大規模企業でのeラーニング導入に役立つ「組織階層機能」の活用法

大規模企業でのeラーニング導入の課題

 次に、大規模企業でのeラーニング導入の課題についてお話をしていきたいと思います。eラーニングは、今までお話ししたように、うまく使うと非常にメリットが大きいですが、大規模企業特有の課題もいくつかあります。

 まず、大規模企業では、ユーザが多く教育テーマも多いため、教育テーマとユーザの組み合わせが非常に多く複雑になってしまいます。そしてコンテンツもいろいろなものを作っていかなければいけないので、コンテンツの作成が大変になりがちです。またユーザ数が多いので、ユーザを一人一人管理するのはなかなか大変です。また、受講管理についても手間がかかります。そして単に受講しただけでは、誰がいつ何を受講して結果がどうなっているか、効果がどうなっているかが分からないという状態になってしまいます。このような、教育状況の把握や、受講していない人に対しての受講の促進について、個別の人ごとに行うのは難しいという課題があります。

 こういった課題を解決するためには、大規模企業に適したeラーニングの導入・管理方法が必要となります。

課題1:教育テーマと対象ユーザの組み合わせが複雑

 では、これらの課題を解決していくにはどうしたらいいかというお話をしていきます。

 まず1点目の課題、教育テーマと対象ユーザの組み合わせが複雑という課題に対する解決方法としては、最初に、教育テーマ、対象者、達成目標などを整理して、関係者で共有しておく取り組みをお勧めしています。

大規模企業では、教育テーマや対象者が多いため、これらの組み合わせを整理するということです。例えば、教育テーマとして情報セキュリティの強化を、対象者として全社員に対して行い、達成目標としてはこのスライドの図のように整理する形です。

 その他、特定の業務部門でのスタッフ育成の教育だったり、新しい勤怠管理システムを導入した時の使い方のガイドといったように、社内ではいろいろな教育テーマがあると思いますので、教育テーマ、対象者、達成目標、これを整理して書き出していきます。

その上で、関係者と議論しながら、最初はこのテーマから実施していこうとか、いつ頃どのテーマを進めようというような形で、教育テーマの導入計画を作ることをお勧めしています。

課題2:コンテンツの作成が大変

 次に、eラーニングを導入するためにはコンテンツを準備する必要がありますが、そのコンテンツ作成が大変という課題です。

この課題に関しては今良い解決法がありまして、動画を活用していくというのがお勧めです。なぜなら、この動画を使うと少ない手間で効果的なコンテンツが作成できます。先ほどお話ししたように、集合研修を撮影すると動画コンテンツにできます。また、講師の方に1人で講義を行ってもらい、それを動画で撮影することでコンテンツが作成できます。

また、業務のマニュアルに関しては、その業務が得意な人に、業務手順を実演してもらい、それを撮影することで動画マニュアルにすることができます。

また、動画の最後にチェックテストを加えることで受講者がより真剣に受講するようになります。最後にチェックテストがあることを言うだけで、受講者はかなり真剣に聞くんです。実際のチェックテストは簡単なものでも構いませんが、テストがあるかないかで受講者の真剣度、習熟度というのが変わってきます。

最初から凝った動画を作ろうとするとなかなか大変です。なお、当社でも教育動画制作のサービスなども行っていますので、そういった外部の会社を使って制作もできます。自社で制作する場合は、最初から凝ったものを作りすぎないほうがよいと思います。というのは、教育コンテンツは、実際に対象者に受けてもらわないとその評価がなかなか分かりません。ですので、まずシンプルなものを作ってみて受講者の声を早く収集していく方が効率的です。受講者の反映しながら、必要に応じて改善し、徐々にバージョンアップしていくことをお勧めしています。

課題3:ユーザ数が多くユーザ管理・受講管理が大変

 次に、ユーザ数が多くてユーザ管理・受講管理が大変という課題ですが、こちらのほうは今日後半でご紹介する組織階層機能、それからすでにあるグループ機能、こういったものを使って効率的にユーザ管理・受講管理をすることをお勧めしています。

 組織のイメージをスライドに載せていますが、組織階層機能を使うと、このような企業の組織構造をAirCourseの中に作ることができます。組織階層機能を使ってユーザ管理・受講管理をすると、一人一人個別に管理するよりもかなり効率的に運用管理ができます。

またスライドの右側にありますが、AirCourseには既に「グループ」という機能もあります。これにより、組織横断的なグループを作ることができますので、例えば新入社員第何期というグループを作ったり、組織横断的なプロジェクトのグループを作るなど、組織階層に紐づかない横断的なものはグループ機能を使っていただくと良いと思います。

課題4:教育状況の把握や受講の促進が難しい

 最後の課題です。教育状況の把握や受講の促進が難しいという課題に対する解決法は、組織単位でレポーティングを行ったり、受講の促進をしていくという方法になります。これは後半で画面を見ていただきますが、AirCourseでは、組織単位でユーザの進捗をレポートで把握することができます。またその結果をもとに未完了者にフォローすることができます。

また、AirCourseでは、コースの受講を必須にするという機能があります。そうすると、期限までに必ず受けるように受講者に通知されますので、受講促進をすることができます。

ABOUTこの記事をかいた人

綾部貴淑

KIYOラーニング株式会社 代表取締役 東京工業大学情報科学科卒。外資系ソフトウェア会社、ITコンサルティング会社を経て、KIYOラーニング株式会社を創業。効率的な学習法を研究し、2008年にオンライン資格講座「スタディング(旧「通勤講座」)を開講、忙しい社会人でもスマートフォンで効率的に学べる講座として人気を博し、2020年2月現在で講座数26、累計受講者数6万人を超える。 2017年に社員教育クラウド「AirCourse」をリリース。受け放題の動画研修コースと、簡単に自社コースが配信できる利便性により、大企業~中小企業まで幅広い層の企業に導入されている。 現在は、人や組織の能力を最大に引き出すために、AIを使った学習の効率化に力を注いでいる。