PCがない店舗でも、スマートフォンやタブレットで受けられるeラーニングを選べば、店舗の社員に研修を届けられます。あわせて、受講する時間をシフトの中に用意し、店長とエリアマネージャーが店舗ごとの進み具合を見られるようにすると、どの店舗でも受講を進めやすくなります。
本記事では、端末の選び方、受講時間の取り方、店長とエリアマネージャーの役割を解説します。
eラーニングシステムを先に比べるなら:主要eラーニングシステムの比較
目次
店舗の社員教育が進まない理由
店舗の社員教育が進まない理由は、研修の内容よりも、受講する環境と運用にあることが多く、同じ会社の中でも受講が進む店舗と止まる店舗に分かれます。よくある原因は、次の3つです。
- 受講に使える端末がない:PCは事務所に1台だけで、社員が順番に使えない
- 受講の時間が取れない:シフトが必要最小限の人数で組まれ、売り場を離れられない
- 店舗ごとの進み具合が見えない:店長の判断に任され、本部が状況を把握できない
端末と時間は、店舗だけでは解決しにくい課題です。本部が受講の方法とルールを決め、店舗が実行し、進み具合を本部とエリアマネージャーが見る分担にすると、店舗の負担を抑えられます。
PCがなくても受けられる環境のつくり方
PCがない店舗では、受講に使う端末を先に決めます。主な選択肢は次の3つです。
| 端末 | 利点 | 決めること |
|---|---|---|
| 私物のスマートフォン | 追加の機器がいらず、休憩時間にすぐ受けられる | 利用への同意、通信費の負担、店内のWi-Fiの有無 |
| 会社が貸与するスマートフォンやタブレット | 端末と通信環境を会社が管理できる | 台数、保管場所、使う時間の割り振り |
| 店舗に置く共用のPCやタブレット | 画面が大きく、短い動画を続けて見やすい | 設置場所、順番のルール、ログインの手順 |
私物のスマートフォンを認める場合も強制はせず、会社の端末で受けられる方法を用意しましょう。通信費を社員の負担にするなら、就業規則に定めなければなりません(労働基準法第89条第5号)。
また、ログインで困ったときの問い合わせ先(本部の人事・研修担当)は、受講を始める前に店舗へ知らせておくと、「ログイン方法がわからない」といった混乱を防げます。
受講の時間を確保する方法
店舗では、受講の時間を個人に任せず、シフトの中に先に組み込みます。1回の学習を15分ほどにすると、売り場を長く離れずに受けられます。時間の取り方は、主に次の3つです。
- シフトに受講の枠を設ける(朝礼のあとの15分など)
- 来客の少ない時間帯に、1人ずつ交代で受ける
- 開店前や閉店後に、全員で同じ時間に受ける
会社が受講を指示する研修の時間は、労働時間にあたります。厚生労働省も、業務上義務づけられた研修や、業務中に行う教育の時間は、基本的に労働時間に該当するとしています(「研修・教育訓練」に関する労働時間の考え方)。休憩時間や勤務の前後に受けてもらう場合も労働時間になるため、シフトの中に枠を取るのが確実です。
小売では年末年始や大型連休の前後に受講の枠を取りにくいため、受講の期間は繁忙期やセールの時期を避けて決めましょう。
店長・エリアマネージャーの関わり方
店長が声をかけ、エリアマネージャーが進み具合を確認すると、店舗の教育が定着しやすくなります。役割の分け方の例は、次のとおりです。
| 役割 | やること | 確認の頻度(例) |
|---|---|---|
| 店長 | シフトに受講の枠を設け、受講の進み具合を見て声をかける | 週1回 |
| エリアマネージャー | 担当する店舗の進み具合を比べ、遅れている店舗の店長と話す | 月1回 |
| 本部の人事・研修担当 | コースの配信、期限の設定、全店舗の進み具合の集計 | 月1回 |
遅れている店舗には、まず端末と時間が確保できているかを確かめます。原因が端末にあれば貸与や共用の端末を増やし、時間にあればシフトの枠を見直します。声をかけるだけで済ませるより、こうして原因を取り除くほうが受講は進みます。
店舗の社員教育をeラーニングで行うなら
PCがない店舗でeラーニングを選ぶときは、スマートフォンのブラウザで受けられるか、店舗ごとの進み具合を店長と本部の両方が確認できるかの2点を見ましょう。
AirCourseは、PC・タブレット・スマートフォンのブラウザで受講できます。組織の階層を実際の構造のまま登録できるので、本部、エリア、店舗の単位で割り当てと進み具合の確認ができます。また、接客とクレーム対応を学べる既存コンテンツもあります。
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導入事例:株式会社フレスタ様は、広島を中心に63店舗を展開するスーパーマーケットで、1人1台PCがない業態でした。必須受講と推奨受講を組み合わせて正社員全員に展開し、推奨コースを紹介することで、推奨受講の申込が月に数名だったところから20名程度に増えた月もありました。
また、大雨で客足が落ち着いた時間にログインして受講するなど、スキマ時間で学ぶ風土が根づき始めています。
まとめ
PCがない店舗で研修が進むかどうかは、教材よりも、店舗の社員が受講できる端末と時間を、本部と店長が用意できるかで決まります。
まずは、店舗ごとの端末の有無と、受講の枠を置ける時間帯を書き出すところから始めましょう。
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よくある質問
Q. 1人1台PCがない店舗の社員教育は、どう進めればいいですか?
まずは、受講に使う端末、受講の時間、進み具合を見る人を決めましょう。端末は、貸与や共用のタブレットを会社が必要な数だけ用意します。受講の時間は、売り場を長く離れずに済むよう、シフトの中に15分ほどの枠を取るのがおすすめです。進み具合は、店長が週に1回ほど、エリアマネージャーが月に1回ほど見ると、遅れに早く気づけます。
Q. eラーニングを店舗に根づかせるには?
受講の時間をシフトの中に用意し、店舗ごとの進み具合を店長と本部が見られるようにします。遅れている店舗には、声をかける前に、端末と時間が確保できているかを確かめましょう。
Q. 店舗の社員に、私物のスマートフォンでeラーニングを受講させてもよいですか?
私物のスマートフォンを業務に使ってよいかは、会社によってルールが違います。使ってよい会社でも強制はせず、店舗の共用端末など、会社の端末で受けられる方法も用意しておきましょう。通信費などを社員の負担にする場合は、就業規則に定めなければなりません(労働基準法第89条第5号)。
Q. eラーニングは、パートやアルバイトも受講の対象にしてよいですか?
対象者は会社で決められます。接客やクレーム対応のように、売り場に立つ全員に必要な内容なら、パートやアルバイトも対象にします。受講を指示する場合は、雇用形態にかかわらず、受講の時間は労働時間として扱います。








