■御社の事業内容を教えてください。
当社は、AI技術を活用したソフトウェアテストの品質保証を主軸に事業を展開しています。ソフトウェアやシステムの不具合を検出し、製品やサービスの品質向上・信頼性確保を支援しています。エンターテインメント領域では、ゲーム開発における動作確認やバグ検出を通じて、ユーザー体験の向上に貢献。セキュリティ分野では、脆弱性診断や対策提案を通じて、サイバー攻撃への備えを強化しています。現在の社員数は約300名で、そのうち約250名がエンジニア。大阪・京都に拠点を構え、プロジェクト特性に応じてリモート業務とオンサイト業務を柔軟に組み合わせています。
■担当の業務内容について教えてください。
石丸様:人材開発セクションで研修プログラムの設計・運用、進捗管理を担当しています。また、オリジナルコースの作成や、現場のQA部門でのマネジメント業務も兼任しています。
川田様:広報・マーケティングセクションに所属し、社内外への情報発信やイベント出展用の資料作成を担当しています。研修制度の広報活動も行っています。
■AirCourse導入前の課題感について教えてください。
導入前は、Zoomを活用したリアルタイムの研修を中心に実施していました。ただ、当社では現場常駐の社員が多く、配属後に継続して研修を受けることが難しい状況でした。案件の都合で社員が一堂に会することができず、研修を受けたくても受講できないという課題を抱えていたのです。講師役を務める社員の負担も非常に大きく、研修の準備や実施には多くの時間と労力がかかっていました。
また、ビジネスマナーやコンプライアンス、リーダーシップなどのポータブルスキルについても、より体系的に学べる環境を整える必要があると感じており、そのために複数のeラーニングツールを比較・検討していました。
■AirCourseを選定いただいたポイントは何でしたか?
数あるeラーニングツールの中でAirCourseを選んだ理由は、当社の業態やニーズに非常にマッチしていたからです。
まず魅力に感じたのは、オリジナルコースを簡単に作成できる機能が備わっている点です。IT業界ならではの専門性の高いスキルを、当社独自のノウハウをもとにカスタマイズしながら体系的に学べる仕組みが整えられるのは、非常に大きなメリットでした。また、情報セキュリティやコンプライアンスといった幅広い分野の標準コースが充実していることに加え、法改正などの最新トピックにも迅速に対応している点は、継続的な学びを支える上でとても心強く感じました。さらに、教育予算が限られる中でも、全社員が利用できるコスト設計であることも大きなポイントです。コストを抑えながら質の高い教育を提供できる点は、導入を後押しする決定的な要因となりました。
■AirCourseの具体的な活用状況、運用方法などを教えてください。
当社では「ポータブルスキル研修」 「テクニカルスキル研修」、そして「リスキリングの促進」で活用をしています。
・ポータブルスキル研修の活用
標準コースを活用し、ビジネスマナー、コンプライアンスのほか、生成AIや法改正(育児・介護休業法など)にも対応。社員の等級(F〜A)ごとに学習パスを設定し、昇格条件にも組み込んでいます。たとえば、マネージャー等級には管理職向けのコンプライアンスや面接スキルなどを必須とし、体系的にスキルを身につけられるよう設計しています。
・テクニカルスキル研修
こちらはまだ構想段階ですが、当社が得意とするテスト、開発、セキュリティ、自動化領域に関しては、入門〜中級レベルまでをオリジナルコースで全て作成をする予定です。「テスト実行Step1」「テスト実行Step2」など段階的なカリキュラムとし、社員の技術レベルに応じて受講できるよう進めております。こちらは等級や昇格条件には直接関係しませんが、上長との面談を通じてキャリアに即した受講を推進していく予定です。
新しい分野に挑戦したい社員に向けて、セキュリティ分野などの研修を提供しています。こちらは、オリジナルコースを活用する形で進めています。特にセキュリティ部門では、現場の専門家が作成した教材を使用しており、非常に実践的な内容になっています。社員が新しいスキルを習得することで、キャリアの幅が広がり、会社全体としての競争力も高まっていると感じています。
▼オリジナルコースの実際のコンテンツの様子(VOICEVOX:ずんだもん/四国めたん)
▼ポータブルスキル研修の概要
■ポータブルスキル研修とインセンティブ制度や昇格制度との連動について、運用方法や効果を教えてください。
ポータブルスキル研修を昇格制度やインセンティブ制度と連動させることで、社員の学習意欲が格段に向上しました。
等級はF~Aの6段階に分かれており、例えばFからEに昇格するためには、ポータブルスキル研修の指定された学習パスを修了することが条件の一つとなっています。これを修了することで、次の等級に進む準備が整う仕組みです。また、研修を修了した社員に対して金銭的な報奨を付与する仕組みを導入しています。人事評価制度も見直しが必要な状況でしたが、昇格条件が明確化したことにより、客観的に見て納得度のある評価制度を実現することができました。
■オリジナルコースを作成する際の体制や工夫について教えてください。
コース作成にあたっては「誰に向けて何を教えるか」を明確にしています。対象となる社員の役職やスキルレベルに応じて、研修の難易度や所要時間を調整することで、より効果的な学習体験を提供できるようにしています。
また、研修内容は、実際にその分野で業務を担当している社員がリードし、実践的な内容を盛り込むことで、受講者が業務に直結するスキルを習得できるようにしています。
コース内容は私たち管理部門から現場に提案するパターンと、現場からのリクエストによるパターンの両方があります。現場のニーズを反映することで、社員が必要とするスキルに応じた教材を迅速に提供することが可能になっています。そうした取り組みを繰り返し、今では88 コース以上作成しました。主にはPowerPointスライドと音声をWindowsの「フォトレガシ」で編集しながら作成していますが、最近では直感操作のしやすい動画編集ツールを使い、負担を抑えつつ高品質な動画作成を作成する社員も増えており、教材の質も向上しています。
■AirCourseを導入してよかったと思うことは何ですか?
AirCourseの導入により、社員の学習環境が大きく変化しました。以前は常駐社員が研修に参加しにくい状況でしたが、今では場所や時間に縛られず受講でき、通勤中や休憩時間などスキマ時間を活用する社員が増えています。受講率も向上し、キャリアパスを意識した主体的な学習が促進されています。苦手分野を選んで受講できる点も好評で、学習結果の可視化により、マネージャーが成長をサポートしやすくなっています。昇格要件・インセンティブ制度との連動で、学習モチベーションもさらに高まりました。当社には「エンジニアは一生学び続けるべき」という考えが根付いており、AirCourseはその文化を支える強力なツールとなっています。
■今後の展望、取組について教えてください。
今後は、入社時研修のさらなる強化に取り組んでいきたいと思います。入社直後の不安を払拭し、スムーズな立ち上がりを支援できるよう、必要なスキルや知識を効率的に学べるカリキュラムを整備していく予定です。また、等級別だけでなく、役職や職種ごとの研修にも注力していきます。たとえば、マネージャーには部下育成・リーダーシップ研修を、リーダー候補にはプロジェクトマネジメントやチームビルディングを提供し、それぞれの役割に応じたスキル強化を支援します。さらに、新卒社員を中心とした「マインドセット研修」の導入も検討中です。仕事に対する姿勢や責任感、チームで成果を出す考え方など、組織全体で価値観を共有できるような学びの場を提供していきたいと考えています。
▼AIQVE ONE株式会社様についての詳細は公式サイトをご覧ください
https://www.aiqveone.co.jp/
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