■御社の事業内容を教えてください。
豊田合成九州株式会社は、トヨタグループの自動車部品メーカーである「豊田合成株式会社」の九州地域の製造拠点を分離独立して2018年に設立しました。樹脂・ゴムに強みを持つ「自動車部品メーカー」として4つの事業領域を展開し、自動車の性能をより高める高品質・高付加価値な製品を幅広く提供しています。
■AirCourse導入前の課題感について教えてください。
導入前は集合研修を中心とした教育体制でしたので、決まった時間、決まった場所で受講せざるをえない状況でした。移動にかかるコストや、運営の手間が多いにも関わらず、現場でのトラブルやスケジュール調整の結果、参加できない方もいる状態でしたので効果的な研修運営はできていませんでした。「階層別研修」「ビジネス基礎」「IT/DX教育」「自己学習の文化醸成」など、様々な人材領域における研修を強化したくても、一部の方しか受講できない状況で均等な教育機会を提供できていないという課題がありました。 課題解決に向け、対象者を問わず教育が受けられ、必要な研修を広範囲に提供できる環境とそれを効率よく実行していくための新しいアプローチとして「誰もがいつでもどこでも学べる」仕組みを構築する。という点を最優先して課題として掲げ複数社のeラーニングツールの検討を開始しました。
■AirCourseを選定いただいたポイントは何でしたか?
私達は製造業のため「工場勤務者の比率が高い」という特性に対応ができ、現場の一人一人が専門スキルを磨きながらキャリアを築ける環境整備に重点を置いてサービス選定を行いました。
<AirCourse選定で評価したポイント>
1、体系的かつ豊富な学習コースの提供
マネジメント、リーダーシップ、基本スキルなど、幅広い教育メニューが体系化され原理原則が学べる学習コンテンツが提供されている点が第一の選定ポイントでした。AirCourseは企業内大学のメインコンテンツとして十分なコンテンツの質と量を兼ねそろえていました。
2、全社利用に活用できる「講義形式eラーニング」
比較した他社eラーニングは、有識者の経験を一部切り取った対談形式の研修動画が中心で対話を聞いて学びを得るというスタイルでした。当社は全社利用を想定しつつも、確実に進捗できる講義型かつ学習に十分な時間を割くことができない実情に対応できる研修が必要でした。体系的に構成され理解度テストも含め進め、短時間で効率よく基礎知識や専門知識を習得できる点を評価しました。
3、短時間で学べるマイクロラーニング
現場のスケジュールに合わせやすく実情に則した運用が可能な「短時間」かつ「体系的」に学べる学習コンテンツでした。初めてeラーニングを導入する当社にとって「社員の受講ハードルが低い」ことは選定理由の一つです。AirCourseの多くのコースでは、30分のコースが5分程度区切りの動画で構成されています。30分全てを通しで見るのは受講者の負担も大きいですが、細切れで学習を進められる点は受講を確実に進められ、受講のハードルを下げるうえで重要なポイントでした。
4、優れたコストパフォーマンス
教育にかけられる予算が限られている中で、AirCourseの費用対効果が高かった点、社員全員が利用し続けても、負担の少ないコスト設計でした。
▼AirCourseが提唱する「学びのサイクル」
継続するほど価値が高まる学びのプラットフォームとして効果と効率を実感できる仕組みを提供
■AirCourseの具体的な活用状況、運用方法などを教えてください。
AirCourseが提供する6,000以上のコンテンツで、コンプライアンス・リーダーシップ・DX研修をはじめとする総合的に学習できる環境が用意できたタイミングで、私たちは「TGKU」(Toyoda Gosei Kyushu University)という企業内大学サイトを立ち上げました。
TGKUでは、人材育成制度と連動した研修制度や具体的なプログラムの提供、スキルや経験に応じた専門教育、必要なスキル獲得に向けた研修などを網羅的に確認することができ、受講申込(入学申込)ができるようになっています。
企業内大学の中で、 AirCourseの役割は「標準化された一貫性のある教育」と「全社員への均等な学び」を実現するプラットフォームとして活用しています。必須の階層別研修、従業員が自主的に学べる自己申告型の研修プログラムを提供しています。提供されているすべての動画で、各分野の専門家が登壇しており質の高い研修を効率的に提供できています。このベースを活用することで、教育のばらつきを防ぎ、教育が平等に学べる環境構築ができました。
▼企業内大学サイト「TGKU」
研修情報統合サイトとして、自社独自研修、AirCourse研修情報公開、研修申請ワークフロー等の情報公開、受付を行っている
導入初期は、eラーニングの社内浸透を進めるため全社員が利用できる環境整備、必須研修を決め利用促進に着手しました。具体的には以下のような取り組みを行いました。
1、従業員が自宅やスマートフォンで受講できる仕組みを整備
利用者が申請ベースで利用できる「モバイルWifiの貸与」や 「オフィス内に学習専用ブースの設置」などの環境整備を行いました。
2、業務時間外の受講を労働時間として明示
研修・業務時間外での研修受講は労働時間として認めていることを社内で案内しています。受講ルールを明文化することを通じて、利用者が安心して学べる環境づくりを目指しています。
3、部門長を協力者として巻き込む
部門長とは密に連携しており、研修の導入意図や内容を丁寧に説明し ています。全社員に受けてもらいたい全体研修においては、部門長経由で未受講者に対してのフォローアップを実施してもらっています。
いずれも、導入初期に社員から出た疑問や計画通りに進まなかったときは課題管理と対策によって仕組みやルール化を決めていきました。これらの試行錯誤の末、TGKUでの「自ら学び合う文化」の土台づくりを行うことができました。
▼新設のオフィス内学習専用ブース
■他にはどのような効果が得られましたか。
「eラーニング」 と「集合研修」との役割の住み分けを明確にすることができたのは大きな成果です。 “情報のインプット”は「eラーニング」、”社員同士の対話”は「集合研修」と役割を分けています。
これまでは講師が一方的に話をするインプットのみの研修も、集合研修で実施していました。 多くの社員を一つの場所に集めるコストや、集合研修ではどうしても当日参加できない人がいる中で個別にフォローアップを実施しているなど効率面で課題がありました。
AirCourse導入後は、インプット中心の研修は全てeラーニングで実施しています。社員全員が受講完了するまでのオペレーションの効率化が実現できました。受講者からも「いつでも受けたいタイミングで研修を受講でき、負担が減った」と大変好評です。
効率化して生まれた時間は集合研修を増やす企画や実行の時間に充てています。 集合研修では「社員同士での対話による気づき」「社員の相互理解の促進」という、集合研修でしか実現できない役割があります。 効率化によってより本質的な研修に時間を割くことができるようになったのは、AirCourse導入の大きな成果の一つと言えます。
▼AirCourseを活用した「人材育成スケジュール」の一例
「プロ講師」によるさまざまな研修が幅広く利用できるためニーズに応じた最新の研修を自由に構築できる。
■今後の展望、取組みについて教えてください。
今後の展望としては、3つの方向性に注力していきたいと考えています。
1、自己学習の文化醸成
現在、自己選択型の学習メニューを提供しており、一部の従業員が積極的に利用しています。今後はこれをさらに活性化させ、従業員が自主的に学び続ける文化を醸成していきたいと目指しています。そのために年次に応じた効果的な研修コースの共有や、従業員の課題や興味関心に基づいた適切な研修コースの提案を行うなどの仕組みの構築を検討しています。
2、現場発信のノウハウ共有
現場に特化した内容や独自のノウハウを取り入れた当社独自の研修コースを作成して、より実践的で当社の業務に直結した学習機会やOJTの一環としての環境提供を構想しています。複数の工場を保有しておりますので工場間での情報共有や知見の共有などに広げていければと思います。
3、教育のさらなる進化
AirCourseを活用したインプット型学習に加え、集合研修やディスカッション型教育との連携を強化します。より総合的な学習体験、またグループ企業や関連会社の情報交換の場を通じて、他社も含めた教育の質向上への活動に貢献していきます。AirCourseを核とした取り組みによって、私たちの教育制度や整備が進み、従業員の成長と会社の競争力向上に寄与しています。
これからも学びの文化を広げ、より良い未来を創造していきたいと考えています。
▼豊田合成九州株式会社様 についての詳細は公式サイトをご覧ください
https://kyushu.toyoda-gosei.co.jp/
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