従業員が急増しつつも集合研修が難しい状況下で、 成果を伴う社員教育をどのように行っていくかが重要課題となっていた
■ 御社の事業・サービス内容、業務内容を教えてください。
当社は人材事業を中心とし、そこから派生したHRテック、ヘルスケア領域に特化した人材サービス、メディアサービスなどを展開する総合人材サービス会社です。従業員は国内・アジア含め約3,000名います。
人材開発の責任部門として、従業員の入社から退職まで在籍期間の活性化や、人材開発・能力開発の担当をしています。
■ AirCourse導入までの背景と経緯を教えてください。
eラーニングそのものは5年前から使っていました。
当部門では自分たちでコンテンツ作成を行っていたので、当時は自社コンテンツのみが学習できるシステムを利用していたのですが、従業員の増加に伴い、一人当たりの教育にかけられる充分な時間や、必要コンテンツの準備に限界を感じていました。
そのような状況下でAirCourseであれば標準コースとして既に研修動画コンテンツが備わっていることに加え、テスト・アンケート機能などほしい機能が一通り揃っていたので、切り替えることにしました。
■ リプレイスを検討していた中で重視していたポイントや決め手を教えてください。
全従業員に必ず理解しておいてほしいコンテンツがあるので、それらの受講を徹底したいと考えていました。当社は従業員数が多いこともあり、運用側としては受講済みの数がどのくらいなのかといった進捗把握の容易さや、新しいコースが開始すれば速やかに各受講者へ通知できるかといった点を重視していました。
AirCourseではそれらを備えており、同時に標準コースが用意されていたことも決め手となりました。
コンテンツの種類は大きく分けて二つあると思います。一つは自分たちで作成する自社のコンテンツ、当社の場合だとコンプライアンス系のコンテンツなどがそれに該当します。もう一つはワードやエクセルといった自社で用意はしにくいけれど、どんな従業員にも知っておいてほしい汎用的な内容のコンテンツです。
後者の内容は、標準コースで満たすことができ、自主学習としても利用できると考え導入することにしました。
■ eラーニングの活用を推進するにあたり工夫したことがあれば教えて下さい。
これについては「繰り返し、及び徹底」しかないと考えています。
当社ではeラーニングに限らず、人事が発信するアンケートやエンゲージメントサーベイといったものについては100%完了するまで後追いをすることにしています。
当たり前ですが協力的な10名から得たアンケート結果よりも母数が100名、1,000名あったほうが結果の検証や状況の把握の精度が高くなります。
当社では、全員が知っておくべきコンプライアンスの知識や代表からのメッセージなど、一人ひとりに必ず見てもらいたいコースがあります。これらに関しては、仕事の開始時にパソコンのスイッチを押すのと同じように、AirCourseの利用を当たり前の行動にしたいと考えていました。
そのためにも人事側としては地道に受講のアナウンスを行っていきました。それを繰り返していくことで徐々に社内でeラーニングが浸透し、習慣化へつながっていきました。AirCourseには、簡単に通知を送れる機能があるので、その点もとても助かります。
■現在のAirCourseの具体的な活用方法、内容などを教えてください。
かなり広範囲での活用をしています。
一言でいえば、AirCourseがないと教育がまわりません(笑)。
先程も少し触れた話でいうと、コンプライアンスの啓蒙を3ヶ月に一度、テキストや動画で行い、テストで理解度をはかっています。代表からの全従業員に向けたメッセージ動画も月に一回配信しています。
新入社員教育に関しては、今年はコロナウィルスの影響により、入社時の集合研修ができなくなりました。約300名が入社したのですが、すべてをオンライン研修で賄うことも難しい状況でしたので、AirCourseでビジネスマナーと社内ルールのコースを作成し、オンライン研修と組合せることにしました。
内定者研修では、この経験を踏まえスマホやタブレットを用いてAirCourseで事前学習してもらいます。内定者に対しては、スマホで学習できることが非常に重要な点です。
その他、階層別研修でも集合またはオンライン研修と組合せて活用したり、資格取得者向け支援として過去問の掲載などもしております。
また、社員総会コンテンツ、NPS®※、研修に望むもの、意識調査など、様々な内容のアンケートをAirCourseに集約しており、適正検査なども同機能を利用して行っています。
AirCourseで従業員の習熟度や適性を一元管理できるのでとても役に立っています。
※NPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標又はサービスマークです。
■ 集合またはオンライン研修とAirCourseはどのように組合せているのでしょうか。
集合またはオンライン研修をアウトプット、eラーニングをインプットとして研修内容を組合せています。いわゆる「反転学習」を研修に取り入れています。
例えば、ディスカッションや事例共有といったアウトプットは集合またはオンライン研修で行い、それらの研修前に講師が作成した内容をAirCourse上で事前にインプットしてもらうようにしています。
当社のケースでいえば、中間管理職向けの研修では、対象者は時間の余裕がないマネージャー層です。しかも、研修そのものも1~2時間で終わる内容でもありません。そこで、事前に対象者にはAirCourseで講師の話を視聴してもらうようにし、事前学習ありきで研修のカリキュラム化を行っています。
月に一回ある研修は事前学習をしておかなければ、実績のあるマネージャーでも話についていけずアウトプットができない高度な内容となっています。
研修日を何らかの試験日と捉えると、その日までにその勉強をしておかなければ合格できない(=アウトプットできない)のと同じです。
実際に、初回研修前のAirCourseの進捗率はそれほど高くはなかったのですが、事前学習なしでは内容に追いつけないことがわかるので2回目以降は高い進捗率になっています。
■ AirCourse導入・活用により、実感された効果などがあれば教えてください。
AirCourseがあったからこそ実現できたことがあります。
当社も少なからずコロナの影響を受け、様々な環境的な制約を受けることになりました。
そのような環境下で、6月~9月の4ヶ月間AirCourseの標準コースをカリキュラム化し、週に1回学習指定日を設け、指定コースを受講してもらうようにしました。就業時間内に、90分単位でのカリキュラムを作成し、在宅ワーク時に学習してもらうようにしました。
今年からeラーニングも雇用助成金の対象となり、該当した従業員もいましたので当社内でも新しい研修事例の一つになりました。
■ AirCourseについての感想があれば教えてください。
一般的にeラーニングシステムというと見た目がクラシカルなものが多い印象がありますが、AirCourseはデザインが良く非常に使いやすい仕様になっています。
実際に利用しているユーザーからも「以前使っていたものよりもインターフェースが綺麗で使いやすく、積極的にアクセスしたくなる」という声が上がっています。
受講者にとっての使いやすさ、分かりやすいインターフェースもeラーニングを継続できる重要なポイントだと感じました。 管理者の視点では、自社コース作成時にスムースに動画やPDF・ワードの貼り付けができるので助かっています。
■ 今後の展開・展望を教えてください。
現在は人事側が主導して運用していますが、今後は現場に即した現場主導の活用を進めたいと考えています。
例えば、営業であれば、アポイント取得のトークであったり、商談のロープレをAirCourse上で共有しておけばどんなトークや準備をすれば良いのかがわかりますし、現場に応じた知識テストがあれば、不足している人へのフォローアップもできます。
各現場の管理マネージャー陣に主導してもらい、それぞれに応じたOJTの動画やコンテンツを作成し、活用してもらいたいです。