仕事を遂行するうえでは、さまざまなスキルが求められます。この仕事上で必要なスキルを総じて「ビジネススキル」と呼びます。社員1人ひとりのビジネススキルを向上させることは、組織の発展・成長に欠かせません。
しかし、通常業務と並行して多様なスキルを習得させるのは、多くの企業が課題に感じていることでしょう。
また、役職や従事している業務によって必要なスキルが異なる点も頭を悩ませるポイントです。こうした課題の解決の糸口となるのが、スマホやPCなどのデバイスを通して研修を行える「eラーニングの活用」です。
eラーニングであれば、集合研修のように時間や場所に囚われずに研修できるうえに、複数の講座を受講でき、その受講履歴から強み・弱み、興味のある分野などの把握が可能になります。社員の個性や希望に合わせたキャリア形成の一助にもなるため、ビジネススキルの習得・向上にはeラーニングの活用がおすすめです。
本記事では、ビジネススキルの習得・向上にeラーニングの活用がおすすめな理由と、eラーニングの学習効果を高めるコツも紹介しています。ビジネススキル習得・向上にeラーニングの活用を検討している方はぜひ参考にしてください。
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目次
ビジネススキルとは?
ビジネススキルとは、簡単に言うと「仕事に不可欠な知識・能力全般」のことを言います。しかし、ビジネススキルと一言で言ってもその種類は多岐に渡り、目的や方向性を定めずに闇雲に研修を実施するだけでは、期待するような効果は得られません。そのため、どの層への教育を実施し、どういったスキルの向上を目指すのかを明確にしておく必要があります。
ビジネススキルの教育を施すうえで参考になるのが、ハーバード大学のカッツ教授が1950年代に提唱した「カッツ理論(カッツモデル)」です。カッツ理論では、ビジネススキルは以下の3つの要素から構成されていると提唱されています。
ビジネススキル | 概要 | 求められる役職 |
---|---|---|
コンセプチュアルスキル | 物事の本質を理解し、適切な判断を下す能力。「概念化能力」とも呼ばれる | トップマネジメント(経営者層) |
ヒューマンスキル | 良好な対人関係を構築・維持するための能力。ビジネスマナーやコミュニケーション能力などが該当する | ミドルマネジメント(管理者層) |
テクニカルスキル | 特定の業種や職種で必要とされる知識・技術、また熟練度のことを言う | ロワーマネジメント(監督者層以下) |
表にもあるとおり、各スキルは役職によって重要視される度合が異なります。上層部になるほど、概念的な能力が求められ、現場に近い層になるほど業務に必要な知識や技術能力の重要性が増します。
このことを参考にビジネススキル研修を実施し、各層に適切なスキルの習得を促進できれば、それぞれの層によるパフォーマンスが向上します。結果的に組織全体のパフォーマンスの向上が期待できるのです。
関連記事:カッツモデルとは?構成スキルと人材育成への活用方法を解説
eラーニングで習得できるビジネススキル
ビジネススキル研修の実施に、eラーニングの活用を検討している方もいるでしょう。ここではeラーニングの活用で、具体的にどのようなビジネススキルを身に付けられるのかを紹介します。
3つの要素 | 具体的なスキル例 | e-ラーニングの講座例 |
---|---|---|
コンセプチュアルスキル | ロジカルシンキング(論理的思考) | ロジカルシンキング入門編・実践編など |
クリエイティブシンキング(水平思考) | 創造性、デザイン思考、発想法、収束技法など | |
クリティカルシンキング(批判的思考) | 仮説思考、アナロジー思考、コンセプチュアル思考など | |
受容性 | 心理的安全性の高め方など | |
ヒューマンスキル | リーダーシップ | リーダーシップの基本知識、強化方法、チームマネジメントなど |
コミュニケーション力 | 人を動かすコミュニケーション、ストレスを溜めないコミュニケーションなど | |
プレゼンテーション力 | 伝達力を上げる最重要事項、理解度を上げるストーリー構成など | |
交渉力 | 交渉の基本知識、信頼関係構築力、納得感を高める条件調整の方法など | |
テクニカルスキル | 提案力 | 顧客のYESを引き出す提案、提案書や企画書のたたき台を作成するなど |
簿記などの資格 | 財務会計の意義と簿記など | |
市場知識 | 3C分析のポイントなど | |
ビジネスマナー | 敬語の基本、情報セキュリティ、コンプライアンス違反をなくすために知っておきたいことなど |
参考:AirCourse
上記はあくまで一例です。弊社のクラウド型eラーニングAirCourseでは、上記以外にも950コース・5,500本以上の研修動画を用意しています。随時、最新のコースも追加・更新しているので、階層別に最適な研修動画が見つかります。
ほぼすべての研修に確認テストやワークシートが付属しているので、振り返りによる知識・技術の定着にも役立ちます。e-ラーニングの活用を検討している場合は、ぜひご活用ください。
ビジネススキル習得にeラーニングが効果的な理由
ビジネススキルの習得方法には対面研修やセミナーなどの方法があります。しかし、これらの方法は準備に時間がかかるうえに時間と場所が拘束されるため、範囲が広いビジネススキル習得のために頻繁に受講することは難しいのが現状です。
特に全社的に教育を施そうとした場合、年に数回と実施できる回数が限られてくるでしょう。一方でeラーニングの場合は、業務の隙間時間にできる範囲で学習を進められます。PCやタブレット、スマホを用意し、必須受講の通知を行えば全社的な教育も簡単に行えます。
時間や場所に縛られずに学習できる
パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスとインターネットを利用して教育、学習、研修を実施するeラーニングであれば、隙間時間をビジネススキルの習得に充てられます。
マルチデバイスに対応したシステムを導入すれば、たとえば通勤時間や商談などで外出している空き時間に学習可能です。時間と場所にとらわれず、各々が好きな時間に学習できるため、通常業務に支障をきたすことなくビジネススキルの習得を進められます。
幅広いテーマを学習できる
集合研修やセミナーなどで学べるテーマには限界があります。回数をこなしたとしても、多岐に渡るビジネススキルを網羅するには数年から数十年はかかるでしょう。その分、コストも高く付きます。
一方、eラーニングであれば、システム上に複数のテーマがストックされています。たとえばAirCourseには950コース・5,500本以上の研修動画を公開しています。さらにいつでもどこでもすぐに教材にアクセスできるため、会場を抑えたり、講師を確保したりといった研修準備に毎回時間とコストをかける必要もありません。
そのため、対面講義よりも効果的に、幅広いビジネススキルの習得が叶います。
興味のあるテーマを繰り返し学習できる
eラーニングでは、自分で興味のあるテーマを選んで学習することも可能です。一度学習したテーマであっても繰り返し学習ができるため、社員が自らの強みや弱みを見つけるきっかけにもできるでしょう。強みや弱みをはじめ、将来進みたい方向性を見据えた学習も可能なので、キャリア開発にも役立ちます。
個人の理解力や集中力、基礎知識・スキルには差があるため、対面講義では理解が追いつかずに「出席しただけ」で、結果的に時間を無駄にして終わる人も多いでしょう。特に大勢の参加者がいるなかで、疑問点を質問できる人もそうそういません。こうした場合でもeラーニングであれば、理解できない箇所を何度でも反復学習できるため、研修内容の確実な理解を促せます。
効率的に学習管理が行える
リアル講義では学習管理を手入力または紙ベースで行う必要がありますが、eラーニングでは誰がどのテーマの研修を受講したのかが記録に残るため、効率的に学習管理が行えます。
また、視聴状況から「長時間」「繰り返し」視聴している箇所を把握できるため、社員が苦手とする、または興味のあるポイントの判別も可能です。
これらのデータを分析し、弱みや強みを可視化すれば、容易に強化すべき点を洗い出せるでしょう。特に弱みにおいては、重点的に学習に取り組ませることで、社員のスキル統一に役立ちます。
学習効果を高めるeラーニング活用のコツ
eラーニングは導入するだけで、社員のビジネススキルの習得・向上が図れるわけではありません。第一関門として、周知と定着が立ちはだかります。さらに周知・定着が進んだあとも、得た知識を業務に活かせるような工夫が求められます。
なかには最初はやる気があっても途中で進みが悪くなることもあるでしょう。そうした場合にも担当者により催促するなど、何らかの手立てが必要です。
中長期での育成計画を立て、習得すべきスキルを明確にする
eラーニングの導入に際しては、企業の経営目標や社員が抱える課題などを明確にしたうえで、その問題・課題を解決するために必要なスキルを明確にしなければいけません。また、社員の成長を見越したうえで中長期での育成計画を立て、段階的に必要なスキルを洗い出すことも重要です。
目的が不明瞭なまま導入に踏み切ってしまうと、数あるeラーニングシステムから最適なものを選べず「導入して終わる」または「思ったような効果を得られない」結果となります。そのため、まずは企業として身につけてほしいスキル、社員が自身のキャリアアップのために身につけたいスキルなど、社員および企業の将来性を中長期的に考えたうえで、習得すべきスキルを明確にしましょう。
業務での実践をセットで考える
アメリカ国立訓練所によると、学習方法によって学習定着率に差が出ることが分かっています。たとえば「講義を受ける」、「視聴覚」などの受動的な学習では、学習定着率は5〜20%に留まります。一方で、「グループ討論」や「自ら体験する」、「他人に教える」といった能動的な学習の場合は、学習定着率が50〜90%にまで跳ね上がります。
ビジネススキルは実践で活かしてこそのものであるため、学習定着率を高めることは必須です。そのため、eラーニングと合わせて学習した内容を業務での実践に活かせるようなプログラムを組む必要があります。
人事評価や周囲からのフィードバックによる振り返りを行う
受講者は理解したつもりでも業務に活かせていなければ、eラーニングの効果は無かったも同然です。そのため、学習した知識やスキルが業務に活かされているかを客観的な視点でフィードバックを行うことが重要です。
特に本人が「業務に活かせている」と思っていても、上司の目からみて活かせていないと感じる場合、フィードバックなくしてそのことに気づくのは至難の業です。フィードバックによってeラーニングの学習内容を腹落ちさせることで、一生のスキルとしての定着が叶います。
また、人事評価や周囲からのフィードバックがあることで学習意欲の向上も図れる副次的効果が期待できます。そのため、eラーニングで学習させたら放置するのではなく、定期的にフィードバックを行うようにしましょう。
担当者を置き、受講促進・進捗管理を行う
eラーニングは、いつでもどこでも受講が可能というメリットがある反面、受講者の主体性に依存するため、社員の間で学習進捗に差が生まれやすいデメリットも持ち合わせます。
こうした課題においては、育成担当者を設置し、受講状況が芳しくない社員に対して声かけを行い、受講を促す必要があります。また、担当者がいれば、通常業務が忙しく受講が難しい社員に対しても、どうすれば受講できるようになるかの相談に乗ることも可能です。
eラーニングの学習教材の配信や成績を管理するシステムLMSには、メール配信機能が付帯しているため、受講状況に応じてメールを配信し、受講を促すのも良いでしょう。
eラーニングを活用して社員のビジネススキル向上を実現した事例
ビジネススキルの向上手段として、eラーニングはすでに多くの企業に取り入れられています。ここでは、eラーニングを活用して社員のビジネススキル向上を実現した好事例を紹介します。
短時間で学べるマイクロラーニングで効率的な自主学習を実現|株式会社フレスタ様
広島県を中心に山口県、岡山県などに63店舗のスーパーマーケットを構える株式会社フレスタ様では、新型コロナウイルスの感染拡大により対面教育ができなくなったことをきっかけにeラーニングによる教育に踏み切ります。
導入当初は既成コンテンツのみを提供しているサービスを活用していましたが、内容がビジネススキル全般の教育であることから「対象者に学んでもらいたいことを網羅できていないのでは」という懸念が浮上。また、そもそも社員1人ひとりがタブレットやPCなどのデバイスを所有できないという環境から、数時間単位の講義は隙間時間での受講が難しい状況に陥ります。
しかし、教育を止めるわけにはいかないため、別のサービスの検討を開始し、8社のサービスを比較検討したうえで、「使いやすさ×コスト×受け放題コンテンツ」という特徴からAirCourseの導入を決めたそうです。
AirCourseのeラーニングでは、自社の状況に合わせたオリジナルコンテンツの作成も可能です。そこで自社で作成した講義を全員必須で受講してもらったことを皮切りに、対面で実施していた研修を、標準コース内の類似コースに置き換えて活用。必須受講と推奨受講を組み合わせることで、全社への浸透・定着を図りました。
また、動画の時間が短いことで、たとえばお客様の入りが悪く、業務に少し余裕があるときに受講できるようになったことも自発的な学習を促す一因となったと語っています。
人事評価と連動し活用することで、各社員のキャリア形成の一助に|株式会社セリオ様
働く女性の支援を軸に「既婚女性の就労支援事業」をはじめ、お子さまの成長をサポートする「放課後事業」、「保育事業」を行う株式会社セリオ様では、「人材採用後のフォロー・オンボーディングができていない」ことにより発生していた早期離職に課題を抱えていました。
育成施策においても自治体から求められる専門職の必須研修で手一杯だったため、階層別研修やビジネススキル教育などには手が回らず、さらに保育園などの現場で働く社員においても一斉に職場を離れるわけにはいかないので、人材育成手法は自ずとeラーニングに絞られていったそうです。
7社のサービスを検討したなかでAirCourseの導入を決めたのは、「オリジナルコンテンツの作成が可能」な点と、「マルチデバイスに対応」していた点です。また、1章数分単位の講義が受け放題の「標準コース」があること、比較検討したなかでUI/UXが断トツで良かったことも印象に残ったそうです。
AirCourse導入の周知には苦労したそうですが、実際に受講した社員からは好評を得ています。「働き方の多様性を会社の仕組みとして広げていきたい」と考える同社では、「今後、階層別の研修や等級ごとに必須コースの設定、昇級時の必須コースの設定など、人事評価と連動させた使用方法も検討しており、各社員のキャリア形成の一助に」なるよう、AirCourseの活用を推進していく予定にしています。
まとめ
AIやIoT技術の発展が著しいですが、まだまだマンパワーが求められる時代。社員1人ひとりのビジネススキルの向上は、企業の発展・成長には欠かせません。しかし、対面研修やセミナーへの参加は場所も時間も拘束されるため、特に全社的に教育を行いたい場合には向きません。
その点、eラーニングであれば、デバイスとインターネットがあれば場所も時間も問いません。隙間時間に効率良く受講できるため、ビジネススキルの向上方法に頭を悩ませている方はぜひ導入を検討してみてください。
ビジネススキル研修のeラーニング活用なら『AirCourse』
オンラインで学習できるeラーニングシステムを使えば、ビジネススキル研修をはじめとした教育の均質化やより広範囲な人材のスキルアップを実現できます。集合研修と違い、時間や場所に縛られず、また実施工数も削減できるでしょう。
しかし、eラーニング導入でネックになるのが研修プログラムの更新です。優秀な人材育成のためには、常に最新の情報にアップデートし、有益な学習コンテンツを提供する必要があります。
動画研修コンテンツが受け放題のeラーニングシステム『AirCourse』では、750種類以上のコンテンツを提供し、新入社員から管理職まで、各階層で必要な知識・スキルを学習できる、充実した階層別研修をご用意しています。
さらに、身につけたいスキルや知識にあわせて自社オリジナルコースを柔軟かつカンタンに作成可能。受講記録や進捗といった学習記録も手軽にでき、とことん”使いやすさ”にこだわっています。
初期費用0円、1人あたりの月額費用も200円~と圧倒的なコストパフォーマンスで導入できるため、上場企業からベンチャーまで幅広く導入されています。
そんな『AirCourse』の特徴をより詳しく知っていただきたく、ご紹介資料を用意しました。どなたでも無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。