受講者と講師の双方にとってwin-winの教育環境をeラーニングで構築

集合研修では難しかった、多様な働き方をしている社員に平等な学習機会を届ける

フジ産業株式会社
AirCourse活用事例

フジ産業株式会社
人事総務部
人事企画グループ
林 真紀 氏 (写真左)
フジ産業株式会社
取締役
コーポレート本部長
秋山 直樹 氏(写真右)

  • 産業給食/メディカル給食/学校保育園給食を提供する「食のスペシャリスト」
  • 集合研修のeラーニング化や階層別研修における事前課題として活用
  • 見やすい、分かりやすいコンテンツ作成を心掛けた受講者ファーストの工夫

お客様の環境とニーズに応じて、最適な給食をご提供

御社の事業・サービス内容、ご担当者様の業務内容を教えてください

コントラクトフードサービス事業です。大きく分けるとオフィスや工場、研修所等の食堂・レストランに提供する産業給食、病院や福祉施設向けのメディカル給食、小・中学校(公立)や保育園(公立・私立)向けの学校保育園給食をご提供しています。

2014年3月に豊田通商株式会社(トヨタ自動車系総合商社)のグループとなり、豊田通商流の多種にわたる方針や考え方、ノウハウを取り入れて運営しています。

弊社の特色は、東京23区の公立小学校・中学校の給食受託率が高いこと、ISO9001-2015を用いた事業所管理手法を採り入れていることです。また、静岡県三島の自社工場で、給食提供現場の人手不足という課題解決を実現する、クックパック(完全調理済み食材)の製造を行っていることも特色の一つです。

これからも時代の変化に対応する商品・サービスを研究開発し、お客様へ提案してまいります。

研修・教育に関する業務は、人事企画グループにて3人体制で進めています。具体的には研修やeラーニングの企画から実施・運営、管理まで一気通貫で担当しています。

集合研修に限界を感じ、OFF-JTと自己啓発の強化をすべくeラーニングの導入を検討

■ AirCourse導入前の状況や抱えていた課題を教えてください。

事業所が国内各地に点在しているため、集合研修には限界があり、OFF-JTと自己啓発の強化が課題でした。

各事業所で働く社員は勤務する時間帯や曜日が異なります。例えば、福祉施設では365日3食分が必要であり、工場であれば交代制の勤務であるなど、全員が同じ時間に集まるのは難しい業態です。

そのため、皆が同じ情報を同じように学んでもらうため、交代で研修に出てもらうなどの工夫もしていましたが、オペレーションコストや受講者側の負担など様々な理由から集合研修での完全参加は厳しかったです。

さらに新型コロナウイルスの感染拡大が相まって、研修動画を撮影して社内サーバーにアップしたり、Zoomを活用したオンライン研修の内製化を少しずつ進めたりしていましたが、限られたマンパワーで教育メニュー不足を解消するのはどうしても困難でした。

そうした背景からeラーニングシステムの導入検討をはじめることになりました。

既存コンテンツの豊富さ×使いやすさ×コストパフォーマンスが決め手でAirCourseに決定


AirCourse導入の経緯を教えてください。

まず、以下3つを実現できることを条件としてeラーニングシステムを探しました。

・シフト勤務の社員も含め、社員が社内研修をいつでも受けられるようにする
・受講履歴を管理できるテレワーク環境下での教育体制を整備する
・内容を定着させ現場でも実践してもらうために、受講者が振り返り学習をできる環境をつくる

条件を満たすサービスとして、最終的にAirCourseを含めて3社に絞り込んだうえで、機能面やコスト面で比較検討を行いました。機能面で求めていたのは「自社オリジナルコースのアップロード」「アンケート」「受講管理」でしたので、機能では3社に大きな差はありませんでした。


-そのような状況からAirCourseをお選びいただいた決め手はどこにありましたか?

最終的にAirCourseを選んだのは受け放題の既存コンテンツが豊富で、早期に社員教育を開始できる点が際立っていたからです。AirCourse導入前に抱えていた課題でお話しした通り、教育メニュー不足を感じていたため、幅広い動画研修が導入後すぐに利用できるのは内製コンテンツだけでは賄えない、自己啓発に役立つという点でも魅力的でした。

また、使いやすいユーザーインターフェースと利用しやすいコストパフォーマンスも決め手になりました。

オンライン化に慣れるまでの問い合わせ対応に一苦労


導入時に苦労されたこと、注意した点などがあれば、教えてください。

導入当初に苦労したのは、ログイン方法や受講方法に関するお問い合わせが発生したことです。

当社では幅広い年代の社員が在籍しており、ITリテラシーにも差があります。もともと集合研修を中心に社員教育を行っていたこともあり、クラウド上のシステムにIDとパスワードを使ってログインする機会もありませんでした。

導入時にはZoomを活用した説明会を実施したり、社内にお知らせを出したりしたものの、 いくつかお問い合わせが発生し、工数がかかってしまったのは少し苦労しました。

その一方で社員の皆様からeラーニングを導入したこと自体への不満の声が上がることはなく、「きちんと勉強しないといけないんだ」という思いで、しっかり受講してくれています。

お問い合わせ自体も導入初期には発生したものの、今では少なくなっており、オンライン化に慣れてもらうという意味で一つの壁を越えたと感じています。

集合研修のeラーニング化や階層別研修の事前課題としてフル活用

現在のAirCourseの具体的な活用方法、内容などを教えてください。

まず、毎年開催している安全衛生講習会をeラーニング化することで、全社員が受講できるようになりました。これまでは各支店で1‐2回ずつ集合研修を実施し、できる限り多くの人が参加できるようにしていましたが、それでも全員が受講するのは難しい状況でした。

eラーニングであれば、受講履歴を確認し、受講していない人へのリマインドも行えるので、受講すべき人に全員受講を徹底させられる点で非常に役立っています。

その他にも若手育成研修の事前課題に動画学習を取り入れたり、昇格者研修などの階層別研修で受講必須のものをオンライン化したりと、様々な場面で活用しています。

-具体的にどういった研修で動画学習を取り入れていますか?

1年目社員向けに実施している「傾聴力」をテーマにした研修でも動画学習を取り入れました。

1年目社員は来年度に新入社員が入ってくると自身が先輩社員になり、後輩の指導や相談を受ける機会が増えます。例えば自身が忙しいときに後輩から声をかけたらどういう反応をするとよいのか、などを研修で学びます。

そこで事前課題用のコンテンツとして、声を掛けられたときの現場での良い例/悪い例の寸劇動画を作成しました。その動画を事前課題として視聴してもらい、Zoomでのオンライン研修では動画を解説する反転学習形式で行っています。

受講者側に事前に少し時間を取ってもらう必要はあるものの、研修の質を高めていくために今後も継続していく予定です。

受講者目線での「見やすい」「分かりやすい」コンテンツ作成を重視


■ AirCourseの運用で工夫しているポイントがあれば教えてください。

内製で動画コンテンツを作成する際は、「見やすさ」「分かりやすさ」にこだわっています。

各事業所の社員は常に忙しく働いているため、eラーニングを受講する際、まとまった時間を確保するのが困難です。そのため、チャプターごとに10-15分程度の動画に分ける(マイクロラーニング化)ことで、少しずつ無理のない学習ができるように工夫しました。

また、講義に使用した資料を添付し復習しやすくすることで、より学習効果が高まるようにしています。

動画コンテンツはどのように作成されていますか?

先ほどお話しした寸劇動画はスマホで撮影し、編集ツールを活用してテロップを入れ、受講者が見やすくなるようにしました。その他の動画はZoomの録画機能を活用したり、PowerPointに音声を吹き込んだりして作成しています。

受講者目線では動画に工夫がないと退屈してしまう人も出て来てしまうので、今後はコンテンツのクオリティにもこだわっていきたいです。

受講者と講師、双方からポジティブな声が上がるwin-winの教育環境に


AirCourse導入・活用により、実感された効果などがあれば教えてください。

eラーニングを活用することで、講師側は講義の負担が軽くなり、受講者側はいつでも受けやすいというwin- winの環境を整備できたと感じています。

実際に受講する社員からは、「会場に行かなくても受講できる」「空いた時間に受講できる」といった声をもらい、オンラインならではの便利さを感じてもらえている実感があります。また動画を倍速で見られる機能は、時間のない社員から受けやすいと好評です。

管理側では受講履歴を確認して「誰が受講していて、誰が未受講なのか」をすぐに把握できる機能は、とても役立っています。

忙しい社員にも学習機会を提供するためにオンライン化をさらに推進

人材育成について、今後の展開・展望を教えてください。

AirCourseについては、オリジナルコースは活用できているものの、標準コースはまだ受講率があまり高くなく、ちょっとした空き時間で自らコースを探して勉強するといった、自己啓発の意識を全社に根付かせていきたいです。

またコロナ禍の影響もあり、各種対応に追われて忙しい社員が多い状況です。だからこそ、業務に支障が出ない形で人財育成をしていくためにも、研修のオンライン化をさらに進めていきたいと考えています。

「この会社で働くと成長できる」と社員に感じてもらい、「フジ産業で働いている人は優秀だよね」と社内外から評価いただけるよう、今後も教育に力を注いでいきます。