PC1人1台の環境でなくとも、AirCourseを活用して全従業員に教育機会を提供

~スキマ時間を活用したマイクロラーニングで自発的に学習する風土が根付きはじめる~

株式会社フレスタ
AirCourse活用事例

株式会社フレスタ
管理本部 人事部

森田 美砂  氏

  • 「地域に密着した店舗展開」で広島県を中心に63店舗のスーパーマーケットを運営
  • コロナ禍に対応したニューノーマルな教育体系をeラーニングで実現
  • 短時間で学べるマイクロラーニング化により、受講者・経営層からも好評の声

お客様の笑顔を原点に、食から広がる豊かで快適な「暮らし」を提案

御社の事業・サービス内容、ご担当者様の業務内容を教えてください

当社は広島県を中心に岡山県・山口県含めて、63店舗(インタビュー時点)のスーパーマーケットを展開しています。「地域に密着した店舗展開」を根底に、時代の変化やお客様のニーズの変化に応じて、全国でも早い段階で「生鮮宅配サービス」をスタートさせるなど、お客様のライフスタイルに最適な商品・サービスを考え、創造してきました。

私自身はもともと店舗にて業務を行っていましたが5年前から人事に異動し、新卒採用や評価制度の運用を任された後に、現在は従業員教育やパートアルバイト採用を担当しております。教育に関しては、昇格候補者研修やヒューマンスキル教育を中心に実施しています。



コロナ禍で集合研修が実施できない状況を打破するための「動画活用」

AirCourse導入前の状況や抱えていた課題を教えてください。

eラーニングシステムの導入検討に至った一番の理由は、新型コロナウイルス感染症により対面での教育ができなくなったことでした。コロナ前はずっと実地での集合研修で教育を行っていたのですが、それが感染拡大防止のために一気に中止になってしまいました。

そのような状況でも教育を止めないために、最初は既製コンテンツのみを提供しているeラーニングサービスを導入しました。しかし、既製のコンテンツだけではビジネス全般における教育になってしまい、「受講対象者に学んでもらいたいことを網羅できていないのではないか?」という懸念が出てきました。

また、今後は店舗業務のマニュアルをより分かりやすいものにしていく必要性も感じており、情報を明確に伝えるための武器・ツールが欲しいということで「動画の活用」を検討し始めることになります。

-動画はどのように活用し始めたのでしょうか?

最初は動画を作成できる社内メンバーに依頼して数本作成し、社内のイントラネット上で流してみました。しかし、イントラネット内のデータ容量への制限があったり、配信・案内に関する手間が煩わしかったりと様々な制約があり、現行のやり方に限界を感じてeラーニングシステムの利用を検討し始めました。

ただ集合研修を中心に教育を行っていた理由にもなってくるのですが、店舗で働く従業員が多く1人1台PCを所持・利用する業種ではないため、eラーニングでの学習が定着するのか未知数であるという懸念は大きかったです。

実際、コロナ後に昇格候補者研修の代替として導入したeラーニングサービスでは、1コンテンツの動画が数時間単位と細かく分かれておらず、「スキマ時間で受講できない」ことを課題として感じていましたね。そのため次に導入するのは、細切れになっている教育コンテンツを提供しているサービスがいいなと検討前から思っていました。

使いやすさ×コスト×受け放題コンテンツが決め手となり、8社のサービスから選定

AirCourse導入の経緯、および導入の決め手などを教えてください。

最初はネット検索や他社の人事担当者様との交流などを通じて情報収集を行い、実際に8社のeラーニングシステムを比較しました。サービスの資料等を確認し、アポイントを取って実際にお話ししたのは4社ほどでして、その中で最終的にAirCourseを導入することになります。

選定時に重要視していた項目の一つは、やはり「使いやすさ」でしたね。ユーザーとしてはもちろん、管理側としても使いやすかを見ていました。実際に無料体験をさせていただいたときに、他社のeラーニングシステムと比べてAirCourseのインターフェースがすごく使いやすく好印象だったことを覚えています。具体的には、オリジナルコース作成時にサムネイル用の画像を設定できるなど、ユーザーがアクセスするのにストレスを感じないインターフェースになっていたり、管理側としても情報のインポートやデータのCSV出力がカンタンだったりしたのは、すごくいいなと思っていました。

また企業としてeラーニングシステムを導入するので、費用面については経営層も重視しているポイントでした。ここについても他社と比較したときに、すごく明快な料金プランであるのは、経営層にも提案がしやすかったですね。受け放題の動画研修付きの「コンテンツプラス」プランと、自社で作成したオリジナルコースだけを受講する「ベーシック」プラン、それぞれ1か月あたりの料金が単純に計算できたのは助かりました。

-受け放題の動画研修「標準コース」についてのご印象はいかがでしたか?

比較検討していた他社のeラーニングの場合は、パワーポイントのスライドに講師の音声だけが入っているものが多く、それだと受講者側にしんどさがあるなと感じました。また私以外のメンバーにもコンテンツを受講してもらったのですが、同じような感想を話していましたね。

一方でAirCourseの標準コースでは、講師の顔が見える講義形式であるため、その点はとても好感を持ったのを覚えています。またラインナップも豊富でクオリティも高く、受け放題である点も最終的な決め手の一つでした。

eラーニング化のメリットを伝え、
実際にシステムを体験してもらうことで経営層の理解を獲得


導入時に苦労されたこと、注意した点などがあれば、教えてください。

大きく2点ありました。

1点目としては、全社への浸透・定着ですね。先ほどお伝えしたようにAirCourse導入以前にeラーニングは導入していたものの、対象は一部の昇格試験を控えている人だけだったのですが、AirCourseは正社員全員にアカウントを発行しようと決めていたため、最初の浸透フェーズは苦労するだろうなと思っていました。

普段の仕事ではPCをあまり使わない従業員も多いため、そうしたPC操作に疎い人でも「ここをクリックすれば、指定の動画を見れます」というマニュアルを事前に用意・配布することで、問い合わせが殺到することなく乗り切ることができました。


2点目は経営層への提案です。もともと経営層からはコロナ禍というニューノーマルな状況にも対応した教育体系を作ってほしいという要望があったため、eラーニングシステム自体を導入することは早いうちから伝えていました。

「なぜAirCourseなのか」という点で、先ほどの費用面や操作面の話はしましたが、実際に触ってもらう方が価値を感じてもらえると思い、標準コースの動画を投影し、一部を実際に受講してもらいました。

また直近での実施が急がれていた衛生教育とハラスメント防止教育について、eラーニング化することによって工数削減・生産性向上につながることや、ただ動画を視聴してもらうのではなく確認テストを受けてもらうことで知識の定着を確認でき、履歴を取れることをアピールしました。

経営層も浸透するかは半信半疑だったところもありますが、徐々に受け入れてもらえたという状況です。実際に浸透させるうえで、部署ごとに必ず視聴してほしい必須コースを決めて最初に案内したことは、定着への大きな一歩になったかなと思っています。

必須受講と推奨受講を組み合わせ、自発的に学習していく風土が根付きはじめる

現在のAirCourseの具体的な活用方法、内容などを教えてください。

最初に行ったのは自社で作成した衛生教育についてのオリジナルコースを全員必須で受講してもらったことと、元々対面で行っていた研修を標準コースで類似しているものに置き換えたことです。

後者の例としては、管理職向けに例年人事部長がハラスメント防止研修を実施していましたが、今期は「しない・させない ハラスメント研修」の受講を必須にしました。

また、人事考課と連動した施策の運用もはじめました。年に1回行っている人事考課で評価があまり芳しくなかった従業員に対して、上長が「ここが足りない」と判断した課題を補填できるような標準コースを割り当てています。

そして「この動画研修を受講して、自分はいつまでにこういうことを出来るようになります」という宣言を振り返りシートに記載してもらい、上長にサインをもらって提出する仕組みを作って運用してますが、今のところ非常に好感触です。本当に標準コースには痒い所に手が届くテーマが揃っているので、大変ありがたいなと思っています。

私自身が教育担当になって、もっと上司を巻き込んだ教育の仕組みにする必要があるなというのを常々感じていました。自身の部下が今どういう教育をどういう課題感を持って受講しているかを上司にも知ってもらい、研修で学んだことを最大限生かしていくために上司から積極的なフォローをしてもらうことが大切だと認識しています。

それがeラーニングによって実現できているのはすごくいいことだな、というのが素直な感想です。



-非常に素晴らしい活用方法ですね。他の場面でも活用されていますか?

もともとAirCourseを導入したときに、「従業員が自発的に使うシステムになったらいいな」という希望を持っていました。 そこで今年の10月から新しく始めたこととして、標準コースの一覧ページのURLを対象者全員に開示して、「何か気になるコースがあれば、こちらでどんどん登録していくので気軽に申し込んでください!」という案内を行いました。

10月は正直、数名からの申し込みしかなかったのですが、11月には人事からおすすめコースとして「正しく理解できるSDGs入門編」を紹介したところ、20名くらいから積極的に申し込みがありました。

少しずつではありますが、自発的に学習していく風土が根付き始めたのかなと感じており、今後がとても楽しみです。


スキマ時間で学べるeラーニングだからこそ、全社員に教育の機会を提供できている

■AirCourse導入・活用により、実感された効果などがあれば教えてください。

eラーニングの導入により全社員が教育(Off-JT)を受けることができているのが、一番の効果だなと感じています。

これまでの受講必須の研修は、昇格候補者や管理職などの特定の人たちを対象にしていました。実はそれ以外にも、全社員が受けられるオープンな研修は準備していましたが、自発的に受講する社員は限られてくる傾向がありました。

やはり店舗で働く従業員が多いこともあり、実地での研修となると店舗側の負担がどうしても大きくなってしまいます。また岡山や山口からでは長時間移動や宿泊の工数がかかることもあり、研修を受講することへの敷居が高くなっていたのが実情です。

しかし、eラーニングであればスキマ時間で学習が可能です。スーパーマーケットは天候によってお客様の入りが左右されるため、例えば大雨で業務に少し余裕があるときに、AirCourseにログインして学習を進めるといったことができています。従業員が自身の都合にあわせて、うまく時間を活用してくれているので、そこはすごく良かったなと思っています。

集合研修からeラーニングに変更して学習効果は変わりましたか?

集合研修よりもeラーニングの学習効果が劣っているとは感じていません。

確かに「10分のeラーニングの動画研修を数分しか視聴していない」というケースもありますが、それは実地の集合研修でも変わらないのかなと思います。研修という場にはいるものの、本当に頭に入っているのかは正直分かりませんよね。

eラーニングであれば、むしろ視聴状況や確認テストの結果が明確に分かるという側面もあるため、私自身ほぼ毎日AirCourseの管理画面にアクセスして、定期的に状況を確認するようにしています。せっかく導入したので、eラーニングを案内しただけで終わりにしたくないなという思いは強く持っています。

今後は集合研修・eラーニングそれぞれの強みをうまく活かしていきたいです。


短時間で学べるマイクロラーニング化により、受講者・経営層からも好評の声

AirCourse導入・活用による、社員、受講者の方々からのお声や、感想などがあれば教えてください。

導入後、最初に行った全従業員向けの衛生教育において、短期間で一定の知識が備わった状態をすぐに実現できたのは、社長をはじめ多くの方から好評の声が挙がっていました。

AirCourseにはコース終了時に自動的にレビューを収集できる機能がありますが、そこで実際の受講者からも「内容がとても分かりやすかった」「天候不順等で急きょ時間が空いた時に学べるのが良かった」という声が確認できています。

-導入時には半信半疑だった経営層からはどんなコメントをもらったのでしょうか?

スピード感を持って全従業員に知識を浸透させられたことを評価いただいたのは、先ほどお伝えした通りなのですが、具体的には「一つ一つのレクチャーが短時間だったのが非常によかった」というコメントがありました。

細切れの時間で知識を身につけていくマイクロラーニングを「当社の学習文化にしてほしい」といった言葉もありましたので、ここは今後も継続して実行していきたいなと考えています。

AirCourseを情報発信プラットフォームとしても活用していきたい

人材育成について、今後の展開・展望を教えてください。

標準コースにも新規コースがどんどん増えていて、ラインナップが拡大してきたこともあり、インタビュー最初にお伝えしたeラーニングサービスからAirCourseへの一本化を検討しています。

また、今は私がひとりでコース追加や管理を行っているのですが、各部署の情報発信プラットフォームとしても機能させていきたいです。

バイヤーやスーパーバイザーが「こういう売り場づくりをしたらいいですよ」「こうやって作業を進めると効率化に繋がりますよ」といった情報共有をAirCourse上で実現することができれば、AirCourseにログインして最新情報をチェックすることが日々のルーティンになっていくのではないかと期待しています。

一般的なビジネススキル・マネジメントスキルだけでなく、そうした実務に即したところもオリジナルコースを駆使して展開できたらいいなと思っています。

そういった観点で、来期はオンラインでの研修とeラーニングとをハイブリッドで組み合わせた形で昇格候補者研修を行っていきたいと考えており、「研修コース」機能もフル活用していきたいです。