部下育成に強いeラーニング5選|ほめ方・しかり方と育成ゴールの共有

部下育成のやり方が上司ごとに異なり、組織として標準化できていないことは、多くの企業が抱える共通課題です。管理職の多くは体系的に育成方法を学ばないまま役割に就き、自分が育てられた方法を再現しようとして噛み合わないことも起こります。

eラーニングを使えば、部下育成とは何をすることなのかという前提から、育成のゴールを部下と共有する方法、ほめる・しかる・教えるという指導の基礎までを、管理職層へ共通の内容として配れます。

本記事では、部下育成の教育に使える主要なeラーニングシステム5社を比較し、得意領域を解説します。学習コースの組み立て方や運用の工夫にも触れているので、システム選びにお役立てください。

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部下育成に適した学習コース・カリキュラム

部下育成は、管理職の役割のなかでも成果がすぐに見えず、目の前の業務に押されて後回しになりやすい領域です。何から手をつければよいかが定まらないまま、日々の指摘だけが積み重なるという状態も起こります。

研修として組み立てるなら、まず育成の基本的な考え方と、どこを目指すのかというゴールの置き方を揃えます。そのうえで、ほめる・しかる・教えるといった具体的な指導方法へ進む順序が取りやすくなります。ここでは、この流れに沿って育成の前提・ゴール設定・指導方法という3つの切り口で講座を整理しました。新任管理職の着任時研修としても、既存管理職の学び直しとしても使えます。

部下育成の基本を押さえる講座

最初に押さえたいのが、部下育成とは何をすることなのかという前提です。これを「自分の仕事を教えること」と捉えると、指導は目の前の業務を回すための説明に終始します。その結果、部下が次の段階へ進むために必要な力は育ちにくくなります。

管理職として何を担う役割なのかを整理するところから始めると、この前提のずれを最初に解消できます。以下は、部下育成の基本的な考え方を扱う講座の例です。

学習内容学習コース例
部下育成の基本的な考え方を学ぶ部下育成トレーニング①:部下育成の基本

育成のゴールを設定する講座

育成にゴールがなければ、指導は日々の業務に対する指摘の積み重ねに留まります。上司は指導しているつもりでも、部下からすると何を目指して直しているのかが見えません。いつまでに何ができる状態を目指すのかを部下と共有できて、初めて双方が同じ方向を向いて取り組めます。

ゴールの置き方は、目標管理や人事評価の面談とも接続します。評価制度の運用とあわせて学ぶと、面談の場で何を話すのかが具体的になります。以下は、部下育成におけるゴールの設定方法を扱う講座の例です。

学習内容学習コース例
育成のゴールの立て方を学ぶ部下育成トレーニング②:部下育成のゴール設定

指導方法を身につける講座

日々の指導で管理職が使い分けるのは、ほめる・しかる・教えるという3つの働きかけです。どれも感覚に任せると、意図が伝わらないばかりか、部下との関係を損ねる場面も生まれます。

3つをそれぞれ学び、場面ごとの使い分けを整理しておくと、同じ内容を伝えるときの部下の受け取り方が変わります。以下は、指導方法を扱う講座と、順番に学べる学習パスの例です。

学習内容学習コース例
部下の成長につながるほめ方を学ぶ部下育成トレーニング③:指導方法(1)ほめ方
相手に伝わるしかり方を学ぶ部下育成トレーニング④:指導方法(2)しかり方
業務を教えるティーチングの技法を学ぶ部下育成トレーニング⑤:指導方法(3)ティーチング
全講座をまとめて受講する【学習パス】部下育成トレーニング研修

部下育成に強い主要eラーニングシステム比較

部下育成をテーマにeラーニングを選ぶ場合、確認したいのは管理職向けのコースがどれだけ揃っているか、そして学んだ内容を実践につなげる仕組みがあるかの2点です。ここでは、部下育成の教育に使える主要なeラーニングシステム5社を取り上げ、料金と特徴を整理しました。

サービス料金(月額目安)特徴
AirCourse200円/名〜部下育成の基本・ゴール設定・指導方法を学習パスで配れる
Smart Boarding32,400円〜(30ID〜)ほめ方・叱り方・1on1のコースをライブ型で練習できる
JMAMのeラーニングライブラリ約400円/名〜マネジメントライブラリ256コースを定額で全員に配れる
UMU非公開AIロールプレイ・AIコーチングで振る舞いを練習できる
Schoo for Business非公開生放送+9,000本超で上司も部下も階層横断で学べる

料金・コース数などは2026年8月時点の各社公式サイト掲載値です。

AirCourse(KIYOラーニング株式会社)

AirCourseは、KIYOラーニング株式会社が運営するクラウド型の学習管理システム(LMS)です。1,300コース以上の標準コースを受け放題で使えるプランを持ち、階層別・職種別の研修をまとめて配布できます。

部下育成については、基本の考え方・ゴール設定・ほめ方・しかり方・ティーチングという段階に沿った標準コースが用意されています。これらを1つの学習パスにまとめれば、学ぶ順番を決めたうえで管理職層へ届けられます。

新任管理職の着任時に決まった内容を配る運用にも合います。誰が着任しても同じ順序で同じ内容を受講する形にできるため、上司ごとに育成のやり方が分かれるという課題に、共通の土台を用意する側から向き合えます。

項目内容
運営会社KIYOラーニング株式会社
初期費用0円
月額料金200円/名〜(年間契約・1,000名利用時、コンテンツプラスプラン最安条件)
セキュリティISO 27001
コース数1,300コース以上・8,000本以上の動画研修(コンテンツプラスプラン)
部下育成関連のコース例部下育成トレーニング①:部下育成の基本/部下育成トレーニング③:指導方法(1)ほめ方
無料トライアル30日間の無料お試し(標準コース一部視聴)/期限なしのフリープラン(アップロード容量2GB上限等の制限あり)
公式サイトhttps://aircourse.com/

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Smart Boarding(株式会社FCE)

動画を見て終わりにせず、練習の場まで用意しているのがSmart Boardingです。株式会社FCEが提供するオンライントレーニングシステムで、400種類を超える動画コンテンツにライブ型のオンライントレーニングを組み合わせています。「知っている」から「できている」への定着をねらう設計です。

部下育成に近い領域では、「はじめてのマネジメントコース」「新任管理職向けほめ方、叱り方コース」「1on1コミュニケーション強化コース」が用意されています。1on1のコースでは、実践で活かせるコーチングの基礎スキルもあわせて扱います。

「部下との定期面談レッスン」のようなライブレッスンでは、他社の受講者と合同で実践練習ができる点も公式で訴求されています。ほめ方や面談のように相手がいて成り立つ働きかけを、社内だけで完結させずに試したい場合に検討したい選択肢です。累計約1,500社が導入し、継続率は98.3%と公表されています。

項目内容
運営会社株式会社FCE
初期費用要問合せ
月額料金32,400円〜(30ID〜・年間契約。詳細料金表は資料請求)
セキュリティISO/IEC 27001:2013・ISO 27001:2022
コース数動画コンテンツ400種類超(総コース数は非公開)
部下育成関連のコース例新任管理職向けほめ方、叱り方コース/1on1コミュニケーション強化コース
無料トライアルあり:14日間全機能(自社オリジナルコース付き)
公式サイトhttps://www.smartboarding.net/

JMAMのeラーニングライブラリ(株式会社日本能率協会マネジメントセンター)

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が2010年から提供する定額制のeラーニングライブラリです。「40年の教育設計ノウハウ×累計1.8万社の導入実績」を掲げ、知るだけで終わらせず意識と行動を変える設計を打ち出しています。

コースは530コース超(2025年12月末時点)です。マネジメントライブラリ256コース、DXライブラリ132コース、技術・技能ライブラリ152コース、健康経営®ライブラリ147コースの4プラン構成をとります。管理職向けの学習領域をまとめて確保したい場合、マネジメントライブラリが検討の中心になります。

料金は100名利用時で年額4,792円/名(税込)からと、1人あたりの負担を抑えた水準です。部下育成の基礎を一部の管理職だけでなく管理職層全体へ行き渡らせたい、という状況と価格面で噛み合います。最小導入は10名からで、必須コースや推奨コースの一括設定、フォローアップメールの自動配信にも対応します。

項目内容
運営会社株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)
初期費用0円
月額料金年額4,792円/名〜(100名利用時、税込)=月額約400円/名
セキュリティ要問合せ
コース数530コース超(2025年12月末時点。マネジメントライブラリ単体は256コース)
部下育成関連のコース例要問合せ
無料トライアルあり:30日間(本番と同じ環境をフル機能で体験)
公式サイトhttps://www.jmam.co.jp/hrm/elearning_lib/

UMU(UMU LLC)

UMUは、AI活用とインタラクティブな実践に軸足を置いた学習プラットフォームです。動画コンテンツを配るだけでなく、AIロールプレイやAI課題による個別フィードバック、スピーチ練習のuShow、AIマネジメントDojoといった実践練習の仕組みを備えています。

ほめる・しかるといった働きかけは知識というより振る舞いに近く、頭で理解していても実際の場面で言葉が出てこないことがあります。練習して確認する機会を学習の中に組み込める点が、コンテンツの量や体系で語られる他のサービスとの違いです。

自社オリジナルコースの作成にも対応しており、社内の育成方針に合わせた内容を追加できます。パフォーマンス分析ダッシュボードやOJTコース管理も備え、グローバルで3万社以上が利用していると公式に発表されています。料金・総コース数はいずれも非公開のため、条件の確認は問い合わせが前提になります。

項目内容
運営会社UMU LLC
初期費用要問合せ
月額料金要問合せ(階層型料金体系・非公開)
セキュリティ要問合せ
コース数要問合せ(総数は公式非公開)
部下育成関連のコース例要問合せ
無料トライアルあり(「無料で試す」「デモを予約する」)
公式サイトhttps://umu.com/ja/

Schoo for Business(株式会社Schoo)

株式会社Schooが提供する法人向けオンライン学習サービスがSchoo for Businessです。特徴は、生放送授業へのリアルタイム参加と録画アーカイブを組み合わせた継続学習の設計にあります。受講者は生放送中にコメントや質問を投稿でき、他の受講者の質問からも学べる協調学習の体験を得られます。

コンテンツは9,000本以上(21カテゴリ・年間約600本更新)で、「マネジメント・リーダーシップ(管理職向け)」を階層別カテゴリとして明示しています。インターンからマネージャ層まで階層を横断したコースが揃うため、上司側だけでなく育成される部下側も同じ環境に乗せられます。管理職向けでは「AIとケアする部下のメンタル」「心理的安全性を高めるチームの”仕組み”」といったコースが公開されています。

組織階層管理に対応し、学習時間やトレンドに基づくレポート機能も備えます。導入は約600社超です。料金は公式サイトで公開されておらず、条件を知るには問い合わせが必要になります。

項目内容
運営会社株式会社Schoo
初期費用公式サイトでは非公開(問い合わせが必要)
月額料金公式サイトでは非公開(問い合わせが必要)
セキュリティ要問合せ
コース数9,000本以上の動画コンテンツ(21カテゴリ・年間約600本更新)
部下育成関連のコース例AIとケアする部下のメンタル/心理的安全性を高めるチームの”仕組み”
無料トライアル要問合せ
公式サイトhttps://schoo.jp/biz

部下育成でeラーニングを活用するポイント

部下育成は、コースを配っただけでは学習が進みにくいテーマです。学ぶ順序をどう組むか、動画で扱う範囲と実際に人と向き合う場をどう切り分けるか、着手されているかをどう把握するか。この3点を決めておくと、配信後の運用が動きます。

学ぶ順序を決めて配る

部下育成の学習は、コースをまとめて渡すより順番を決めて届けるほうが噛み合います。ほめ方やしかり方だけを先に配ると、何のためにほめるのか、何を目指してしかるのかが定まらないまま、技法だけが独り歩きしかねません。

学習パス機能を使えば、複数のコースを1つのまとまりにして、受講の順番を指定できます。育成の前提を押さえ、ゴールの置き方を学び、そのうえで指導方法に進むという流れをそのまま学習の順序に落とし込めます。

新任管理職の着任時に決まった順序で届ける運用にもつながります。着任のタイミングが人によってばらついても、受け取る内容と順番は揃えられるという形です。

集合研修と役割を分ける

ほめる・しかる・面談といった働きかけは、動画を見ただけで身につくものではありません。相手の反応があって初めて、言い方が伝わったのかどうかがわかります。動画学習ですべてを完結させる前提に立たないことが、このテーマでは出発点になります。

現実的なのは、考え方と技法の知識をeラーニングで揃え、集合研修やロールプレイングは実際に言葉にしてみる場に充てるという切り分けです。研修当日に基礎知識の説明から始める必要がなくなり、限られた集合の時間を演習に回せます。

事前受講を必須にしておけば、参加者の前提知識がある程度そろった状態で演習に入れます。研修の設計としても、当日に扱う内容を絞りやすくなります。

受講状況を部署別に確認する

部下育成の学習は成果が見えにくく、業務が立て込むと後回しになりがちです。配信して終わりにせず、着手されているかどうかを定期的に見る仕組みが要ります。

レポート機能では、受講状況やテスト結果を組織別に集計できます。組織別レポートを部署単位で見ると、全社の平均では気づけない偏りが浮かびます。管理職の人数が多い部署ほど未着手が残る、といった傾向が見えることもあります。

大事なのは、見たあとに何をするかです。未着手が目立つ部署には、部門長経由で受講期限を改めて伝える、業務の繁忙期を外して案内し直すといった働きかけにつなげます。数字を集めること自体が目的にならないよう、確認後の動きまで決めておきたいところです。

eラーニング成功のコツは”導入設計”にあります

eラーニングの基本的な仕組みは理解できても、実際に成果につながる運用を継続することは簡単ではありません。多くの企業が「導入したが受講率が低い」「コンテンツ作成に時間がかかりすぎる」「効果測定ができない」という課題に直面しています。

これらの課題解決には、単なるシステム選定ではなく、学習文化の醸成から効果測定まで含めた包括的な導入戦略が不可欠です。成功企業では、5つのステップで段階的にeラーニングを組織に定着させ、継続的な学習環境を構築しています。

戦略的な視点からeラーニング活用を推進する、体系的な導入アプローチを学んでみませんか。

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まとめ:共通の土台をつくり、実践の場につなげる

部下育成のやり方が上司ごとに異なると、同じ組織でも部下の経験は担当上司によって変わります。多くの管理職は育成方法を体系的に学ばないまま役割に就き、自分が育てられたやり方を再現しようとします。この状態を変える出発点は、育成とは何をすることなのかという前提を揃えることにあります。

eラーニングが担えるのは、この共通の土台を管理職層に繰り返し配ることです。育成の前提、いつまでに何ができる状態を目指すのかというゴールの置き方、ほめる・しかる・教えるという働きかけの基礎。これらを同じ内容で届けられます。配る順序を決め、部署別に受講状況を確認すれば、後回しになりやすい育成テーマも運用に乗せられます。

一方、面談で言葉を選ぶことや、部下の反応を見ながら伝え方を変えることは、動画を見ただけでは身につきません。知識は動画で揃え、集合研修や日々の実務は実際に言葉にしてみる場に充てる。この役割分担を設計に組み込んだうえで、自社の管理職層に合う進め方を検討してみてください。

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eラーニング活用の重要性は分かっている。でも「具体的にどう運用するか」「結局どのeラーニングシステムが自社に合うのか」で多くの企業が迷い、思うような成果が出せずにいます。あなたの組織も同じ悩みを抱えていませんか?

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よくある質問

Q. 部下育成とは、どのような取り組みを指しますか?

上司が部下の成長を支え、担える仕事の幅と質を広げていく働きかけを指します。目の前の業務のやり方を教えることだけを指すわけではありません。自分の仕事を教えることと捉えると、指導が日々の業務を回す範囲にとどまり、部下が次の段階へ進む力までは届きにくくなります。育成の前提の共有、ゴールの設定、日々の指導という流れで組み立てるのが基本の考え方です。

Q. 部下育成で押さえておきたいポイントは何ですか?

育成のゴールを部下と共有しておく点が挙げられます。いつまでに何ができる状態を目指すのかが定まっていないと、指導は日々の業務の指摘にとどまりやすくなります。ゴールは目標管理や評価面談とも接続するため、評価制度の運用とあわせて整理しておくと扱いやすくなります。そのうえで、ほめる・しかる・教えるといった働きかけを場面に応じて使い分けます。

Q. 日々の指導は、どのような方法で行えばよいですか?

ほめる・しかる・教えるという3つの働きかけを、場面ごとに使い分ける進め方が基本形です。いずれも感覚に頼ると意図が伝わらず、関係を損なう場合もあります。たとえばほめる場面ではほめるポイントを具体的にして伝え、しかる場面では相手に伝わるしかり方を意識します。業務そのものを教える場面では、手順を示すティーチングの技法が役立ちます。

(関連:部下育成で大切なこと|タイプ別の指導法や必要な心構え、スキルを解説

Q. 部下育成でつまずきやすいのは、どのような点ですか?

やり方が上司ごとに異なり、組織として揃わない点がよく挙がります。人事の相談でも「管理職の育成体制が弱く、部下育成能力にばらつきがある」という声が寄せられています。自分が育てられた方法をそのまま再現しようとして、世代や価値観の違いから噛み合わないという悩みも聞かれます。育成の考え方を共通の土台として揃えるところから着手する方法があります。

Q. 部下育成の研修をeラーニングで実施することはできますか?

考え方や指導方法の基礎を揃える用途であれば、eラーニングでも扱えます。実際、部下育成をテーマにした標準コースを備えたサービスがあります。AirCourseもその一例で、部下育成の基本・ゴール設定・指導方法を扱う講座を学習パスとしてまとめて配布でき、新任管理職の着任時に決まった内容を届ける運用にも使えます。ただし対話や面談の実践は、演習・実務との組み合わせが前提になります。