管理職への昇進は、ビジネスパーソンにとって大きな転換期です。
これまで培ってきた専門スキルや担当者としての経験は、必ずしも管理職として活かせるわけではありません。むしろ、これまでの仕事の進め方や考え方を変えていく必要性に迫られるでしょう。
多くの新任管理職は、具体的な業務の進め方や効率化、品質向上といった「手段」に意識が集中しがちです。
しかし、管理職には、チームの現状を分析し、課題を発見・定義した上で、解決策を実行していくという、より俯瞰的な視点が求められます。
【担当者と管理職の違い】
担当者 | 管理職 |
---|---|
指示された業務を効率的・正確にこなす | チームの目標達成のために、メンバーをまとめていく |
個人の成果が評価される | チーム全体の成果が評価される |
専門知識・スキルが求められる | リーダーシップ・マネジメントスキルが求められる |
このように、求められる役割が大きく変わるため、多くの新任管理職は戸惑いを感じています。この記事では、管理職として成果を上げるために必要なスキルや、効果的な研修設計のポイントについて解説します。
人材育成を成功に導く「最新育成モデル」を活用しませんか?
人材育成を成功に導くためには、育成過程の注力ポイントを知り、必要な成果に向けて適切なステップと育成スキームを選択することが重要です。
KIYOラーニングでは、「人材育成で大切な8つのこと」を仕組みでカバーできる『デジタル時代の人材育成モデル』をお届けしています。
社員が成長し、最終的に成果をあげるまでに必要な施策とその流れをモデル化したものになりますので、自社の状況と照らし合わせて育成方法を検討したい方はぜひご活用ください。
管理職育成のよくある課題
管理職の育成には様々な課題が伴います。よくある課題としては、以下の4点が挙げられます。
- 管理職としての自覚がない
- 管理職に必要な知識・スキルが身についていない
- 部下育成に時間をかけられない
- チームビルディングができていない
管理職としての自覚がない
管理職に昇進したものの、以前と同じような働き方をしていては、部下やチームをまとめることができません。管理職には、経営者視点に立ち、事業戦略を理解し、部下を育成し、組織文化を醸成するなど、多岐にわたる役割が求められます。
ところが、多くの新任管理職は、これらの役割を十分に理解しないまま、以前と同じ働き方を続けていることが多いため、「管理職としての自覚がない」状態に陥っているケースが多いです。
具体的に「管理職としての自覚がない」状態とは、どのような状態でしょうか?
以前の働き方 | あるべき姿 |
---|---|
自分軸で考える | 組織軸で考える |
指示された業務をこなす | 事業戦略を構想する |
個人で成果を出す | 部下の育成を行い成果を出す |
与えられた役割をこなす | 組織文化の醸成に携わる |
このように、管理職には、以前の働き方から脱却し、組織全体を動かす存在になる必要があります。
自分軸で考え行動していた際には「自分が成果を出すにはどうすればいいのか?」といった問いを立てていたはずです。しかし、管理職になった際には「組織が成果を出すにはどうすればいいのか?」という問いにシフトしていく必要があるのです。
また、事業戦略を理解し、経営陣のビジョンを部下に伝え、チーム全体をまとめていく必要もあります。
これらの役割を理解し、実践していくことで、管理職としての自覚が芽生え、チームをまとめ、成果を出し、組織に貢献できる管理職へと成長できるでしょう。
管理職に必要な知識・スキルが身についていない
管理職に求められるスキルは多岐に渡り、階層によっても異なります。部長クラスであれば経営的な視点、課長クラスであれば現場リーダーシップなど求められるものが違います。
個々の管理職の経験や知識レベルも異なり、すべての管理職が必要なスキルを身につけているとは限りません。
部長層は、経営陣の視点で物事を捉え、企業全体を俯瞰する能力が求められます。また、最新の経営知識を学び、それを部門の戦略に落とし込むスキルも重要です。
組織文化を形成する上で、模範となる行動を示し、多様な意見や環境変化にも柔軟に対応できる「知性」も必要です。
課長層は、チーム運営や部下育成、進捗管理、目標達成といった現場リーダーシップが求められます。全ての管理職に共通して求められるのは、コミュニケーション能力、問題解決能力、意思決定能力です。
これらのスキルを身につけている管理職はそう多くないため、研修等を通してスキルアップを図ることが重要になります。
部下育成に時間をかけられない
中小企業の管理職は、プレイヤーとしての実務とマネージャーとしての役割を兼任するプレイングマネージャーが多く、部下の指導・育成に十分な時間を割けないという課題を抱えています。
課題 | 詳細 |
---|---|
業務過多 | プレイングマネージャーとして多くの実務を抱えており、部下の指導・育成に時間を割くことが難しい |
社長との距離が近い | 社長から直接指示や指導を受ける機会が多く、社長の意向を汲み取った上で業務を進める必要がある |
マネジメントの仕組みが未整備 | 組織運営のルールや個人の役割が明確になっていないため、管理業務に負担がかかる |
これらの要因が重なり、管理職は自分の業務で手一杯になり、部下の育成に手が回らないという悪循環に陥っています。結果として、部下のスキルアップが遅れ、組織全体の生産性低下につながる可能性があります。
この問題を解決するには、管理職の業務負担を軽減するための業務分担の見直しや、明確な目標設定と評価制度の導入、そして効果的な育成ツールの活用が重要です。
チームビルディングができていない
チームビルディングとは、チームの力を最大限に発揮できるよう、チームの状態を構築していくことです。しかし、多くの企業でチームビルディングはうまく機能していないのが現状です。
チームビルディングがうまくいかない理由として下記のような点が挙げられます。
理由 | 説明 |
---|---|
目標が抽象的 | チームの目標が漠然としていると、メンバーはどこに向かって進んでいけば良いのかが分からず、力を発揮できません。具体的な目標設定が必要です。 |
役割が曖昧 | 各メンバーの役割分担が不明確だと、責任の所在が曖昧になり、作業の重複や抜け漏れが発生します。個々の役割を明確にすることが重要です。 |
主体性がない | メンバーが指示待ちの状態では、チームビルディングの効果は期待できません。メンバー一人ひとりが主体的に行動し、チームに貢献しようとする意識を持つことが重要です。 |
これらの問題を解決するためには、まずチームの目標を明確に設定し、メンバー全員で共有することが重要です。次に、各メンバーの役割と責任を明確にし、それぞれが自分の役割を理解できるようにします。
そして、メンバーが主体的に行動できるよう、積極的に意見を出し合い、互いに協力し合う環境を構築していく必要があります。
管理職研修の必要性
管理職は、チームや組織をまとめ、目標達成に導く重要な役割を担っています。しかし、管理職に必要なスキルや知識は、プレイヤーとしての実務経験だけでは十分に身につかない場合が多く、研修による育成が不可欠です。
管理職には、以下のような多岐にわたる能力が求められます。
必要な能力 | 具体的な内容 |
---|---|
チームマネジメント | チームをまとめ、目標達成のための戦略策定と実行 |
部下育成 | 部下の指導・育成、スキルアップ支援 |
関係各所との連携 | 他部署との調整、情報共有、協力関係の構築 |
マネジメント業務とプレイヤー業務のバランス | 複数業務の効率的な管理と遂行 |
公平な評価と面談 | 部下への適切な評価と、成長を促す面談の実施 |
これらの能力を効果的に発揮するには、体系的な知識と実践的なスキルが必要です。
管理職研修は、これらの能力開発を支援し、組織全体の生産性向上に貢献します。また、管理職研修は、多くの管理職が抱える以下のような悩みの解決にも役立ちます。
- チームの目標設定や方向性の明確化
- 部下育成における適切な指導方法
- 多忙な業務におけるマネジメント業務とプレイヤー業務のバランス調整
管理職研修を通じて、これらの課題を克服し、組織をより良く導くためのスキルを習得することができます。
管理職研修で扱うべき内容・テーマ例
管理職研修では、企業の課題や育成したい管理職像に合わせて適切な内容・テーマを選定することが重要です。管理職研修で扱うべき内容・テーマ例を以下に記載します。
テーマ | 概要 |
---|---|
ビジョニング | 企業理念・経営方針への理解を深め、仕事のミッション(使命)・ビジョン(将来像)・バリュー(行動規範)を伝える |
チームエンゲージメント | 管理職と部下のエンゲージメントを高め、生産性向上を目指す |
動機付け | 部下のやる気を引き出し、自主的な行動を促進する |
プロセスマネジメント | 業務プロセスを分析し、ヒューマンエラーを減らす |
権限移譲 | 適切な仕事の任せ方を学び、部下の成長を促進する |
目標管理(MBO-S) | 部下とともに目標を設定し、やらされ感を減らす |
コーチング | 部下の成長を支援するコミュニケーションスキル |
職場課題分析 | 問題意識を醸成し、職場環境の改善につなげる |
ハラスメント対策 | ハラスメントの防止策を理解し、適切な対応を学ぶ |
これらのテーマ以外にも、リーダーシップ、コミュニケーション、タイムマネジメント、問題解決能力など、様々なテーマが考えられます。これらのテーマを組み合わせ、自社に最適な研修プログラムを構築することが重要です。
効果的な管理職研修の設計方法
管理職研修を設計する際には、現状の課題を明確化し、目指すべき管理職像を具体的に定めることが重要です。
その上で、研修内容を決定し、効果的な育成方法を検討します。研修後も継続的なフォローアップを行うことで、研修の効果を最大化することが可能です。
課題の提出
研修の効果を最大化するためには、研修前に現状の課題を明確にする必要があります。課題を特定し、その課題を解決するために研修で何を学ぶべきかを明確にすることで、研修の効果を高めることができます。
研修の目的を明確にすることで、受講者は研修内容に集中でき、研修後も学んだことを実践する意欲を高めることができます。
課題を提出する際には、以下の4つのポイントを意識しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
普段の業務でうまくいかないこと | 具体的な業務内容を記載します。 |
うまくいかない原因 | なぜうまくいかないのか、具体的な原因を分析します。 |
研修を通してどうなりたいか | 研修を通してどのような自分になりたいかを明確にイメージします。 |
研修で何を学ぶべきか | 研修で何を学ぶべきかを具体的に考えます。 |
これらのポイントを整理し、上司に提出することで、上司と部下の間で研修の目的を共有することができます。
また、上司は部下の課題を把握することで、研修後に適切な指導やサポートを行うことができます。部下は上司の期待を理解することで、研修へのモチベーションを高めることができます。
求める人物像の確立
人材育成を成功させるためには、育成対象者に求める人物像を明確に定義することが不可欠です。目指すべき人物像が定まっていないままでは、効果的な育成は難しく、期待する成果を得ることはできません。
求める人物像を明確にすることで、育成の目標設定や評価基準が明確になり、育成担当者と育成対象者双方にとっての共通認識が形成されます。
育成対象者も目指すべき方向性を理解することで、主体的に育成に取り組むモチベーションを高めることができます。
求める人物像を定義する際には、以下の要素を検討することで、より具体的で効果的な人物像を策定できます。
要素 | 具体的項目例 |
---|---|
知識・スキル | 専門知識、語学力、問題解決能力、コミュニケーション能力 |
行動特性 | リーダーシップ、協調性、主体性、責任感 |
価値観 | 顧客志向、誠実さ、チャレンジ精神、成長意欲 |
マインドセット | ポジティブ思考、柔軟性、ストレス耐性 |
これらの要素を踏まえ、管理職に求める人物像を設定することで、組織全体のレベルアップを図ることが可能になります。
必要なスキルの洗い出し・研修テーマの選定
管理職研修を設計する上で、まず必要なのは研修対象者の現状のスキルレベルを把握し、育成すべきスキルを明確にすることです。
現状のスキルレベルを把握するためには、研修対象者へのヒアリングやアンケート、人事評価の結果などを活用します。その上で、企業のビジョンや戦略、そして管理職に求める役割に基づき、どのようなスキルを育成すべきかを検討します。
管理職に求められるスキルは多岐に渡りますが、大きく分けると以下の3つのスキルが重要になります。
スキル | 説明 | 研修テーマ例 |
---|---|---|
コンセプチュアルスキル | 複雑な事象を整理・抽象化し、本質を捉える能力 | 問題解決研修、戦略立案研修 |
ヒューマンスキル | 部下や周囲と良好な関係を構築し、人を動かす能力 | コミュニケーション研修、コーチング研修、リーダーシップ研修 |
テクニカルスキル | 業務遂行に必要な専門知識や技能 | 業務知識研修、プレゼンテーション研修、ITスキル研修 |
これらのスキルは、管理職の階層や職種、企業の業種・規模などによって、その重要度や必要となるレベルが変化します。
研修対象者の特性や企業の状況に合わせて、適切な研修テーマを選定することが重要です。選定した研修テーマは、研修全体の目標達成に繋がるように設計する必要があります。
育成方法の検討
管理職に不足している能力を育成するには、どのような方法が効果的でしょうか。研修で全てを解決しようとせず、OJTとOff-JTを組み合わせ、不足している能力を効果的に育成する方法を検討する必要があります。
まず、不足している能力を明確に特定します。その上で、OJT、Off-JTそれぞれでどのような育成方法があるかを検討します。
育成方法 | 説明 |
---|---|
OJT(実際の業務を通して行う育成) | ・指導 ・コーチング ・ジョブローテーション ・権限委譲 ・目標設定 |
Off-JT(業務から離れて行う育成) | ・研修 ・自己啓発 ・社外研修 ・eラーニング ・メンター制度 |
次に、不足している能力を育成するために、OJTとOff-JTのどちらがより効果的かを検討します。
OJTは実践的なスキルを身につける上で効果的で、Off-JTは体系的な知識を習得する上で効果的です。どちらか一方に偏ることなく、両方をバランス良く組み合わせることが重要です。
育成目標・育成計画の策定
育成目標と育成計画は、人材育成を進める上で重要な指針となります。
目標設定では、目標達成時期や目標達成レベルを明確にすることが重要です。育成計画では、育成目標を達成するための具体的なアクションプランを策定します。
育成目標は、具体的かつ測定可能なものでなければなりません。
例えば、「リーダーシップを向上させる」という目標ではなく、「チームメンバーの意見を積極的に取り入れ、チーム全体のパフォーマンスを10%向上させる」といった具体的な目標を設定する必要があります。
育成計画には、以下のような項目を含めることが推奨されます。
項目 | 説明 |
---|---|
育成期間 | 育成に必要な期間 |
育成方法 | OJT、Off-JT、自己学習など |
担当者 | 育成担当者名 |
研修内容 | 受講する研修名など |
費用 | 育成にかかる費用 |
評価方法 | 育成効果を評価する方法 |
育成計画を策定する際には、個人の能力やキャリアプランを考慮することが重要です。また、計画は定期的に見直し、必要に応じて修正していく必要があります。
育成目標と育成計画を適切に設定することで、人材育成の効果を最大化し、組織全体の成長に繋げることができます。
関連記事:人材育成計画の立て方|階層別の記入例や目標設定、テンプレート
実践・フィードバックを繰り返す
人材育成は一度の研修で完了するものではありません。研修で学んだ内容を実践の場で活かし、その結果を振り返り、改善していくというサイクルを繰り返すことが重要です。
このサイクルを回すことによって、より効果的な人材育成を行うことができます。
実践とフィードバックの具体的な方法として、下記のようなものが挙げられます。
実践の場 | フィードバックの方法 |
---|---|
OJT | 上司・先輩社員からの指導・助言 |
Off-JT | 研修講師・同僚からのフィードバック |
自己学習 | 自己評価・目標達成度チェック |
職場全体への共有 | グループディスカッション・発表会 |
フィードバックは、具体的な行動や成果に基づいて行うことが重要です。
「良かった点」「改善すべき点」を明確に伝え、今後の行動目標を一緒に設定することで、より効果的なフィードバックとなります。そして、フィードバックは定期的に行うことが大切です。
継続的な実践とフィードバックを通じて、研修で得た知識やスキルを定着させ、さらなる成長へと繋げていきましょう。
管理職研修にはeラーニングがおすすめ
業務が多忙な管理職にとって、集合研修への参加は大きな負担となります。
eラーニングであれば、場所や時間にとらわれず、自分のペースで学習を進められます。移動時間や隙間時間を有効活用できるため、忙しい管理職でも効率的に学習できます。
業務が多忙な管理職でも、効率的に学習が行える
管理職は、日々多くの業務に追われ、研修のためにまとまった時間を確保することが難しい立場にあります。eラーニングであれば、時間や場所を選ばずに学習できるため、多忙な管理職にとって効率的な学習方法となるでしょう。
eラーニングのメリットを以下にまとめました。
メリット | 説明 |
---|---|
時間と場所を選ばない | オフィスでも自宅でも、移動時間でも、隙間時間を活用して学習できます。 |
自分のペースで学習できる | 自分の理解度に合わせて進められるので、効率的です。 わからない部分は繰り返し学習できます。 |
業務との両立がしやすい | 研修のために業務時間を大きく割く必要がありません。 |
費用対効果が高い | 会場費や移動費などのコスト削減につながります。 |
eラーニングは、時間的制約の多い管理職にとって、自己研鑽の大きな助けとなるでしょう。特に、時間管理能力が問われる管理職にとって、eラーニングで培われる時間管理能力は、業務にも活かせるスキルとなるはずです。
研修運営の効率化やコスト削減が図れる
eラーニングを活用することで、研修運営にかかるコストを大幅に削減できます。従来の集合研修では、会場費、講師への謝礼、参加者の交通費や宿泊費など、多くの費用が発生していました。これらの費用は、eラーニング活用で大幅に削減できます。
eラーニングは、インターネット上でいつでもどこでも学習できるため、会場費や交通費、宿泊費などは発生しません。また、講師への謝礼も基本的に不要です(自社コンテンツ作成時に外部講師に協力いただく場合は別途発生)。
さらに、eラーニングは、一度作成した教材を繰り返し利用できるため、教材作成にかかる費用も削減できます。これらのコスト削減効果により、企業はより多くの研修を実施することが可能になります。
【コスト比較例】
研修形態 | 会場費 | 講師料 | 交通費・宿泊費 | 教材費 | その他 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
集合研修 | 50万円 | 100万円 | 50万円 | 20万円 | 30万円 | 250万円 |
eラーニング | 不要 | 不要 | 不要 | 50万円 | 10万円 | 60万円 |
管理職に必要な幅広いテーマを学習できる
管理職に求められるスキルは多岐に渡ります。リーダーシップ、目標管理、部下育成、コミュニケーション、その他にも様々なスキルが求められます。eラーニングであれば、これらの多様なニーズに応えるだけの柔軟性を持っています。
テーマ | 内容例 |
---|---|
リーダーシップ | リーダーシップの基礎知識、実践的なリーダーシップスキル |
目標管理 | 目標設定の方法、進捗管理、評価方法 |
部下育成 | 部下のモチベーションを高める方法、効果的なフィードバックの仕方、育成計画の立て方 |
コミュニケーション | 相手に分かりやすく伝えるためのテクニック、良好な人間関係を築く方法、チームビルディング |
その他 | ストレスマネジメント、タイムマネジメント、問題解決能力、意思決定能力、交渉力、プレゼンテーションスキル など |
このようにeラーニングを活用することで、管理職に求められる多様なスキルを効率的に学習できる環境を整えることができます。また、自社の方針や課題に合わせて、オリジナルのコンテンツを追加することも可能です。
管理職研修の内製化を進められる
eラーニングを活用することで、管理職研修を内製化しやすくなります。
内製化のメリットとして、自社の課題に合った研修をタイムリーに実施できること、社外にノウハウが流出するリスクを抑えられること、研修にかかるコストを削減できることなどが挙げられます。
メリット | 説明 |
---|---|
自社の課題に合った研修をタイムリーに実施できる | 社内独自のニーズや課題に合わせた研修内容を、迅速に反映させることが可能です。 |
社外にノウハウが流出するリスクを抑えられる | 外部講師に依頼する場合と比較し、社外秘の情報漏洩リスクを低減できます。 |
研修にかかるコストを削減できる | 外部講師への依頼や会場費などのコストを削減し、費用対効果を高めることが期待できます。 |
内製化を進める際のポイントとして、研修の目的を明確化し、適切なコンテンツを用意することが重要です。既存の教材を活用したり、社内の専門知識を持つ社員に講師を依頼したりするなど、効果的かつ効率的な研修運営を検討しましょう。
管理職研修を成功させるためのポイント
管理職研修を成功させるためには、短期的な視点ではなく長期的な視点で取り組むことが重要です。
研修の効果がすぐに表れない場合でも、焦らずに継続していくことが求められます。継続的に研修を実施することで、管理職のスキル向上や意識改革を促し、組織全体の活性化に繋げることができます。
長期的な取り組みとなることを理解する
管理職研修は、短期的な研修で完了するものではなく、中長期的な視点で計画・実施していく必要があります。なぜなら、管理職に求められるスキルや知識は複雑かつ多岐にわたり、一朝一夕で習得できるものではないからです。
研修の効果を最大限に発揮するためには、継続的な学習と成長の機会を提供することが重要になります。
期間 | 内容 |
---|---|
短期(数日間~数週間) | 特定のスキルや知識を習得するための研修(例:リーダーシップ研修、コーチング研修など) |
中期(数ヶ月~1年) | 研修で学んだ内容を実践し、フィードバックを受けながら改善していく期間 |
長期(数年) | 継続的な学習やOJT、メンター制度などを活用し、管理職としての能力を向上させていく期間 |
管理職の育成は、企業の成長に直結する重要な投資です。研修の効果を最大限に引き出すためには、短期的な成果にとらわれず、長期的な視点で人材育成に取り組むことが重要になります。
研修内容は定期的にアップデートする
管理職研修の内容は、一度作成したら終わりではありません。定期的なアップデートが必要です。
ビジネス環境の変化は激しく、求められる管理職の役割も常に変化しています。古い情報に基づいた研修では、期待する効果を得ることができません。
研修内容をアップデートする際には、以下の点に注意しましょう。
- 法改正や業界動向の反映
- 最新のビジネススキルや知識の追加
- 社員のニーズや課題の把握
- 研修効果の測定と改善
更新頻度 | 内容 |
---|---|
毎年 | 法改正、業界の最新動向 |
半年ごと | 最新のビジネススキル、社内制度の変更 |
随時 | 社員のニーズ、研修効果の測定結果に基づく改善 |
研修内容のアップデートは、研修の効果を高めるだけでなく、受講者のモチベーション維持にもつながります。常に新しい情報やスキルを学ぶことができるという期待感を与えることで、受講者はより積極的に研修に取り組むようになるでしょう。
また、研修内容が最新のものであるという事実は、会社全体としての人材育成に対する意識向上を示すことにもなります。
継続的にフォローアップを行う
研修が終わってからが、本当のスタートです。研修で学んだ内容を、実際の業務でどれだけ活かせているかを継続的にフォローアップしていく必要があります。
フォローアップの方法としては、以下のようなものが挙げられます。
方法 | 説明 |
---|---|
アンケート | 研修内容の理解度や、業務への活用の状況を把握するために実施します。 |
面談 | 個別面談を実施することで、研修の効果や課題をより深く理解することができます。また、今後のキャリアプランについても話し合う機会を設けることが重要です。 |
グループディスカッション | 研修参加者同士で、研修内容の振り返りや業務での活用事例などを共有する場を設けます。 |
上司からのフィードバック | 研修参加者の上司から、日々の業務における行動の変化や成長についてフィードバックをもらいます。 |
フォローアップを通じて得られた情報をもとに、研修内容の見直しや改善を図ることで、より効果的な研修を実施していくことができます。
研修の効果を高めるためには、研修後のフォローアップが重要です。フォローアップを通じて、研修参加者の行動変容を促し、研修効果の持続化を図ることで、組織全体の活性化につながります。
まとめ
管理職研修は、企業の成長を牽引するリーダーを育成するために不可欠な取り組みです。
管理職研修の効果を最大化するためには、企業の規模や業種、そして育成対象者の特性に合わせた研修プログラムを設計することが重要です。研修を通して、管理職が持つべきスキル・マインドセットを醸成し、組織全体の活性化を目指しましょう。
人材育成を成功に導く「最新育成モデル」を活用しませんか?
人材育成を成功に導くためには、育成過程の注力ポイントを知り、必要な成果に向けて適切なステップと育成スキームを選択することが重要です。
KIYOラーニングでは、「人材育成で大切な8つのこと」を仕組みでカバーできる『デジタル時代の人材育成モデル』をお届けしています。
社員が成長し、最終的に成果をあげるまでに必要な施策とその流れをモデル化したものになりますので、自社の状況と照らし合わせて育成方法を検討したい方はぜひご活用ください。