研修アンケート作成のコツを大公開(無料テンプレート付き)

本コラムは、研修後に実施するアンケートを効果的に運用したい研修企画担当者のために、研修アンケート作成に必要な知識とノウハウをお伝えします。

“効果的な研修アンケート”にeラーニングを活用してみませんか?

役職やスキルにあわせて階層ごとに必要な知識を身に着けてもらう研修アンケートでは、一人ひとりにあった最適な研修プログラムの提供が大切です。企業を取り巻く流動的な環境にあわせた適切なプログラムの配信など、効果的な研修アンケートの実施には、eラーニングの活用がおすすめです。

eラーニングシステムを活用すれば、時間や場所に縛られることなく学習でき、常に最新の情報にアップデートした学習コンテンツを提供できるため、研修アンケートだけでなく従業員のリスキリングなど幅広く導入されています。

『eラーニング導入・活用 完全ガイド』では、効果的な社員研修や人材育成にご検討中の人事・教育担当者に向けて、eラーニングの基本から運用のコツなど、導入事例を交えて詳しく解説しています。

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なぜ研修アンケートが必要なのか

研修やセミナーの受講後に、アンケートへの協力を依頼された経験がある人は多いと思います。受講者の記憶が鮮明な受講直後に実施するアンケートは、研修企画担当者にとって2つの理由から非常に重要なデータとなります。

1)研修実施効果の把握

実施した研修が受講者にとって

・有意義だったかどうか
・今後の実務にどのくらい役立ちそうか

などを把握することができます。

2)研修改善点の把握

受講者の今後の実務に役立つ研修を企画するために、受講者の意見は欠かせません。

・時間配分は適切だったか
・講義と演習のバランスは適切だったか
・講師の教え方は適切だったか
・今後の実務に活かせる内容だったか

など、受講者の率直な意見や感想を引き出すことができます。

研修アンケートを作成するコツ

研修の目的は「習得した知識や技術、ノウハウなどを実務で実践して成果につなげること」です。

研修アンケートは研修満足度の把握だけでなく、研修で習得した知識や技術、ノウハウなどを、実務での実践にどうつなげていくかも意識する必要があります。

研修アンケート設計のポイントは2つです。

ひとつは研修受講の効果を受講者に再認識してもらうこと。
もうひとつは研修効果を高めるアイデアを集めることです。

まずは研修受講の効果を受講者に再認識してもらうために、受講した研修が「価値ある時間だった」「役に立ちそうだ」「今後の実務に活かせそうだ」と感じてもらえるような問いを設定します。次に研修効果を高めるアイデアを募る問いを設定します。

設問を作るときに心がけたいのは、引き出したい答えから逆算して考えることです。
まずは、どんな答えを受講者から引き出したいかを明確にしましょう。

研修アンケートの設問例

①研修へ参加する前に悩んでいたことは何ですか?

この設問は受講者が仕事で抱えている悩みを引き出すのが狙いです。
研修が持つ役割のひとつとして、受講者が抱えている課題の解決があります。

この設問の答えには、受講者が抱える仕事上の悩みだけでなく、新たな研修企画のヒントが隠れていることもあります。

②研修に参加して何を得ることができましたか?

この設問は受講した研修の成果を自分の言葉で具体化してもらうのが狙いです。

・問題解決に対する新たな視点を得ることができた
・新たな分析手法を学ぶことができた
・今後、同じような問題に遭遇したときに研修で教わった●●をやってみたいと思った

など研修を受講して、どんな知識や技術、ノウハウが実務で活用できそうだと感じたかを自分の言葉で具体化してもらいましょう。

③研修で学んだことを活かして今日からどんな行動をしますか?

この設問は受講した研修を今後の実務にどう活用していくかを考えてもらうのが狙いです。

どんなに内容が充実した研修であっても、「いい話を聴いた」で終わってしまっては実務での成果につなげることはできません。実務で今まで以上の成果を出すために必要なのは行動を変えることです。

設問に「今日から」と記載したのは、行動のハードルを下げるためです。この質問で筆が止まっている受講者がいたら、「小さなことでよいので、今すぐできること」を思いつく限り書いてもらえるように促しましょう。

④今回の研修を100点満点で採点すると何点ですか?

研修の満足度を確認する場合、よくあるのは5段階の選択式です。

例)研修満足度

5:たいへん満足した
4:満足した
3:どちらとも言えない
2:やや不満だった
1:不満だった

例)研修理解度

5:とても理解しやすかった
4:理解しやすかった
3:どちらとも言えない
2:やや理解しにくかった
1:理解しにくかった

なぜこの設問を5段階の選択式にしなかったかというと、受講者の本音を引き出すことが難しいと考えたからです。

多くの日本人は極端な評価を提出することを避ける傾向があります。

例えば満足度が高かったら「4」、満足度が低かったら「2」、可もなく不可もなかったら「3」といった感じで、おおむね好評な研修だと5段階で3.5くらいの評価が大半となります。

「100点満点で」と問いかけることで、回答の幅を広げて受講者の正直な評価を引き出すのが狙いです。

⑤研修の運営に関して、ご意見ご要望ございましたら、教えてください

この設問は、事前案内や研修環境、所要時間、研修の進行など研修の運営で感じた不満や違和感を引き出すのが狙いです。

この設問の回答を踏まえて研修運営を改善することで、受講者にとって快適な受講環境を整えることができます。

⑥今後、受講したい研修のテーマを教えてください

この設問は受講者の研修に対するニーズを引き出すのが狙いです。

この設問の回答を踏まえてカリキュラムを改善することで、より受講者ニーズの高い研修カリキュラムを提供することができるようになります。

研修アンケートテンプレート

(情報入力なし)Wordファイルで無料ダウンロード

今回ご紹介するテンプレートは、タイトルを「研修アンケート」ではなく「成果確認シート」としました。

その理由は本シートに記入するのが単なる研修の感想ではなく、研修受講の成果を再認識してもらうために記入するという意識づけのためです。

今回は研修受講後のアンケート作成に必要な知識とノウハウを紹介しました。研修主催者が明確な意図を持って作成した研修アンケートは、研修受講効果の向上に貢献することができます。

研修アンケートのフォーマットは一度作ったら終わりではなく、受講者の反応を踏まえて改善を加え、研修受講効果を向上するツールとして活用してみてはいかがでしょうか。

“効果的な研修アンケート”にeラーニングを活用してみませんか?

役職やスキルにあわせて階層ごとに必要な知識を身に着けてもらう研修アンケートでは、一人ひとりにあった最適な研修プログラムの提供が大切です。

また、企業を取り巻く流動的な環境にあわせた適切なプログラムや、定期的なコンテンツのアップデートが欠かせません。

そのため、効果的な研修アンケートを実施するためには、eラーニングの活用がおすすめです。

オンラインで学習できるeラーニングシステムを活用すれば、より広範囲な人材のスキルアップや教育の均質化を実現できます。

時間や場所に縛られることなく、また、最新の情報に常にアップデートして学習コンテンツを提供できるため、研修アンケートだけでなく従業員のリスキリングなど幅広く導入されています。

『eラーニング導入・活用 完全ガイド』では、効果的な社員研修や人材育成にご検討中の人事・教育担当者に向けて、eラーニングの基本から運用のコツなど、導入事例を交えて詳しく解説しています。

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ABOUTこの記事をかいた人

大谷更生総合研究所合同会社:代表社員、問題整理の専門家 新潟県出身。明治大学商学部卒業後、KDDIで18年間システムエンジニアとして勤め、2010年に独立。KDDIでは主に総勢数百名の大規模システム開発プロジェクトの全体調整やシステム設計を担当。現在は問題整理手法、仕事のダンドリ、報連相を始めとするビジネススキル全般、売れ続ける仕組み構築に関する講師やコンサルティングを行っている。