大規模企業でのeラーニング導入に役立つ「組織階層機能」の活用法

<この記事は2020年5月26日開催のWebセミナーの内容を元に作成したものです>

本セミナーの背景と内容

本日はWebセミナーにご参加いただきまして誠にありがとうございます。本日は、『大規模企業でのeラーニング導入に役立つ「組織階層機能」の活用法』と題しまして、お話をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 最初に、今日のセミナーを企画した背景を少しお話しさせていただきます。当社はeラーニングを10年以上専業で行っている会社でございます。法人様向けにはAirCourseという社員教育用のeラーニングのクラウドサービスをご提供しておりますが、この1、2年ぐらい引き合いがかなり増えてきておりまして、特に大規模な企業さまでのご導入が非常に増えてきております。大規模企業では、特有の課題がありますので、AirCourseでは大規模企業向けの機能を強化しております。

 その一環として、AirCourseでは先日、今日お話するテーマである「組織階層機能」をリリースいたしました。この機能は、どう使うかが非常に大事になります。今日のセミナーでは、大規模企業でのeラーニング導入のポイントを踏まえて、当機能のご紹介と、大規模企業での管理を楽にするような使い方をご説明させていただきたいと思います。

 それではセミナーの内容です。最初に、大規模企業でのeラーニング導入のポイントをご説明します。eラーニングを導入する際の大規模企業で特有の課題と、課題の解決法をご紹介させていただきます。

その上で、まずは当社のeラーニングシステムAir Courseの一般的な導入手順をお話しさせていただきます。

後半では、組織階層機能という新機能のコンセプトをご紹介させていただいたうえで、実際の使い方について、画面をデモでお見せしながらご紹介していきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

大規模企業でのeラーニング導入のポイント

eラーニングのメリット

最初に、eラーニングの全般的なメリットを皆さまと共有させてください。

1点目は場所を選ばず受講できるというメリットです。昨今大きな問題となっている新型コロナウィルス感染拡大の状況の中で、テレワーク、特に在宅勤務の方が非常に増えております。そういった中、集合研修が行いにくい、在宅勤務中の社員の教育をどうしたら良いのかわからないといったご相談を多く受けています。今、eラーニングが社員教育手段として注目を集めているわけなのですが、eラーニングでは、在宅ももちろん、モバイルワークやサテライトオフィス等、さまざまな場所で学んでいただくことができます。

また、いつでも受講できるということです。

集合研修ではどうしても時間が拘束されてしまいますが、eラーニングでは、すきま時間や、業務の合間、移動中、通勤中、あるいは急遽研修をやらなければいけないといった時にも対応できます。

そして、大きなメリットとして、eラーニングでは一度作成すれば何度でも繰り返していただけます。

集合研修では、毎回、人が研修を実施しなければならないため、それと対比するとメリットというのを実感していただけるのではないかと思います。つまり、集合研修を撮影しておけば、それを何度でも繰り返して配信できるということです。新入社員や中途社員が入社してくるたびに毎回研修を実施するのは大変ですが、eラーニング化しておけばこれを自動化することができます。例えば、コンプライアンスやビジネススキルといった研修や、業務の手順を動画化してeラーニングで提供することができます。このように学びを「コンテンツ化」することができるというのがeラーニングのメリットになります。

そして最後に、集合研修に比べて費用が安いというメリットがあります。集合研修では、講師を呼んだり、場所を確保したり、受講者に遠方から来てもらうための費用や時間も結構かかります。また、時間というのもコストになります。それに対して、eラーニングは、いつでもどこでも何度でも受けられますので、一般的には費用がかなり安くなります。

これらのメリットから、大規模企業では以前からeラーニングを活用している企業さまは多いと思います。古くは2000年代ぐらいに一度eラーニングのブームもありましたが、その当時導入されたのは大規模企業が多かったと思います。ただ最近は、そういった企業さまでもクラウド型のシステムに移行したり、従来の静的なコンテンツを動画化するなど、eラーニングシステムの移行を進められている会社さまが多いと感じております。

大規模企業での典型的なeラーニング活用法

 次に、大規模企業での典型的なeラーニングの活用法です。これは私どもがいろいろな企業さまに導入を支援させて頂く中で、よくお見受けする典型的な例を4つほどご紹介させていただきます。

まず、最近多いのはテレワーク化により集合研修ができなくなったため、集合研修をeラーニング化するという使い方になります。そしてコンプライアンス教育。これは大企業であるほど非常に重視されている印象がございます。そして、現場の業務手順の教育です。これもテレワーク化した今の業務状況の中で、OJTが行いにくいという声が多く、業務手順をeラーニング化していこうという動きが最近はよく見られています。そして大規模企業では、企業グループの中で、本社だけではなくて子会社、関連会社、あるいは重要な販売代理店なども一つのグループと考えて、そこの中で教育を進めていこうという動きがあります。この4つをそれぞれ見ていきたいと思います。

1.集合研修のeラーニング化

 まず、集合研修のeラーニング化です。これは今非常に多く行われている手法です。テレワーク化により、集合研修が行いにくい状況になっていますので、集合研修の代わりに講師の方が1人で講義を行って撮影をして、動画化して社内に配信していくという方法になります。

これはいろいろな使い方があります。例えば、入社時の研修や、階層型の研修、その他様々な研修について、全てこのeラーニング化が可能です。

また100パーセントをeラーニングで教育するのではなくて、集合研修とeラーニングを組み合わせていく企業さまも多く見られます。これは「ハイブリッド型」と呼ばれています。例えば、知識の習得はeラーニングで十分できるため、eラーニングでまず知識編を予習しておき、集合研修の中では集合研修でしかできないようなディスカッションやグループワークを集中的に行うのは、非常に良い方法かと思います。また、集合研修を行った後のフォローアップをeラーニングで行っているという会社さまも増えております。集合研修の様子を動画で撮っておき、後でeラーニングによる復習に使ったり、集合研修の中で各受講者に研修後の課題を出しておいて、後日eラーニングシステムを使って課題を提出し、講師がそれに対して個別にフォローアップすることで研修の後の知識の定着を図っていくという方法もあります。

 この集合研修のeラーニング化のメリットは大きいです。まず、遠隔地や在宅の社員の教育ができるというのが現状非常に役立ちます。また集合研修に比べ移動にかかる時間などが必要ありませんので時間削減になります。また、教育研修部門の研修実施の負担を軽減できます。さらに、研修コストを削減できます。さらに、集合研修の「ストック化」ができ、資産として再利用可能になります。また、集合研修だけだと教育が必要な全ての人を教育するのは難しかったりします。特に支社や店舗のスタッフや、忙しい営業部門の方等はなかなか集合できません。そういった教育が必要な全ての人を底上げできるのが、この「集合研修のeラーニング化」のメリットになります。

2.コンプライアンス教育

 次のテーマはコンプライアンス教育です。これはおそらく皆さまの会社でも何らか実施されていると思います。eラーニング導入では、まずこのコンプライアンス教育を行おういという会社さまは非常に多いです。コンプライアンス教育をeラーニングで行う場合には、知識のインプットだけではなく、テストで理解度をチェックできるというのがメリットになります。コンプライアンス教育では、全員が確実に理解したかどうか確認する必要がありますので、テストで理解度をチェックできるeラーニングが向いています。

コンプライアンス教育のテーマとしては、情報セキュリティ、ハラスメント、インサイダー教育、あるいは就業規則や業務ルールの徹底、業界特有の法令などが多いと思います。

 コンプライアンス教育をeラーニングで行うメリットとしては、必ず徹底しなければならない教育を漏れなく全員に行えるというのがメリットになります。そして先ほどお話したように受講記録やテスト履歴を残すことができます。テストに合格しなかった人や理解度が低い人に対して、個別にフォローアップして指導していくことが可能になります。

3.現場の業務手順の教育

 3点目の活用テーマは「現場の業務手順の教育」です。これは最近eラーニングで増えている使い方になります。現場の業務手順についての動画を撮り、配信する方法になります。

従来の文書で作られていたマニュアルよりも、動画にした方が分かりやすいというのがメリットになります。最近は、YouTubeなどを見て情報収集するのが一般的になってきたと思います。一方で、長い文章を読むのは徐々に敬遠されている傾向があります。特に、動作を伴う業務や、画面の操作などは動画にした方が文章よりも圧倒的に分かりやすくなります。

また、外国人スタッフを採用されている会社さまもいらっしゃると思うのですが、日本語の文章でのマニュアルでは理解が難しいものでも、動画化すると見ていただいて真似をすることで習熟していただける形になります。

 現場の店舗などでは、全員分のパソコンがない場合もあると思います。しかし、動画で配信するという方法であれば、スマートフォンやタブレットでいつでもどこでも受講していただけますので、店舗などのスタッフにもれなく教育することがやりやすくなります。

コンテンツの作成については、手間がかかると思われがちですが、簡単に作成する方法もあります。一番簡単なのは、お持ちのスマートフォンのカメラで業務の様子を撮影し、それを共有するという形です。もう少し手間を掛けるのであれば、撮影した動画に対してポイントについてテロップを入れたりすると、より分かりやすくなります。動画編集は、市販の動画ソフトで安いものがありますので、ちょっとした編集をするだけでより分かりやすいコンテンツになります。

4.グループ会社・代理店等への教育

 最後の活用法は、グループ会社、代理店等への教育になります。当社のお客様でも大規模企業になりますと、グループ会社向けの教育を行っていきたい、あるいは代理店向けに教育を行っていきたいといった会社さまが多いです。eラーニングですと、こういった自社ではない、代理店、パートナー企業などへの教育も効率的に行うことができます。

従来の集合研修では、どうしても本社スタッフが中心になりがちでしたが、営業上、教育のインパクトが大きいのは現場だったりします。ですので、現場の販社ですとか代理店のスタッフに教育によって影響を与えられるかどうかというのが事業上重要になってきます。

そして、集合研修ではなかなかタイムリーに最新の情報を提供するのが難しいですが、eラーニングでは、例えば新しい商品・サービスが出た時に、その商品・サービスの紹介方法などを動画にしてすぐ配信するということが可能になります。

こういった教育を通じて、企業グループ全体での人材の底上げを行い一体感を作り出していく。このようなことを、eラーニングを活用して行っていくことができます。

ABOUTこの記事をかいた人

綾部貴淑

KIYOラーニング株式会社 代表取締役 東京工業大学情報科学科卒。外資系ソフトウェア会社、ITコンサルティング会社を経て、KIYOラーニング株式会社を創業。効率的な学習法を研究し、2008年にオンライン資格講座「スタディング(旧「通勤講座」)を開講、忙しい社会人でもスマートフォンで効率的に学べる講座として人気を博し、2020年2月現在で講座数26、累計受講者数6万人を超える。 2017年に社員教育クラウド「AirCourse」をリリース。受け放題の動画研修コースと、簡単に自社コースが配信できる利便性により、大企業~中小企業まで幅広い層の企業に導入されている。 現在は、人や組織の能力を最大に引き出すために、AIを使った学習の効率化に力を注いでいる。