公益通報の研修は、全社員に実施すべきものでありながら、拠点や雇用形態が分かれるために受講漏れが出やすく、実施状況の管理に悩む企業が少なくありません。制度が知られていなければ、不正に気づいても声が上がりません。
eラーニングなら、制度を学ぶ全社員向けの基礎理解と、窓口対応や情報管理を担う担当者向けの実務理解を、対象ごとに分けて配信できます。必須受講やリマインドで全員に届け、受講記録で実施状況も残せます。
本記事では、公益通報への対応に使える主要なeラーニングシステム5社を比較し、得意領域を解説します。学習コースの組み立て方や運用の工夫にも触れていますので、自社に合うシステム選びにお役立てください。
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目次
公益通報の理解に適した学習コース・カリキュラム
公益通報者保護法は、組織内の不正を通報した人が解雇や降格などの不利益な扱いを受けないよう守るための法律です。2022年の改正では、従業員300人超の事業者に内部通報体制の整備が義務づけられ、担当者には守秘義務も課されました。
研修ではまず、何が公益通報にあたり通報者がどう守られるかという前提をそろえます。そのうえで、企業が整えるべき窓口や体制の中身へと進みます。ここでは制度の理解と企業の対応という2つの切り口で講座を整理しました。
公益通報の制度を理解する講座
まず全社員が共有したいのは、どのような通報が法律の保護対象になるのかという基礎です。日常的な「上司への相談」と「公益通報」の違いや、社内窓口・行政機関・報道機関という通報先ごとの要件の差も、あわせて押さえておきたい論点になります。
こうした前提が全員にそろっていないと、制度が使われないまま不正が埋もれてしまいます。基礎を共有することは、不正に気づいた人が声を上げやすい環境づくりにつながります。
| 学習内容 | 学習コース例 |
|---|---|
| 公益通報の定義と保護される仕組みを学ぶ | 26年受講用/知らないでは済まされない!公益通報者保護法①公益通報とは |
企業が整えるべき体制を学ぶ講座
制度の理解が整ったら、次は企業として何を用意するかという視点に移ります。窓口の設置、通報を受けた後の調査手順、通報者を特定できる情報の管理など、体制づくりの具体を学ぶ段階です。
この領域は、通報窓口の担当者はもちろん、人事・法務・内部監査の各部門でも押さえておきたい内容になります。役割ごとに関わり方は異なりますが、対応の全体像を共有しておくと連携がとりやすくなります。
| 学習内容 | 学習コース例 |
|---|---|
| 事業者に求められる体制整備と対応を学ぶ | 26年受講用/知らないでは済まされない!公益通報者保護法②企業が取るべき対策とは |
| 制度の基礎と企業の対応を通しで学ぶ | 【学習パス】知らないでは済まされない!公益通報者保護法研修/26年受講用 |
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公益通報研修に強い主要eラーニングシステム比較
公益通報だけを扱う専用コースを公式に確認できるサービスは、現時点では多くありません。そこで比較の軸は、公益通報研修にどの切り口でつなげられるかに置きます。具体的には、コンプライアンスやガバナンス、内部統制・内部監査といった観点です。こうした切り口で主要5社を並べ、料金と特徴を一覧で整理します。
| サービス | 料金(月額目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| AirCourse | 200円/名〜 | 公益通報者保護法の制度理解・体制整備の2コースと学習パスを備え、必須受講・リマインドで全社に配信できる汎用型LMS |
| KnowledgeC@fe | 150円/ID〜(スポット) | 2,900以上のプログラムを持ち、大企業・公共向けに安定運用できる汎用型 |
| セキュリオ | 要問合せ | 情報セキュリティ教育に特化し、法令制度・内部監査・リスクマネジメントの内部統制系教材を備える |
| Cloud Campus | 70,000円/月〜 | 受講登録者数無制限の定額型。人数が増えても費用が変わらない |
| manebi eラーニング | 要問合せ | 約8,000教材から階層別・役職別に配信でき、AIレコメンドで配り分けられる |
※料金・コース数などは2026年8月時点の各社公式サイト掲載値です。公益通報に特化した単体コースの有無は各社で異なるため、詳細は各社へお問い合わせください。
AirCourse(KIYOラーニング株式会社)

AirCourseは、KIYOラーニング株式会社が運営するクラウド型のeラーニングシステムです。1,300コース以上・8,000本以上の動画研修が受け放題で、ビジネスマナーからコンプライアンスまで幅広い領域をカバーします。
初期費用は0円で、月額は200円/名〜から導入できます(年間契約・1,000名利用時)。人数規模に応じて費用の見通しを立てやすい料金体系です。
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公益通報の領域では、2つのコースと学習パスを用意しています。制度そのものを学ぶ「公益通報者保護法①公益通報とは」と、企業の対応を学ぶ「②企業が取るべき対策とは」です。両者をまとめて学べる学習パスもあります。全社員向けの基礎と担当者向けの実務を、対象に応じて組み立てられます。
必須受講の設定や自動リマインド、組織別レポートを使えば、全社への配信状況と受講の記録を可視化できます。拠点や雇用形態が分かれる組織でも、受講漏れのフォローに取り組みやすくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | KIYOラーニング株式会社 |
| 初期費用 | 0円 |
| 月額料金 | 200円/名〜(年間契約・1,000名利用時、コンテンツプラスプラン最安条件) |
| セキュリティ | ISO 27001 |
| コース数 | 1,300コース以上・8,000本以上の動画研修(コンテンツプラスプラン) |
| 公益通報関連のコース例 | 公益通報者保護法①公益通報とは/②企業が取るべき対策とは(学習パスあり) |
| 無料トライアル | 30日間の無料お試し(標準コース一部視聴)/期限なしのフリープラン |
| 公式サイト | https://aircourse.com/ |
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KnowledgeC@fe(株式会社富士通ラーニングメディア)

KnowledgeC@feは、株式会社富士通ラーニングメディアが提供するクラウド型のeラーニングサービスです。導入実績は1,950社・113万ユーザーにのぼり、大企業や公共機関での運用実績を積み重ねてきました。
システムはMicrosoft Azure基盤上で運用されており、ISMSの取得やISMAPクラウドサービスリストへの登録など、堅牢な運用基盤を備えています。大規模組織でも安定して使いやすい点が特長です。
2,900以上のプログラムには、コンプライアンスや情報セキュリティ、階層別研修などの汎用研修がそろっています。公益通報についても全社的なコンプライアンス教育の一領域として位置づけられます。大規模組織に展開しやすいサービスです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社富士通ラーニングメディア |
| 初期費用 | 160,000円(税抜) |
| 月額料金 | 150円/ID〜(税抜・スポット利用時)/年間契約は要問合せ |
| セキュリティ | ISMS/ISMAPクラウドサービスリスト登録 |
| コース数 | 2,900以上のプログラム |
| 公益通報関連のコース例 | コンプライアンス研修(法令遵守・ハラスメント防止)等の汎用コンプラ教材(公益通報単体コースは要問合せ) |
| 無料トライアル | あり(要問合せ) |
| 公式サイト | https://www.knowledgewing.com/kcc/cafe/ |
セキュリオ(LRM株式会社)

セキュリオの特徴は、情報セキュリティ教育に領域を絞り込んでいる点にあります。運営元はLRM株式会社で、130種類以上のセキュリティ教材を提供しており、導入企業は2,500社を突破しています。
教材のカテゴリは、情報セキュリティ基礎・個人情報保護・ISMS・サイバー攻撃対策にとどまりません。法令・制度や内部監査、リスクマネジメントといった内部統制系のテーマも扱えます。公益通報そのものを中核に据えたサービスではありませんが、内部統制やコンプライアンスの軸で研修を設計する際に、関連する教材を組み合わせやすい特化型といえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | LRM株式会社 |
| 初期費用 | 要問合せ |
| 月額料金 | 要問合せ(年額・最低契約1年) |
| セキュリティ | 要問合せ(セキュリティホワイトペーパー提供) |
| コース数 | 130種類以上(情報セキュリティ教材) |
| 公益通報関連のコース例 | 法令・制度/内部監査/リスクマネジメント等の内部統制系教材(公益通報単体コースは要問合せ) |
| 無料トライアル | あり(7日間・AR スタンダード機能) |
| 公式サイト | https://www.lrm.jp/seculio/ |
Cloud Campus(株式会社サイバー大学)

Cloud Campusは、ソフトバンクグループ傘下の株式会社サイバー大学が提供する定額制のクラウドLMSです。受講登録者数が無制限のため、社員数が増えても費用が変わらない料金体系が特徴です。人数の多い企業ほど1人あたりのコストを抑えやすくなります。
セキュリティ面ではISMS(ISO/IEC 27001)を取得し、240社以上・160万人以上の利用実績があります。標準コンテンツはオプションの「コンテンツパック」として提供され、この中にコンプライアンスのカテゴリも含まれています。全社員へ基礎的なコンプライアンス教材を広く配信したい場合に、費用の見通しを立てやすいサービスです。公益通報を扱う場合は、オプションのコンテンツパックや自社教材と組み合わせる形が想定されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社サイバー大学(ソフトバンクグループ傘下) |
| 初期費用 | Entry 100,000円/Standard 200,000円/Pro 500,000円(税抜) |
| 月額料金 | Entry 70,000円/Standard 200,000円/Pro 360,000円(税抜・受講登録者数無制限) |
| セキュリティ | ISMS(ISO/IEC 27001)取得 |
| コース数 | コンテンツパック100(オプション)/標準コース数は公式非公開 |
| 公益通報関連のコース例 | コンプライアンスカテゴリあり(コンテンツパック=オプション扱い・公益通報単体コースは要問合せ) |
| 無料トライアル | あり(日数は公式非記載) |
| 公式サイト | https://cc.cyber-u.ac.jp/ |
manebi eラーニング(株式会社manebi)

manebi eラーニングは、株式会社manebiが提供するAI搭載のクラウドeラーニングです。約8,000教材をそろえ、その中にはコンプライアンスやハラスメントと並ぶ必須教材も含まれています。
階層別・役職別の配信とAIレコメンドを組み合わせると、全社員向けの基礎理解と担当者向けの実務を配り分けられます。公益通報研修で求められる「全社員向けの基礎」と「窓口担当者向けの実務」という二層の設計と相性がよい仕組みです。動画・PDF・SCORM教材の取り込みやオリジナル教材の配信にも対応しており、社内規程や通報窓口の案内を教材化して配信したい場合にも活用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社manebi |
| 初期費用 | 要問合せ |
| 月額料金 | 要問合せ(IDベースの料金設定・非公開) |
| セキュリティ | 要問合せ(ISO27001等の認証は公式記載なし) |
| コース数 | 約8,000教材 |
| 公益通報関連のコース例 | コンプライアンス研修カテゴリあり(約8,000教材の一部・公益通報単体コースは要問合せ) |
| 無料トライアル | あり(デモアカウント) |
| 公式サイト | https://manebi.co.jp/elearning/ |
公益通報研修でeラーニングを活用するポイント
公益通報研修をeラーニングで運用するときは、誰に何を届けるかという設計がカギになります。全社員に共通の基礎を届けながら、窓口対応や情報管理を担う担当者には実務まで配る組み立て、確実に受講してもらう仕組み、実施した記録を残す仕組みの3点を、以下で整理します。
全社員向けの基礎と、窓口担当者向けの実務を分けて配信する
公益通報研修では、対象によって必要な深さが変わります。全社員には制度の基礎を、窓口対応や人事・法務・内部監査に関わる担当者には体制整備や実務までを届けたい領域です。
組織・ユーザー管理機能を使えば、組織階層やグループの単位でコースを割り当てられます。本社から部署・チームへと段階的に配信先を分けられるため、対象ごとに内容を変えて届けやすくなります。
複数のコースを順序立ててまとめれば、制度の前提から企業の対応へと順序立てて提示できます。基礎を理解したうえで実務に進む流れをつくり、担当者の理解を段階的に深められます。
必須受講とリマインドで全社員の受講漏れを防ぐ
公益通報研修は、拠点や雇用形態を問わず全員に届けたい領域です。ところが対象が広がるほど、受講状況の把握や未受講者への声かけに手間がかかります。
必須受講の設定を使うと、対象者に受講を義務づけたコースとして配信できます。受講期限の管理と自動リマインド通知を組み合わせれば、期限までに終えていない人へ自動で案内が届きます。
担当者が一人ひとりの進み具合を追いかけなくても、フォローの手間を抑えられます。拠点が分かれる組織でも、受講漏れの防止を後押しする運用に取り組みやすくなります。
受講した記録を組織別に残し、周知した事実を示せるようにする
内部通報体制を整える取り組みでは、社員へ制度を周知した事実を客観的に残しておくと役立ちます。誰がいつ受講したかがデータで残っていれば、実施した事実を示す材料になります。
レポート・分析機能では、受講状況を組織別のデータとして記録できます。部署別や拠点間の比較、ドリルダウンでの絞り込みにも対応しており、CSV出力やグラフ表示で取り出せます。監査や社内報告の場面で、研修を実施した事実を示す資料として活用できます。
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まとめ:公益通報研修は「制度の理解」と「体制の整備」を分けて全社に届ける
公益通報の研修は、2層で押さえるのが要点です。全社員には、何が公益通報にあたり通報者はどう守られるのかという制度の理解を届けます。担当者には、窓口の設置や調査の手順、通報者を特定できる情報の管理という体制の整備を届けます。対象によって必要な深さが異なるため、同じ内容を一律に配るのではなく、届け分ける発想が欠かせません。
eラーニングなら、この2層を対象ごとに分けて配信できます。必須受講とリマインドで拠点や雇用形態をまたいだ受講漏れを防ぎ、受講の記録を組織別に残しておけば、社内へ周知した事実を後から示す材料にもなります。
サービスの選び方は一つではありません。内部統制やコンプライアンス教育に特化したコースを軸にする道と、汎用コースへ自社の通報窓口の案内など固有の教材を足す道の、どちらでも形にできます。自社の体制や規模に照らして、無理なく続けられる組み方を見極めていきましょう。
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スペックや料金は資料で比べられますが、「現場の社員が迷わず使えるか」は実際の画面でしか分かりません。導入後のミスマッチを避けるには、検討段階で実物を確認するのが確実です。
AirCourseは大企業からベンチャーまで幅広く導入されているクラウド型eラーニングです。株式会社ぐるなび、パーソルテンプスタッフ株式会社など3,000名規模の導入実績もあります。
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よくある質問
Q. 公益通報研修では、どのような内容を学ぶのですか?
一般的には、何が公益通報にあたるのか、通報した人がどのように守られるのかという前提を揃えるところから始まります。制度が知られていないと、不正に気づいても声が上がらないままになるためです。公益通報の定義と保護の仕組みを扱う講座を全社員に届けたうえで、窓口担当者向けに体制整備や実務対応を扱う内容を追加する2段階の設計が一般的です。
Q. 社内での相談と公益通報は、研修でどう区別して説明されますか?
日常の相談と、法律上の保護が及ぶ通報は範囲が異なり、この違いが共有されていないと制度が使われないまま不正が埋もれます。通報先が社内窓口・行政機関・報道機関のどれかによって求められる要件が変わる点も、あわせて押さえておきたい論点です。こうした区別を全社員向けの基礎理解として扱う講座を設計すると、制度が機能しやすい組織文化の醸成につながります。
Q. 通報窓口の担当者には、どのような教育が必要ですか?
通報者を特定できる情報の管理は、担当者に固有の重い論点です。窓口の設置だけでは足りず、受けた後の調査手順や情報の取り扱いまで含めて理解を揃えておく必要があります。AirCourseでは『26年受講用/知らないでは済まされない!公益通報者保護法②企業が取るべき対策とは』で、事業者に求められる対応と体制整備の要点を扱います。
Q. 内部通報の体制整備は、どの規模の企業に求められるのですか?
2022年の改正で、従業員300人を超える事業者には内部通報体制の整備が義務づけられ、担当者には守秘義務も課されました。体制をどう周知し教育するかまでは形式が定められていないため、全社への基礎理解と担当者向けの実務理解を分けて設計する形が取られます。300人以下の企業でも、体制整備に取り組む姿勢を示すことが社内の信頼醸成につながります。
Q. 全社員向けと担当者向けで、研修の内容を分けられますか?
対象ごとに配信範囲を分けられる機能があれば、全社員には制度の基礎理解を、窓口の担当者には体制整備と実務の内容を届けられます。AirCourseの場合は『【学習パス】知らないでは済まされない!公益通報者保護法研修/26年受講用』として講座がまとまっており、組織階層に沿って受講を割り当てられます。
Q. 研修を実施した記録は、どのように残せますか?
受講管理の機能を持つeラーニングであれば、誰がどこまで受講したかを記録として残せます。体制整備の一環として社員へ周知した事実を示せるようにしておきたい場合に使いやすい仕組みです。受講状況やテスト結果を組織別に集計するレポート機能を持つサービスを選ぶと、テストやアンケートを組み合わせて理解度を確かめることもできます。








