習が必要なのかが分かり、従業員ニーズに合った学習機会が提供できます。

多様な学習メニューを用意

多様な学習機会を提供することで、従業員の学習スタイルや学習レベルに合わせた学習を支援することができます。

例えば、集合研修、eラーニング、OJT、自己学習など、さまざまな学習機会を用意することで、従業員は自分に合った学習方法を選択することができます。

効果測定と改善の実施

自律学習では、学習プロセス自体を評価することで改善につなげることが重要です。

また、効果測定と改善を継続的に行うことで、自律学習の質を高め、より学習効果を実現できます。

効果測定では、目標設定時に定めた目標に対する達成度を測ります。

例えば「3ヶ月で〇〇の資格を取得する」という目標であれば、資格試験の合否や、模擬試験のスコアなどで測定できます。

また、目標達成までの学習時間や、学習内容の理解度なども指標として有効です。

一方、学習プロセスの評価では、学習方法の適切さや、学習環境の整備状況などを評価します。

例えば、学習教材の質や、学習時間の確保のしやすさ、学習をサポートしてくれる体制などが評価項目として挙げられます。

自律学習を促進するならeラーニングがおすすめ

eラーニングは、従業員の自律学習を促進するために効果的なツールです。

eラーニングシステムとは、eラーニング(オンライン学習)の教材を配信・管理するシステムで、す。

eラーニングシステムには、自立学習の普及に必要な教材の配信や学習状況の確認、成績管理、テストの作成、レポートの管理といった、eラーニングを円滑に実施したり、学習効果を測定するための機能が充実しています。

eラーニングシステムを活用し学習管理を行うことで、従業員は時間や場所を選ばずに学習できるようになるだけではなく、学習コンテンツも豊富であるため、個々のスタイルや履修すべきカリキュラムに応じて学習を進めることができるようになります。

eラーニングで自律学習を促進する方法

この章では企業側がeラーニングを活用して自律学習を促進する具体的な方法について解説します。

eラーニングで自律学習を促進するためには、さまざまな学習手法を組み合わせることがポイントです。

それぞれの特徴を理解して、効率的に自律学習を進めましょう。

マイクロラーニングの活用

マイクロラーニングを活用することで、従業員の自律学習を促進することができます。

マイクロラーニングとは、5〜10分という短時間で学習するスタイルです。

このため、それぞれの従業員が自分に合ったスタイルで効率的に学習を進めることができるため、自律学習が促進されます。

eラーニングでマイクロラーニングを活用する際のポイントは下記の通りです。

  • 学習内容を5分~10分程度の短い動画に分割する
  • 分かりやすい説明を心がけ、専門用語は避ける
  • クイズやテストなどを活用し、学習内容の理解度を確認する

→記事完成後内部リンク挿入

ゲーミフィケーションの活用

eラーニングにおいてゲーミフィケーションを取り入れることも、自律学習の促進に効果的です。

ゲーミフィケーションとは、ゲームの要素をゲーム以外の物事に応用することを指します。

eラーニングにおいて、ポイント制度やバッジ、ランキング、レベルアップなどの要素が用いられることで、学習者は、目標達成による達成感を得たり、他の学習者と競争したりすることで、楽しみながら学習を進めることができます。

→記事完成後内部リンク挿入

学習コミュニティの活用(ソーシャルラーニング)

eラーニングを活用した自律学習において、学習コミュニティ(ソーシャルラーニング)は学習効果を高める上で非常に有効です。

学習コミュニティとは、学習者が互いに教え合ったり、学び合ったり、励まし合ったりする場のことです。

eラーニングシステムには、掲示板やチャットなどの機能が備わっているものがあり、これらを利用することで、学習者同士が簡単にコミュニケーションを取ることができます。

内部リンク:ソーシャルラーニングを実現するためのITインフラとは?第1回 | 人材育成サポーター

進捗状況の可視化とフィードバック制度の整備

eラーニングを活用した自律学習を促進する上で、学習管理システム(LMS)の導入は必須です。

LMSは、学習者の進捗状況の把握・管理、教材配信、成績管理、コミュニケーション機能など、学習に必要な機能を統合的に提供します。

LMSを導入することで、学習者は自身の進捗状況をリアルタイムで確認でき、目標達成度を可視化できます。

また、企業側も従業員一人ひとりの学習状況を把握し、個々の進捗に合わせた適切なフィードバックやサポートを提供できます。

内部リンク:eラーニングとは?機能・メリット・活用法や導入時のポイントを解説

eラーニングを活用した自律学習の成功事例

この記事では、eラーニングを活用して自律学習を促進した企業の成功事例を3社ご紹介します。

それぞれの企業がどのようにeラーニングを活用した自律学習を取り入れ、どのような成果をあげているのかを見ていきましょう。

従業員の自発的な学習環境を整備/日本瓦斯株式会社

日本瓦斯 株式会社 活用事例 – AirCourse

日本瓦斯株式会社は、多様な働き方への対応と従業員の自律的な学習促進を目的に、eラーニングシステム「AirCourse」を導入しました。

従来の集合研修では、多様な職種や勤務形態を持つ従業員全員に同じ内容を同じタイミングで提供することが難しく、学習機会の格差が生じるなどの課題を抱えていました。

AirCourse導入により、時間や場所を選ばずに学習できる環境が整い、従業員一人ひとりのニーズに合わせた学習が可能となりました。

動画教材やクイズ形式のコンテンツなどを活用し、理解度を高める工夫がされています。

また、モバイル対応も実現し、隙間時間を有効活用した学習を促進しています。

従業員は自身のキャリアプランや興味関心に基づき、自主的にスキルアップを図ることが可能となりました。

学習進捗状況は管理者も確認できるため、適切なフィードバックやキャリア支援にもつながっています。

必須受講と推奨受講を組み合わせて自発的に学習する風土に/株式会社フレスタ

株式会社フレスタ様 AirCourse活用事例

株式会社フレスタは、中国地方を中心にスーパーマーケットを展開し、約5,000名の従業員がいます。従業員教育に力を入れており、以前は集合研修が中心でしたが、遠方従業員の負担や時間・場所の制約が課題でした。

そこでeラーニングシステム「AirCourse」を導入し、自律学習を促進。eラーニングでは、会社理念やコンプライアンス等の必須研修に加え、従業員一人ひとりのスキルアップやキャリアアップを支援する推奨研修を用意しています。

従業員は自分の興味・関心に基づき、学習内容を自由に選択できます。

この必須研修と推奨研修の組み合わせにより、従業員は「やらされ感」なく、自発的に学習に取り組むようになりました。

結果として、学習効果の向上につながり、自律学習の風土の確立に成功しています。

集合研修のeラーニング化や階層別研修の事前課題としてフル活用/フジ産業株式会社

フジ産業株式会社 AirCourse活用事例

フジ産業株式会社は、AirCourseを導入することで、集合研修のeラーニング化やカリキュラム別研修の事前学習に活用し、学習効率の向上とコスト削減を実現しています。

従来の集合研修は、移動時間や会場確保の手間、講師への謝礼など、多くのコストが発生していました。

これらの課題を解決するために、フジ産業株式会社はセット研修の一部をeラーニング化し、コストや手間をカットしました。

さらに、階層別研修の事前学習にもAirCourseを活用しています。

事前にeラーニングで基礎知識を習得していくことで、集合研修での理解度が深まり、より効果的な学習が提供できるようになりました。

まとめ

この記事では、自律学習の重要性、メリット、そしてeラーニングを活用した効果的な学習方法について解説しました。

成功事例からもわかるように、eラーニングを導入した自律学習は、企業の成長に大きく貢献します。

自律学習とeラーニングを効果的に組み合わせることで、企業は競争力を高め、持続的な成長を実現できるでしょう。

社内で自律学習の普及を推進し、従業員が主体的に学べる環境を整備していきましょう。

人材育成を成功に導く「最新育成モデル」を活用しませんか?

人材育成を成功に導くためには、育成過程の注力ポイントを知り、必要な成果に向けて適切なステップと育成スキームを選択することが重要です。

KIYOラーニングでは、「人材育成で大切な8つのこと」を仕組みでカバーできる『デジタル時代の人材育成モデル』をお届けしています。

社員が成長し、最終的に成果をあげるまでに必要な施策とその流れをモデル化したものになりますので、自社の状況と照らし合わせて育成方法を検討したい方はぜひご活用ください。